Leonna's Anahori Journal
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2006年01月14日(土) 低地にて(3)


昨日、会社の帰りに電車の中で読み始めた吉田修一「パレード」を帰宅してからも読み続けて、今朝3時半ごろに読み終えた。読みやすさと面白さにぐいぐいと引っ張られて、もうあと数ページというところまできて、気分が暗転した。恐いというのとも違う、何か割り切れない気分でベッドを出て階下へ降り、ダイニングの椅子で煙草を吸う。

もしも、これが今の世の中を活写した優れた小説であるならば、私はもう今の世の中とも優れた小説とも無関係に生きて行こうと思う。病んだ世の中に小さく傷つき、そのたびに小さく気を紛らわせながら、ズレた奴だと思われぬよう周りにも気を遣って…なんてみみっちいことは、もう考えるまい。どうせ勘違いなら、大きくいこうじゃないか。

明け方に寝て、そのまま夕方まで寝ていた。大雨と、地震と、雷。

誰からも必要とされないということは、何とも言えぬ気分のするものだ。…いや、そうじゃあないだろう。自分が必要だと思うひとから必要とされないということは、と書くべきなのだ。真実とは、こんなにみっとないものかと笑ってしまうが、自分自身を丸め込もうとするような嘘は良くない。そういうのは、結局のところ、健康に良くないのだ。
 
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昨日、amazonから宅急便で届いた本。
 
 「不穏の書、断章」 フェルナンド・ペソア(思潮社)
 「ヴェネツィア・水の迷宮の夢」 ヨシフ・ブロツキー(集英社)
 
これで、注文した本は全部そろった。心を落ち着けて、しばらくは、買うより読む方に専念するとしよう。
 
 
 
 


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