Leonna's Anahori Journal
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2009年05月23日(土) 「ブライヅヘッドふたたび」をふたたび

 
気になっていた「ブライヅヘッドふたたび」の映画化、「情愛と友情」がDVDになっていたので借りてきて観た。

日本でいつ公開されたのかも知らないし、評判になったという話も聞かない。そもそもこういう特別な小説の映像化には失望がつきものなので、とにかく期待せずに観始めたのだったが…いやはや、これが傑作!

とくに素晴らしいのが陰の主役ともいえるブライヅヘッド邸。個人所有で、部分的に一般公開もしているというお城の、この大きさ豪華さ素晴らしさが、文章だけでは理解できていなかったのだなぁ、私は。

主演のマシュー・グードは、脚本に書かれた「なんて美しい屋敷だ」という台詞を初めて読んだとき、紋切り型の歯の浮くような台詞だと思ったが、ロケ地へやってきてこの城に入った瞬間に理屈ではなくその意味を理解したそうだ。わかるなぁ、その気持ち。

それと、小説を読んだときにはイマイチよく理解できなかった、英国でカソリックとして生きることの苦悩、カトリシズムの権化みたいな厳格な母親の恐ろしさが、実にわかりやすく描かれていた。それで、セバスチャン・フライト(「パヒューム」のベン・ウィショーが好演)の人生のあまりの無惨さに慟哭しました。ありゃあ可哀想だよ!

というわけで、せっかく吉田健一訳でウォーの傑作を読みながら、要するになーにもわかってない読書をしていた私ですが、これでもう大丈夫です。なんか先月古書店で古い文学全集に収録されたブライヅヘッド(吉田健一訳)と遭遇した理由がわかったような気がする。あたしは確かに馬鹿だけど、幸せ者でもあるかもー。
 
 
(こういうダイジェストを観ちゃうのは善し悪しだと思うけど、一応リンク







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