Leonna's Anahori Journal
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2003年06月12日(木) 石川直樹とエリア・スレイマン

きのうエスクァイアをみながらとってきたメモから。

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石川直樹という若き冒険家、このひとはエベレストでも6400メートルくらいまでは本を持っていく(!)というつわものなのだが、彼に5万円渡して青山ブックセンターで買い物をしてもらうという企画ページから。

なにしろ、彼の選んだ本が素晴らしい。チマリス、思わずメモ帳をとり出してしまった。以下、書名を箇条書きでご紹介します。

 「砂の本」 J・L・ボルヘス
 「幸福な無名時代」 G・マルケス
 「テレピン月日」 大竹伸朗
 「文化の窮状」 ジェイムス・クリフォード
 「CIVIL OPERATIONS」 ウォルター・ニーダーマイヤー
 「地上にひとつの場所を」 内藤礼
 「スーパーフラット」 村上隆
 「フィッシュ」 J・デリダ
 「ベンヤミンコレクション 1&2」


…こんな冒険青年ありなのかと溜息が出るようなラインナップ。
デリダ、マルケス、ベンヤミンの間に大竹伸朗と村上隆(アート系)がきちんと挟まっているところなんか、本当にニクイ。
マルケスは「幸福な無名時代」を選んでいるところが渋くて、要するにこれは「族長の秋」「百年の孤独」あたりはもう読んじゃったってことなんだろう。

私はまったく知らなかったのだけれど、内藤礼という人はアーティストでインスタレーションなんかをやっているひと。「地上にひとつの場所を」というのはその作品展の写真集らしい。
「CIVIL OPERATIONS」というのも、写真集(洋書)。
この“見る”と“読む”のバランス感覚に親近感を覚える、などと書いたら生意気ぬかすなと叱られるだろうか。

(あー、デリダ。ひさびさに読みたくなってきた)

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もうひとり、エリア・スレイマンという映画監督についても。

彼は1960年イスラエル、ナザレの生まれ。昨年「D.I.」というパレスチナ映画でカンヌ国際批評家連盟賞と審査員賞をダブル受賞した。
他に91年「戦争の終わりのための序章」、93年「消滅の年代記」などの作品があるらしい。
私は特に、レジスタンスだった父親をモデルに作ったという「消滅の年代記」という映画に興味があるのだが…

この人は82年からニューヨークに住んでロックミュージシャンをしていたというのも面白い。(93年にナザレへ戻ったそうだ)
「D.I.」はイスラエル人とパレスチナ人の恋愛を描いたコメディだというのだが、はてさていったい、どんな映画なのだろうか。
 
 


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