Leonna's Anahori Journal
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2002年11月19日(火) 創刊第一号を読む。

古い雑誌がらみの話が続いたので、きょうは新しい雑誌の話を。
先週末買ってきた『インビテーション』と『プレミアシップ・マガジン』の二冊。
創刊号だけに力が入っているというか、どちらもなかなか面白かった。

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『インビテーション』はWeeklyぴあ別冊、なのだそうだ。Invitationなら片仮名表記はインヴィテーションじゃなかろうかと思うのだが、インビテーションと書いてある。カルチャーの趣味的専門誌ではなく、カルチャーの一般総合誌というものを目指している、という編集者からの言葉が書かれてあった。

書店で手に取ったのは、もちろん、表紙にアサノが写っていたからだが、立ち読みしていたらContributors(寄稿者、協力者みたいな意味か)という欄にスタイリストの北村道子の名前と写真があって。あの、いまにも性差を超えそうなすっぴん顔を見たら、ついフラフラとなって買ってしまった。

北村道子は少し前にもアサノとのコラボレーションで私にロッキングオン社の『H』を買わせたが、どうも『殺し屋1』『水の女』『アカルイミライ』の衣装も彼女が担当しているらしい。知らなかった。もうこうなったらあきらめて、ワタシ、アナタについていきます。

一番面白かった記事は、柴田元幸がニューヨークにポール・オースターを訪ねて、そのあと村上春樹の朗読会へ行って来たレポート。柴田サンはそのうえなんとローリング・ストーンズまで観にいっちゃったらしい。たった二日のNY滞在で…よく鼻血出さなかったものだと思う。

朗読会でインタビューを受ける村上春樹の態度はなかなか堂に入ったもの。柴田元幸はこの春樹の受け答えについて、オラクルイングリッシュ、ほとんど神託の域と書いている。「人間はみんな核は病気だと思う」と即答する春樹のその“病気”という言葉の意味について、私はゆっくりと考えを巡らせているところだ。

(以前は、こういう言葉はペシミスティックで嫌だとしか思わなかったのだけれど、いまではかなり気になる言葉になってしまっている。しかし考え始めたら、一生考え続けることになりそうな命題ではありますね)

フィルムレヴューを読んでいて思わず目を剥いたのが、ジャンヌ・モロー主演最新作『デュラス 愛の最終章』。そこには、まんまマルグリット・デュラスになりきって38歳年下の恋人役青年と共演しているモローの姿(写真)が…。なんかもう、観ろ!というメッセージを受け取るだけで、私、精一杯でした(笑)

最後に表紙の豪華絢爛集合写真についてひとこと。小雪サンとってもキレイですが、そのドレスは反則です。あと三池崇史カントク恐すぎます。

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次は『プレミアシップ・マガジン』。これは英国サッカー専門誌。私はイタリア、セリエAについては『CALCiO』という雑誌をたまに買って読むのだが、二年くらい前、こういう雑誌でプレミア版が出ていないかと探しまわったことがあった。それが今回やっと英国の方も出してもらえることになったというわけだ(しかもCALCiOと同じ出版社から)。出すなら、はよ出せ。

表紙はお約束のベッカム様。巻頭インタビューも彼だが、いつものことながらこの人は喋ってもあまり面白くない。むしろ面白かったのはギグシーことライアン・ギグスのインタビューの方。あとはアーセナルのトレーニングセンターへの潜入記、「代理人の真実」という記事、テディ・シェリンガムによる「マイパーフェクト11」、なんてのも面白かった。

しかし何といっても一番興奮したのはMUSICというページ。これはイギリスのミュージシャンにサッカーへの熱い思いを語ってもらうというもので、創刊号のゲストはロバート・プラント。なんでもウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズの筋金入りのサポーターだそうで、ファン歴は50年(!)ですと。「半世紀もファンをやっていて散々辛酸を舐めさせられたけれど、それでもまだ昇格の夢を捨てられない」と熱い思いを語っておられる。これじゃあまるでニック・ホーンビィ著『僕のプレミアライフ』そのまんまじゃないか…

ロッド・スチュワート、エリック・クラプトン、エルトン・ジョン、デビッド・ボウイー等々イギリスにはサッカー好きのミュージシャンがわんさかいるから今後の展開が楽しみだ。そうそう、オアシスのギャラガー兄弟なんか、このあたりどうなっているのだろうか。兄弟にインタビューしたら、そのうち意見が食い違って揉めだして、編集者そっちのけでとっくみあいの大喧嘩…なんて、ありそうだ。絶対に、ありそうだ。楽しみに待ちたい。
  
   



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