Leonna's Anahori Journal
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いま勤めている会社は机の上にカップや飲み物の瓶を置いてはいけないことになっている。もし倒して中のものをこぼしたら、パソと書類がアチャパーになるから、らしい。故に蓋付き容器ならOKなのである。ペットボトルも可。それで皆さん、スタバで売っているプラスチック製の蓋付き容器や、中がステンレスの大きな蓋付きカップなどをデスクの上に置いている。
私も、昨年末、中がステンレスで冷めにくいタンブラータイプの蓋付きカップを買った。外は、光るローズピンク。ところが、初めてこれでティーバックのハーブティーを飲もうとしたとき、いきなり唇をヤケドしてしまった。保温性能が高すぎて、磁器のカップのように自然に冷めてくれない。熱いながらもまぁ飲めるという熱さまで、なかなか下がってくれないのだ。その塩梅がわからずに、いきなり、蓋に開いた小さな穴から熱々のお茶を口の中へ流し込んでしまった。
それは、熱いというよりも痛いと呼ぶのが相応しい衝撃で、ぎゃっと叫びたいのをこらえるだけで精一杯だった。液体をデスクに向かって吹き出さなかったのは不幸中のさいわい。もともと、テイクアウトした紙コップの、あの蓋に開いた小さな穴からコーヒーを飲むというのが嫌で、できる限り蓋をはずして飲んでいた私なのだ。あの小さな穴に唇をくっつけて液体をちゅっと流し込むたびに、あたしはハムスターじゃない!と文句を言いたくなる。
ハムスターも嫌だが、そのうえヤケドまでしては堪らない。それ以来、光り輝くローズピンクの保温タンブラーの、蓋を外して使っている。いまのところまだ怒られたことはない。
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そもそも、この手のカップというのは行楽やアウトドアで使うためのものだろう。暖房の効いたオフィスで使用してヤケドなんかしている自分はなんて阿呆なのだろうと密かに憤ったが、今日、そのタンブラーを持って外へ出てみた。昼食をパン屋さんでテイクアウトして、丸の内の某ビル一階のテラス(テーブルとイスが出ている)で食べることにしたのだ。
解放感のある吹き抜けに、大きなガラスの壁面から陽が差し込んで暖かく、オフィスの閉塞感からも自由になれて、大変に心地よかった。タンブラーには会社の給湯室で紅茶を淹れて持っていったのだが、密閉式の蓋のおかげで持ち運びは楽だった。保温のおかげで外でも温かいお茶がたっぷりと飲めたのは言うまでもない。やはり野に置け、保温タンブラー。 私は性格が悪いので、こういう楽しみは誰にも教えず、ひとりでこっそり出かけることにしている。これからも暖かくて気持ちの良い日には、ランチと文庫本を持って抜け出そうと思っている。ウッシッシのウッシッシ、だ。
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