Leonna's Anahori Journal
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2002年03月24日(日) やっと『アメリ』

夜、『アメリ』を観に出かける。
やっと、いまごろ、『アメリ』。

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昨年来、日本でも大ヒットとなった『アメリ』。いろいろなところでその評判を目にしていた。で、やっと観てみた感想は、今さら私が何か言うことなんかないよね、というもの。多くの人が感じた幸福感に私もまた、シッカリと包まれてしまったのでした。(私は個人的に、箱をかくしたブルトドーさんのエピソードが一番好きでした。箱を開けるとまず、古びたサッカー選手の写真が入ってましたネ)

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ところで、この『アメリ』という映画、『猫が行方不明』(セドリック・クラピッシュ監督)という映画と、とても共通点が多いのです。たとえば…

 ・パリが舞台 ・若い女性が主人公 ・主人公は猫を飼っている

…と、まあ、このあたりは序の口。さらに

 ・主人公と老人が親しくつきあっている
 ・ホーリーイノセント(聖なる愚者)とでも言うべき登場人物が活躍する
 ・ギョッとするような大胆(リアル)な性描写が投げ込まれている

…ね。似てますでしょ。こういう類似性というのはパリという街の特性を反映したもの、そしてフランス人気質のある部分を反映したもの、なのでしょうか。

ところで私、ジュネ監督の『デリカテッセン』という映画を公開当時観に行った記憶があるのですが、なんだか薄暗〜い印象の、盛り上がりに欠ける映画だったなぁ、あと主人公の女の子ド近眼だったなぁという記憶しかなかったのです。それが、『アメリ』のカフェのトイレで×××のシーン、棚のグラス類が振動するあのカチャカチャカチャカチャ…という音と絵で、あ『デリカテッセン』でもこういう棚の上に重ねたお茶碗が振動する場面があったなあ、と鮮明に思い出しました。

あの、ちょっとグロな『デリカテッセン』と可愛い『アメリ』が同じ監督の作品だなんて意外、という意見がある。それから『アメリ』について、あまりにも露骨な性描写がチョット、という感想を目にしたこともあります。しかし、これはフランス人監督、わけてもジャン=ピエール・ジュネ監督の作品としたら仕方のないことではないでしょうか。だってこの監督さん、ちょっと悪趣味、グロテスクギリギリというのが元々お好きみたい。それで撮る映画の内容によってエロさグロさの匙加減をしてらっしゃるのではないでしょうか。

アメリという女の子〜ポルノショップへ男の子を捜しに行く・お化け屋敷で幽霊の息を首筋に感じながらうっとりと目を閉じる・人と人を結びあわせようとして悪戯ばっかりしている、そして大きな目をこらして事の成り行きを見守っている女の子〜は、もしかしたら監督ジャン=ピエール・ジュネ自身の分身なのかもしれません。


<蛇足>
ルイ・マル監督の『地下鉄のザジ』。これも”オリーヴ少女必見の名作”などと言われながらフランス的エロ・グロ・ナンセンス横溢の作品でした。(もっともこれはシュールレアリストである原作者レイモン・クノーの小説に忠実に映画化した結果だと思われますが。)
そこで、さらについでに『地下鉄のザジ』と『アメリ』、エロ・グロ以外で共通点を探してみました。すると結果は、レトロな色彩感覚と、主人公の女の子のオカッパ頭、この二点ということになったのですが。ちょっと無理矢理でしたでしょうか?(笑)


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