Leonna's Anahori Journal
DiaryINDEX|past|will
会社でお昼を食べるとき、いつもテレビ朝日の大和田獏が司会をしている番組をみながら食べる。今日はその番組に、中学生の時に家出して以来42年間たったひとりでほら穴生活をしてきた(!)という男の人が出てきた。
なんでも親兄弟による虐待に耐えかねて、学生鞄に干し芋と塩と醤油をぎっしりと詰め、茨城県の家を徒歩で出たのが42年前だったそうだ。徒歩で群馬県まで行き、廃坑となった足尾銅山の洞窟(旧坑道)にたどりつく。
元住人の案内で以前彼が住んでいた洞窟をさがして山へ入ったテレビクルー。やっと探しあてた“住居跡”の中を見回して、どこに寝ていたのですかと訊いたら、少し奥まった岩壁沿いの小石のゴロゴロしたところを指して「そこです」。さらに、ここで眠れましたかとたずねると「ええ、よぉく眠れました」。この洞窟のなかでは、夜、火を焚いているとよく地ネズミが出てきて「これが一番美味しかった」とのことだった。
ただただびっくりしながら見ていた私たちが思わず胸を詰まらせたのが、愛犬シロの話だ。家を出て二日目に可愛がっていた飼い犬のシロが追いかけてきた。家にいるときからとてもよく彼になついていたのだという。それでシロも一緒の道行きとなった。
足尾の廃坑では「シロが野うさぎを捕ってきてくれたのでそれを食べた」、「ケガをしたときはシロが舐めて治してくれた」という。シロが(たまたま)捕まえてきたのでそれを食べた、という言い方ではないことに注意してほしい。また、ただ舐めてくれただけではなく“治してくれた”という言い方にも尋常でないものを感じる。実際彼は「シロがお母さんだった」とさえ言っているのだ。
だからシロが死んだときが「一番悲しかった」。それから足尾を出て、福島や新潟へも行った。富士の樹海に入って死のうと思ったこともあるけれど出来なかった、そうだ。
その彼が今回テレビで数奇な人生を語ることになったのは、自動販売機を壊してこじ開けようとしているところを見つかり、両手が後ろへまわったから。ところが、捕まえて事情聴取してみたところがこの“来歴”だ。聴取した人も、さぞやびっくりしたことだろう。
この男性は現在身元を預かってくれるひとの保護のもと左官の仕事についており、いまは「とても幸せ」だそうだ。ちなみに番組スタッフが実の兄とおぼしき人を探し出して“家出した弟”についてきいてみたところ、「知らない、覚えていない」という返事だったそうだ。(ま、家を出た当人の方で棄てた家族なんだからかまわないってば、かまわないんだろうけど。つまり帰らなくて正解だったってことだよね)
この男の人は(顔の中央部分はぼかしてあったけれど)、なかなか色つやもよく、健康そうだった。過去40年以上、ほとんど自然天然のものばかりを摂取し続け、体内にケミカルな毒素がたまっていないからだろうか。 それにしても、世の中にはいろいろな人がいるものだ、想像もつかないような生き方があるものだ。苦労だとか悲哀というものを飛び越して、件の男性は人生の“勝ち組”なんじゃないかと、ふとそんなことを思ってもみたチマリスだった。 -- 深夜。
ボローニャ×エンポリ。中田のボローニャ移籍後初の試合。コクーンに録画をまかせて寝るつもりだったのだが、心配になってスカパーを点けてみる。昼頃みたネットのニュースで腰痛で出場できないかもと報じていたからだ。
TVを点けてみると…、やはりスタメン出場はしていないようだ。マッツォーネ監督の隣で小学生みたいな顔してちょこんと座っている。ガッカリ。
(でも、ああいう中田の顔は久しぶりにみたな。移籍したことでこれまでの緊張感から、かなり解放されたんだろう。今後の活躍に期待)
|