日々逍遙―この1冊、この1本、この1枚―
1冊の本、絵本、1本の映画、舞台、(ワインやお酒)、1枚の絵、CD。
散歩の途中に出会ったあれこれを…。

2002年03月12日(火) モリムール(ヒリヤード・アンサンブル&クリストフ・ポッペン)

バッハ・無伴奏ヴァイオリンパルティータ、3月3日の「日々逍遙」でギドン・クレーメルのことを書いた時にも少しふれたのですが、ここ何年か本を読む時には欠かせない曲です。
このヴァイオリン・パルティータの第2曲ニ短調BMV1004をバッハの最初の妻への追悼の曲であるという説にのっとり、当時の教会用のコラールを絡み合わせた”Morimur”というCDを頂きました。
さっそく聴いていて小躍りしてしまいました。
男性3人(テナー、セカンド・テナー、バリトン)女性1人(ソプラノ)による4声コーラスのヒリアード・アンサンブルにはグレゴリアン・チャントのCDやサキソフォンのガルバレクとの共演によるCD「オフィチウム」などがあります。
バロック・ヴァイオリンのクリストフ・ポッペンとのコラボレーションであるこのCDでは、ヴァイオリンの演奏を導きだし、時には薄衣を纏ったようにしっとりとヴァイオリンに寄り添うヒリアード・アンサンブルによるバッハの声楽曲。
この中に長年探し求めていた曲があったのです。
10年程前、劇場公開時に観た映画「春にして君を想う」(監督フリデリック・トール・フリデリクソン 音楽ヒルマン・オルン・ヒルマルソン)で繰り返し、印象的に使われていた曲、―≪お前の道と心の煩いとを≫マタイ受難曲BWV245から―CDが後半にさしかかったあたりでこの聞き覚えのある曲が始まった時には耳をそばだて、くり返しもう1度聴き、この偶然を誰かに聞いて貰いたいような気持ちでいっぱいになりました。
映画は、年老いた農夫が一人暮らしのつつましい住まいを片づけて、都会で暮らす娘のアパートに身を寄せてはみるのですが、そこでの処遇や生活になじめず、老人ホームで暮らす逃避癖のある幼なじみの老女と共に彼女の夢である故郷への道をたどる、というものでした。
真新しいスニーカーで足拵えをする2人の老人の若やいではしゃいだ心、たどりついたあこがれの地での悲しい結末、その音楽と共に忘れられない映画です。

Kさんがくださったもう1枚のCDはジョルディ・サバールのヴィオールによるサント・コロンブの作品集。
こちらも、大好きな映画にかかわりのあるCDでした。
1993年に劇場公開された時に観た映画「めぐり逢う朝」。妻を亡くし、世間から自らを隔離するような隠遁生活を送るサント・コロンブと、世俗的成功の為、師サント・コロンブと袂を分かち、コロンブの娘を自殺へと追い込むマラン・マレ。この映画で、音楽を担当し、書き下ろしも含め、演奏、編曲、指揮を務めたのがジョルディ・サバール(1941年スペイン生まれ)でした。

マラン・マレの青年時代をギヨーム・ドパルデュー、壮年をジェラール・ドパルデューの親子が演じたことも印象に残っています。

Kさんのお嬢さんのNちゃん、嬉しい偶然の話を聞いて下さったOさん、これもまた偶然、今日がお誕生日でした。おめでとうございます。


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みねこ

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