2006年05月21日(日) |
クラブ選手権 静岡県予選 ジュビロ磐田戦 |
06年05月21日 (日) 14:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP 第30回日本クラブユースサッカー選手権 (U-18) 静岡県予選 対 ジュビロ磐田ユース ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼試合展開 2週間半前にプリンスで対戦した磐田との再戦。その時は清水が2点差から後半3得点で大逆転勝利を挙げており、磐田には期するものがあるだろう。既に共にホンダFC相手に勝利を収めて東海大会出場を決めているが、決勝までグランパスを避けるために1位で通過したいところ。得点差の関係で、清水は引き分けでも首位をキープできる。 清水のスタメンはほぼ先週ホンダ戦のものを踏襲したが、ここまで公式戦フル出場の桑原卓がお休み。代わって2年のブランクを感じさせないパフォーマンスを見せている小出が、LBで起用された。またFWに町田が先発復帰。U-19代表のインド遠征に選ばれた佐野克・長沢も、今日が出発日のようで元気な姿を見せた。3年生7名、2年生2名、1年生2名。 磐田は前回の対戦に比べ、5人が入れ替え。U-代表歴のある選手がずらりと並ぶ選手層の厚いチームだが、長期離脱中の中島はともかく、前回の対戦時には出場していた茂内・白井あたりは、不在の影響が大きそうだが…、怪我をしたのだろうか。先発の学年は、3年生5名、2年生4名、1年生2名。
[前半] 清水エスパルスユース −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− − 望月卓 −岩本− 佐野克 −小出−− −−−−− 佐野諒 −滝戸−−−−−− −−小泉−−−−−−−−− 佐野傑 − −−−−−−長沢−−町田−−−−−− 交代:なし
−−−−− 伊藤佑 −稲葉−−−−−− −−−−−−−−押谷−−−−−−−− −−中倉−−田中− 山本康 −鈴木−− −−−−進士−−須崎−−井上−−−− −−−−−−−−松本−−−−−−−− 交代:なし ジュビロ磐田ユース
開始から清水が攻め込む。4分には山崎晃のゴールキックをRB井上がカブり、FW町田のシュートをCB須崎がブロック。小泉の左CKはニアで跳ね返されるが、最後尾で残っていた望月卓が拾って威力十分の40Mシュート、枠上に外れた。しかし、6分、松本のゴールキックに対するCB佐野克のヘッドが弱く、クリアを繋がれて3列目のDH田中が前に出る。と同時に「ふらののなだれ作戦」ばりに全体で攻め上がる磐田、清水は中盤のマークが遅れており、DFラインがリトリートせざるを得ない。結局ずるずると下がったまま、最後はスルーパスから2列目のOH押谷がCB岩本とRB望月卓の間を斜めに抜け出し、左足でゴール右に流し込んだ。0−1。清水はまたも立ち上がり10分の危険な時間帯を守りきれなかった。直後7分、押谷の右CKをニアで井上が合わせるが、これは枠に飛ばない。 しかし、いくら試合運びが下手だろうが、プリンス平均3得点の攻撃力は健在。磐田との今年2度の対戦も力で逆転勝利を収めており、選手に焦りの色は見られない。8分、岩本がアンティシペーションで縦パスをカットすると、そのまま前に出てスルーパスを送る。抜け出しかけたFW長沢はDFにカバーされて右に流れ、誰もがクロスと思った瞬間、ふわりとしたボールが上がる。…ボールの方向が違う。GK松本の頭上を抜け、角度20度の技ありループシュートが決まった。1−1。10分、磐田ボールでキックオフで再開、猛然と長沢が突っ込んで奪取するや、強烈な40Mシュートを放つが、ゴール左に外れる。14分、山崎晃のゴールキックを長沢が頭で裏に流し、RH小泉が突破、ゴールライン際からマイナスに折り返すが、長沢のボレーは当たり損ねでGK松本ポケットキャッチ。
17分、田中のFW町田へのファウルで、右45度35Mの位置からFKを得る。行徳監督の指示で、小泉が壁2枚の裏へと移動。滝戸のキックは壁のニアを抜き、小泉はまたいでそれをスルー、待ってましたと長沢が合わせるがGK松本好反応、しかし町田がスライディングで押し込み、2−1。あっさりと逆転に成功した。その後も動揺の見える磐田に対して攻撃の手を緩めず、22分に前線で小泉の奪取から町田のスルーパスで長沢が抜け出すもオフサイド、23分にバックパスを町田が奪い、LH佐野傑がクロスを入れるがDFにカットされる。27分の右CKは小泉が素早く再開、上がってくる途中の岩本と縦に長いパス交換で角度をつけ、右クロスを入れるがファーへ流れる。長沢が抑えて佐野克が左クロス、小泉がファーで跳び上がったが、オフサイドの判定を受けた。 それからの清水は、失点後の混乱から立ち直って反撃に出た磐田をいなそうとする。最終ラインでパス回しして意図的にペースダウンを図りながら、相手のフォアプレスに捉まってショートカウンターを許すなど、まだまだ試合運びが上手いとは言いがたいものがあったが。それでも前半の後半20分は山本康のミドル1本にシュートを抑え、リードを保ったまま、試合を折り返すことができた。
磐田ユース 清水エスパルスユース 4(2) シュート 6(4) ×卓馬、◎長沢、×長沢、○長沢、○長沢、◎町田 1(0) 右クロス 4(1) ×小泉、○小泉、×小泉、×小泉 4(0) 左クロス 5(0) ×小出、×佐傑、×克彦、×小出、×佐傑 2(1) 右側CK 1(0) △小泉 0(0) 左側CK 2(0) ×小泉、×滝戸 0(−) 犯OS 3(−) ・長沢、・小泉、・小泉 3(1) ファウル 6(0) ・佐諒、・岩本、・佐諒、・町田、・長沢、・長沢
[後半] 清水エスパルスユース (13〜35分) −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− − 望月卓 −岩本− 佐野克 −小出−− −−−−−−前田− 佐野諒 −−−−− HT:滝戸 →前田 −−小泉−−−−−−−−− 山崎竜 − 13分:佐野傑→山崎竜 (左図参照) −−−−−−長沢−−町田−−−−−− 35分:小出 →桑原卓
−−−−−−加藤− 伊藤大 −−−−− −−−−−−−−押谷−−−−−−−− −−中倉−−田中− 山本康 −鈴木−− −−−−進士−−須崎−−井上−−−− 23分:稲葉 →加藤 −−−−−−−−松本−−−−−−−− 33分:伊藤佑→伊藤大 (左図参照) ジュビロ磐田ユース (33分〜)
開始1分、LB小出がLH佐野傑と押谷を挟んでボールを奪うが、佐野傑のファウルの判定で中盤タッチライン際からFK。鈴木の速いキックにGK山崎晃が飛び出すが触れられずにファーへ流れ、大外にいた中倉がボレー。空のゴールをカバーしていた岩本の足を弾き、中に吸い込まれた。2−2。開始・終了10分以内+セットプレー。今日の失点もパターンどおりだ。今度は清水が動揺する番。前半汗かき役を担った滝戸交代の影響は大きく、一方で磐田は一人一人が少しずつ前への出足が早くなる。5分、押谷が望月卓を外に押し出して強引に突破、シュートはニアに外れる。8分、FW稲葉の突破にCB佐野克が足を滑らす。すかさず小出がカバーに入るが、クリアをRW鈴木のシュート、枠の左。続けざまにLB進士のアーリークロスをファーで稲葉がヘッドも、GK山崎晃が正面で落ち着いてキャッチした。 立ち上がりやセットプレーでの集中力に、どうにも問題がある今年の清水だが、10分過ぎて落ち着きを取り戻す。11分、佐野傑のクサビを左に流れたCH佐野傑が受け、ヒールで裏へ流す。小出が攻め上がり、高速クロスがファーの166cm小泉の頭に合うが、枠の上へ外れた。ここからは一進一退。15分、望月卓がスペースへ縦に送ったパスを小泉がライン直前でダイレクトクロス、長沢がスルーして町田が合わせるが、当て損ね。17分の磐田、稲葉が右へ叩くと鈴木が駆け上がり、クロスにまたも2列目からフリーで飛び出した押谷。だが、これは威力が弱く、GK山崎晃がキャッチする。19分、小泉との絡みから望月卓の右クロスは跳ね返されるが佐野諒がフォロー、中盤で溜めを作り、動き直した小泉へ優しいスルーパスを送る。小泉がマイナスに折り返すと、ニアの長沢がまたいでスルー、そして町田が今度こそ美味しくいただき、3−2。
スペースへのランが戦術の基盤にある磐田は、ただでさえ清水より消耗が激しい。再びリードを許し、足が止まりはじめる。21分、CH前田が右に捌くと、足を止めて悠然とキープする小泉。その外を回って望月卓が追い越し、パスを受けて鋭角に切れ込んでクロスを入れると、長沢がリフティングから慎重にコースを狙ったが、枠の右に外れた。27分、鈴木のファウルで左タッチライン沿い、40Mほどの距離でFKを得る。小出のキックはDFにクリアされるが、ファーに流れたボールを小泉が抑えると、背後のDFをターンからの加速で振り切り、右サイドにパスを流す。佐野諒の柔らかいクロスはDFクリア、しかし小さく、カットした佐野克がPA手前右60度からミドル。DFに引っ掛かったのを、すかさずPA内の町田が蹴り込んで、4−2。何とも町田らしい嗅覚のゴールを3つ重ね、ハットトリックを達成した。 それからも29分に小泉が単独突破からPA手前シュート (GKキャッチ)、同じく29分に長沢の突破を須崎が腕をつかみ、PA左角前からの小出の高速FKに長沢飛び込むが、間一髪GK松本パンチング、35分には町田が前線で奪ったボールを長沢が40Mシュート (枠外) と、清水の攻撃が続く。33-34分には、2点の余裕があるにも関わらずCKでの時間稼ぎも見せ、巧みな試合運びの練習かと思わせたが、簡単に勝ちきれないのが今年のチーム。37分、左からするすると加速したLW中倉がFW加藤とワンツーを図ると、リターンパスが清水DFに引っ掛かって上手いこと裏のスペースで止まり、飛び出た中倉がGKと1対1に。だが、そこはGK山崎晃、彼らしい見事な距離感とシュート反応で弾き止めてみせた。 このまま4−2で試合終了。清水は静岡1位で東海大会出場を決め、決勝まで名古屋・磐田のJクラブ勢には当たらない (全国枠は3、決勝進出の時点で出場決定) という非常に有利な立場を得ることができた。
磐田ユース 清水エスパルスユース 5(4) シュート 8(3) ×小泉、◎町田、×長沢、×長沢、◎町田、○小泉、×小出、×長沢 4(2) 右クロス 7(4) ×卓馬、○小泉、○小泉、×卓馬、○小泉、○卓馬、×佐諒 2(0) 左クロス 5(1) ×小出、○小出、×小出、×長沢、×克彦 0(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 2(0) ×小泉、×小泉 1(−) 犯O0 0(−) 10(3) ファウル 7(0) ・佐傑、・長沢、・前田、・前田、・長沢、・長沢、・卓馬
▼試合結果 清水エスパルスユース 4−2 ジュビロ磐田ユース 得点:前半06分:磐田・押谷 祐樹 (田中 将太・スルーパス) 前半09分:清水・長沢 駿 (岩本 大 ・スルーパス) 前半18分:清水・町田 朋弥 ※シュートこぼれ球 後半01分:磐田・中倉 拓 (鈴木 翔悟・フリーキック) 後半19分:清水・町田 朋弥 (小泉 慶治・右クロス) 後半27分:清水・町田 朋弥 ※シュートこぼれ球 警告:前半38分:清水・長沢 駿 (ラフプレー) 後半20分:磐田・押谷 祐樹 (ラフプレー) 後半29分:磐田・須崎 恭平 (反スポーツ的行為)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●町田 朋弥 (3年・FW) 昨年Jユースの絶好調ぶりまではいかないが、長沢と絶妙な距離と位置を保って3得点。何度か前線でパスをカットするなど、守備での距離感も取り戻してきた。何気に足首から先のトラップが非常に巧く、体格の割にポストとして機能する。
[私撰MIP] ●岩本 大 (3年・CB) 鋭い読みでパスやドリブルをカットし、早いタイミングで大きく展開する最後尾の司令塔。空中戦も現在、滝戸と並んで最も安定している。時々後方に余って楽しようとする癖があるが、もっと前からプレスを掛ければより怖いDFになる。
●佐野 克彦 (3年・CB) どうもヘディングのヒットポイントにズレがあるようだが、余裕があれば助走をつけて相手の上を飛ぶ空中戦と、抜け出した相手を後から追い抜いてカバーする地上戦は観客の見た目にも分かるほど。守備で素人を沸かせるDFはそういない。
[相手方好印象選手] 押谷 祐樹 (2年・OH): いかにもジュビロらしい運動量が豊富で、飛び出しとドリブルを仕掛ける回数が多いトップ下。 田中 将太 (3年・DH): こちらもジュビロらしい運動量が豊富で、競り合いの重心が低く、ミスの少ない第1ボランチ。
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