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2007年04月28日(土) プリンス東海 ジュビロ磐田ユース戦

ユース
07年04月28日 (土) 12:00開始 エコパ人工芝競技場
 JFA プリンスリーグU-18 東海2007
 対 ジュビロ磐田ユース ※45分ハーフ
 天候: 曇り

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスユース
 控え:柴田、小澤、望月恭、曽根、青木、杉山、桑原、佐野孝、池上
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
− 望月卓 −山崎− 鍋田圭 −江守−−
−−−−−−深澤− 佐野諒 −−−−−
−−柴原−−−−−−−−− 佐野傑 −
−−−−− 鍋田亜 −藤牧−−−−−−

−−−−−−− 原田開 −−−−−−−
−−−−上村− 加藤潤−鈴木将 −−−
−−−−− 原田涼−山本康 −−−−−
−−杉本−−須崎− 加藤充 −小川−−
−−−−−−−−赤堀−−−−−−−−
ジュビロ磐田ユース

ジュビロ      清水エスパルスユース
4(2) シュート 5(1) ×藤牧、×亜人、×亜人、×山崎、○柴原
2(1) 右クロス 3(1) ×卓馬、○卓馬、×柴原
3(1) 左クロス 4(2) ○藤牧、○佐傑、×江守、○江守
1(1) 右側CK 1(0) ×柴原
0(0) 左側CK 1(1) ○佐傑
0(−)  犯OS  0(−)
7(0) ファウル 4(0) ・藤牧、・江守、・佐傑、・佐傑


[後半]
清水エスパルスユース (81〜88分)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
− 望月卓 −山崎− 鍋田圭 −江守−−
−−−−−−深澤− 佐野諒 −−−−−
− 佐野孝 −−−杉山−−−−柴原−−
−−−−−−−−藤牧−−−−−−−−

−−−−−−− 原田開 −−−−−−−
−−−−佐藤− 鈴木将 −上村−−−−
−−−−− 原田涼−山本康 −−−−−
−−杉本−−須崎− 加藤充 −小川−−
−−−−−−−−赤堀−−−−−−−−
ジュビロ磐田ユース (69〜84分)

 47分、清水、深い位置での右スローインからCH深澤が鋭い反転で囲みを突破、PA内に横から侵入するが、そこでカットされて右CKに。キッカーは柴原。繰り出された高速の軌跡に、GK赤堀の鼻先に飛び込んだのは藤牧。高い打点に鋭い飛び込み、そして見事なヘディングコントロール。綺麗にファーへ流し込んだ。1−0
 60分、清水、FW藤牧がサイドに叩くとLH佐野傑がタッチライン沿いをドリブル、敵陣奥まで持ち込むが、マークに詰まってパスを戻す。受けたLB江守のダイレクトパス、ボールが浮くが深澤はそのロビングを頭で横へ流す。更に頭でFW鍋田亜、柔らかくPA内に落とし、飛び出た深澤がリフティングで小さく前へ持ち出すとラストパス。ゴール前を横切るボールをFW藤牧が右足で押し込むだけ、2−0
 69分、磐田、交代: 加藤→佐藤 (上村RH、鈴木将OH、佐藤LH)
 70分、清水、交代: 佐野傑→佐野孝 (佐野孝RH、柴原LH)

 79分、磐田、ジャンプしたワントップの原田開の足下にロングフィードが綺麗に入り、それを見た後方の選手が動き出す。着地した原田開は右のRH上村を選択、上村はドリブルを開始し、他の選手も連動して攻め上がる。上村のドリブルはPA右角の10M前で構えた江守がストップ、する直前で上村、江守の裏へスルーパス。中央から斜めに追い越したDH山本がスイッチ、左へ持ち出すと左足でゴール右へと巻き込んだ。2−1
 81分、清水、CH佐野諒のクサビ、藤牧が右サイドへ流れてキープするが囲まれて、再び中盤の佐野諒へ下げる。佐野諒は大きく空いた逆サイドへ展開、絞りながら受けたLH柴原、フリー。小さくインサイドに持ち込み、右足を振るう柴原必殺のパターン。左45度35Mから右足インステップで擦り上げるシュートが、美しく巻き付けられてゴール左へ収まった。3−1
 81分、清水、交代: 鍋田亜→杉山 (4-2-3-1、杉山OH)

 84分、清水、浮き球をワンタッチで深澤が左サイドに流すと、江守がトラップからドリブルを開始する。中盤から長い距離を持ち運び、戻して柴原。得点場面と似た位置で受けたが、インに夜と見せて今度は縦。小さく刻むと、左足でクロスを入れる。速く低いボールが、GKとDFラインの狭いスペースをCB須崎の裏まで通り抜ける。ファーで豪快なダイビングヘッドを決めた藤牧、ハットトリックを達成、4−1
 84分、磐田、ポジションチェンジ: 3-2-3-2、須崎FW
 88分、清水、交代: 柴原→曽根
 90分、清水、警告: 鍋田圭
 90+2分、清水、交代: 佐野諒→青木

ジュビロ      清水エスパルスユース
7(1) シュート 7(5) ◎藤牧、○藤牧、×藤牧、◎藤牧、×卓馬、◎柴原、◎藤牧
3(1) 右クロス 0(0)
3(0) 左クロス 2(1) ×柴原、◎柴原
1(0) 右側CK 1(1) ◎柴原
3(2) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  1(−) ・亜人
15(0) ファウル 10(2) ・佐諒、・江守、・柴原、・深澤、・佐傑、・柴原、・孝洋、×孝洋、・孝洋、×圭吾


▼試合結果

清水エスパルスユース 4−1 ジュビロ磐田ユース
 得点: 藤牧3 (柴原2、深澤)、柴原 (佐野諒)


▼寸評

[私撰MVP] 藤牧 祥吾
[私撰MIP] 深澤 慶也、柴原 誠

 清水の布陣は4-4-2。しかし、昨年までと違ってSBがSHを追い越すことは稀で、CH2枚も1人が必ず中盤の底に残り、FWの鍋田亜が守備時に中盤へ下がるなど、守備組織を乱さないよう徹底されている。先発は3年4人、2年3人、1年3年、中3が1人。前節浜名戦に比べ、CHに体調不良の前田に代わって佐野諒が入り、GKは長島が起用された。
 磐田の布陣は4-2-3-1、原田開と加藤潤が縦に2トップを組む4-4-2という見方もできる。その2人のいずれかにクサビを入れ、SHを含む残り3人がそれを追い越していく戦術を基本とする。一方、昨年までの二種年代と思えない完成度を誇っていたフラット3は、今年は継続されていない。先発は3年6人、2年3人、1年2人。本来1トップを張る押谷が前節退場しており、代わって原田開が1トップ、RHを鈴木将が務めた。

 前半はLB江守からRH柴原の方向への斜めの風。試合開始からほどなく、磐田に押谷不在の影響が浮き彫りになる。ワントップの原田開は周りを活かすよりも、個人で突破していくタイプ。だが、中央では守備が厚く、スピードのあるCB、山崎・鍋田圭が簡単に抜かれず、抜かれてもすぐに2人目がカバーして起点を作らせない。攻撃の初歩となる中央の起点ができない磐田、ならばとサイドから崩そうにも、そこに原田開はいない。風の影響もあって左の上村にボールが集まるが、昨年FC四日市でボランチを務めていた彼が単独で局面を打開するのは難しく、中央へ絞ろうとしてボールを失うことが多かった。
 ボールの出しどころに迷うDH山本康・原田涼から、CH深澤・佐野諒がボールを奪う場面も次第に増え始め、互角の試合になってくる。当初は強引なシュートが多かったが、29分には高い位置でボールを奪い返す積極的な攻撃から、RB望月卓がFW鍋田亜との縦のパス交換すると右に流し、右30度からRH柴原が狙うが、GK赤堀が抑える。しかし、清水が攻めれば磐田伝統のカウンターが牙を剥く。39分、FWが戻したボールを原田涼が右に展開、それを山本康が追い越していく分厚い攻撃を見せ、最後はRH鈴木将のクロスを原田開がスルー、ファーに流れてフリーのOH加藤潤が強烈なシュートを放った。が、GK長島が素晴らしい反射速度で弾き返し、事なきを得る。この場面、試合の分水嶺であった。

 後半はLH佐野傑からRB望月卓の方向へ吹き付ける逆風になるが、早々にCKから先制。更に浮き足立つ磐田から60分、追加点を挙げる。特に2点目は、ユース監督再就任後、行徳監督が口酸っぱく言っていたボールを蹴る、止める技術が、狭いスペースと速いパス回しで発揮された得点だった。この日の行徳監督は采配も早い。70分、佐野孝を入れて彼を走らせる、後ろの組織を崩さないカウンターサッカーにシフト、更に81分には鍋田亜に代えて杉山、FWが1枚守備時に戻る布陣 (4-2-3-1) を攻撃時も基本とする。残り5分は時間を稼ぎつつ、同ポジションに守備で計算できる選手を入れた。それでも得意の速攻で点を奪った磐田もさすがだが、逆にダブルボランチが攻め上がって空いたバイタルエリアで、柴原が2回大きな仕事を果たし、終わってみれば4-1、余裕を持って逃げ切った。

 個人ではやはり3戦連発、ハットトリック達成の藤牧。大会登録で181cmとなった藤牧は自分のヘディングの特徴をよく理解できており、ボックス内での絶対的な形を身につけている。そうした意味では憧れの長沢よりも、かつての長沼に近い。シュートへの高い意欲も、長沢といより長沼のそれだ。この日は変に下がってくることもなく、ゴール前の脅威であり続けた。ちなみに翌日の中日本リーグの試合前、この日の先発組はランニングを行っていたが、藤牧は非常に真摯に取り組み、一人で先頭を走り続けていた。
 深澤は体を張った守備で、磐田MF陣のバイタルエリア以降への侵入を許さず。攻めてもいつの間にか急所のスペースに移動し、正確な技術でリンクマンとなった。スペースで待つだけでなく、もっと動きながら攻撃に絡めればなお良い。中学生ながら1ゴール2アシストの柴原。体は小さくても技術は嘘をつかない。「90分」を意識してか (中学生が90分プレーすることが、まず驚きである)、ドリブルで勝負を挑む回数は少なかったが、正確なパスで試合を動かし、ここぞのスピードは健在であった。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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