Leonna's Anahori Journal
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ひとりで母のお墓参り。浴衣で。
せっかく買ったんだもん、着ないとね。でも、東京の人ごみではそんなでもなかったのに、横浜の、それも郊外の方へ行くと目立つのか、ひとから見られる。お祭りでも花火大会でもないのに浴衣なんか着てる、という感じで。
やっぱり着つけないひとが着ていると、雰囲気でわかるんですね。これが普段から当たり前に着てるようなひとだと、悪目立ちせずに背景に馴染むのだろう。そしたら、懲りずに着続けようかな。やめるより、着た方がいいもん。帯も自分で結べるようになりたいし。
しかし暑かったなぁ、きょうは。東京、千葉より横浜の方が暑かったような気がする。手桶にお水を汲んで、よろよろしながら運んで、お墓の掃除をしていると、墓石が芯まで暖まっているらしく、お水をかけてもすぐに乾いてしまうのだった。
隅々まで磨き上げ、お花とお線香をあげたところで、携帯から父に電話。「いまお墓のまえです。ピカピカになったよ。では、これからそちらへ向かいます」。もう、父をこんな暑い日に出歩かせることはできない。暑くなくても、ひとりでお墓まで来るのは難しいかもしれない。
-- 父の家で、足を投げ出してスーパーで買ってきたお寿司を食べていたら、夕方遅くなってひょっこり妹がやってきた。「お盆だからお線香をあげにきた」そうだ。「おととい、YとK子が遊びに来てくれたんだよ」と、旧友来襲時の話をする。
◎妹にしてあげた話:
私が「あたし「マラソン」て韓国の映画観に行くんだ」と言ったら、Yが「ねえねえ、あの映画は?『象になった少年』」。ん?象になった…?
ハイ、賢明なミナサンは、もうおわかりですね! そうです、それを言うなら、『星になった少年』!。いや、言いたいことはわかるんだけれども。
これはクリーンヒットだ、ボケて忘れるまで延々と語り継がれるよ、とか、象にはならないだろう乗るだけだよ、とか、生きて象になるより死んで星になったほうがいいよ!、とか。一瞬の沈黙の後、ナニがおかしいのか気付いた私たちは、三人して笑い転げてしまった。
話を聞いて、妹も笑った。彼女の感想はこうだ。「ヤギラくんに聞かせたいね!」。
-- 夜遅くに帰り着き、下駄を脱いで家へ上がったら、板張りの床が異様にぶよぶよしている。一日中下駄履きで足を平らな板の上へのせていたら、足の裏の感覚がマヒしてしまったらしい。床も、階段も、絨毯の上も、全部ぶよぶよしている。
帯を解きながら、ああ、下駄のせいであんなふうに感じたのか、と納得する。このときになって初めて、父の家の畳は別に湿気にやられたわけではなかったのだとわかり、少し安心した。着つけないということは、履きつけないということでもあるのですね。
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