うちのガス馬車の中に、元社長がいる。 まあ、ガス馬車御者などみんな社長だという人もいるかもしれないが、本当の会社の社長である。 彼は、一年前まで社長をやっていたが、リタイアして、ゆっくりとガス馬車をやりながらのんびりしようと思っていた。 ところが、やはり、ガス馬車御者としてやっていると、いろんな情報がいやでも入ってくる。 その結果、彼のビジネス魂に火がついたようだ。 もともと、おいらの印象は、ここに納まっているような人ではない、という感じ。 羊の皮をかぶった狼、といったイメージが強い。 概してガス馬車御者の印象は、トラに見せかけようとした猫が多い。 くそ爺にしろ、ほかのガス馬車御者にしろ。 口先だけ、という感じで、薄っぺらな感じがする。 実際、いうこととやることが違ったり、行動に一貫性がなく、たとえ口ではなんと言っていようと、所詮はその程度、とばっさり切られちゃうような人たちだった。 そして、お互いがお互いをそう思っているから、なおさらそういう風に互いをみ、評価する。だからこそ、裏でこそこそ、あっちでぐちゃぐちゃ、こっちでがさがさ、という出来損ないの煮物という感じだった。
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彼はもともと事業を終わるつもりだったのだが、意外に長続きしてしまったらしい。で、チョコチョコ電話をしているのだが、それがほかのガス馬車御者の気に障ったらしい。 影でアルバイトしてるだの、鬘だのいろいろとデマが流れ、公平に付き合っている彼に対して、反ハードバカ派閥は彼をハードバカの軍門に下ったとして処理し始めた。 彼には言うつもりはないが、いい機会だったかもしれない。 いづらくなって辞めるよりは、プラスの退職のほうがよい。もっとも、彼の場合はいづらくなったら、全員ぶっ飛ばして辞める、って感じでしょ。そうなると、刑事事件になりかねないから、ある意味穏便に済んでよかったな、とおもってます。 人の振る舞いには意見できないからね。会社にマイナスになっていない以上。
彼にとってはプラスの退職。 九月には上海の事務所に飛び、新規事業を立ち上げるらしい。 もともと、東京と群馬と上海に事務所を構える会社だったようです。 会長から代表取締役へ逆戻り。 倅に継がせていなかっただけでも見所のある人でした。 ところが、自分が戻っちゃうとはね。 どうも、部下からの強力な戻り要請があったらしい。 昨日も「ガス馬車御者? そんなもんとっとと辞めて会社に戻って指揮を執ってください!!」と部下に怒られたらしい。 なんちゃんもどうだ、といわれたけどね、家庭を振り返らない1000万プレイヤーになるつもりはないや。 上海にいかされてもこまるし(−−;
元社長とのコネクションは残しておくつもり。 なんか、いろんな意味で役に立ちそう。 とはいっても、年中電話するわけにも行かんけどね。
齢57にして夢の再始動。 人間、あきらめちゃいけないねえ。
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