Leonna's Anahori Journal
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2002年10月20日(日) フジタの画集

先週の日曜日。テニスの帰りに丸善で藤田嗣治の画集を予約して帰った。

パンフレットによればこの画集はフジタの全画業を通観できる本邦初の本格的画集だそうだ。1986年、新宿小田急ギャラリーで開かれたレオナール・フジタ展の初日にもとめたカタログ(図版集)は私の宝物なのだが、実はこのカタログはその後未亡人の訴え(著作権侵害)により販売差し止めになってしまった。

86年当時、洗礼名のレオナールを名乗っていたことからも伺い知れるように、フジタの遺族と日本国の間には戦中戦後の軋轢と、そこからくる大きなわだかまりがあったようだ。今回の画集はその未亡人の監修によりまとめられたものだという。おそらく自分が生きている間に、自分の手でまとめておかなければと思われたのだろう。あるいは日本へ帰ることを夢見ながら異国の地で亡くなった夫を、画集出版という形で帰国させてあげたいと思われたのかもしれない。

フジタが過去の人となりつつあるいまだからこそ手に入る(刊行できる)画集だと思えば、なにやら複雑な気持ちにもなるが、いずれにしろフジタの全画業がわが家へやってくるのだから、やはり楽しみなことである。
  




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