Leonna's Anahori Journal
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久々にクルミ嬢と会った。一緒に銀座テアトルシネマで『トーク・トゥ・ハー』を観る。
多くの人に絶賛されたこの映画、素晴らしい作品、感動作であることは間違いない。高尚なほめ言葉はいくらでも巷にあふれているので、ここではあえて、チマリスらしく。
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・女闘牛士役のロサリオ・フローレスが尋常でなくカッコエエ。いくらラテン系だって、こんな女、ありなのか。(私もクルミ嬢も一目惚れ)
・相手役のダリオ・グランディネッティというアルゼンチンの俳優。長身で知的で暗ーい目つき。ハリウッドではあまり見ないタイプだ。女闘牛士と並べてもぜ〜んぜん負けない男の色気。
・二人が演じる大人の感情(ビターで悶々)がとても贅沢だった。駆け引きではなく、正直だからこそより深く傷つくのだという当たり前のこと。それが大人のフェロモンムンムンのふたりによって演じられるというのが。
・劇中ライヴで歌われる、ブラジルの歌手カエターノ・ヴェローゾの「ククルクク・パロマ」。とにかくアタシCD探して買ってくる〜
・それにしてもスペイン。この映画の影の主役はスペインそのものなのだ。色彩と陰影。あのちょい露出アンダー気味な感じにグラッときた。
・結論。アルモドバルってやっぱりちょっと変。でも素晴らしい(特別な)映画監督。サイコーです、大好きです。
(こういう映画を観ると、もっと次々映画が観たくなっちゃうなあ!)
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帰りに有楽町の三省堂で購入した本。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 D・J・サリンジャー/村上春樹訳 実は私、この「ライ麦畑」を読んだことがない。これ以外のサリンジャーは訳違いまで含めておそらく全部読んでいるのに。なんでだろー。
二十年以上前に買った野崎孝訳(白水社のハードカバー)も、多分もう手元にはないだろうと思い、この機会に村上訳で読んでみっかと購入した。最近こういう、自分で自分の禁を破るというのが続いている。
それで、醒めた目で読むホールデン・コールフィールドもまた一興か、などと思いながら帰って家の書棚をがさがさやってたら野崎孝版「ライ麦畑」が奥の方から出てきて。さすがに、醒めた目で自分自身を観察した方がエエのではないかと思った。
新訳版の巻末に、訳者の解説を加えようとしたら原著者(サリンジャー)の要請と契約の条項に基づき不可能になってしまった、ご理解いただければ幸甚です、ということが書かれている。あの隠遁者、あいかわらず陰で威力を発揮してるんだな。
でも、そのお陰で『サリンジャー戦記 翻訳夜話 2』が出せたのかも、という考えも成り立つのであり…(なんだかんだ言って、結局これも買って読むんだろうなという気がしている)。
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