えすぱっ子
清水エスパルスユース紹介サイト

2006年03月01日(水) 今年度的清水エスパルスユース 2006年度版

▼予想布陣

−−−−−−−−−−町田朋弥3−−− 長沢駿3 −−−−−−−−−−
         (山崎竜男3)
−−前田陽平1−−−−−−−−−−−−−−−−−−−小泉慶治3−−
  (桑原卓哉3)
−−−−−−−−−−神田和哉3−−−桑原卓哉3−−−−−−−−−−
          (西澤郁1)
−−佐野克彦3−−−鍋田圭吾2−−− 岩本大3 −−− 桑原彬3 −−
          (望月恭平1)
−−−−−−−−−−−−−−山崎晃太3−−−−−−−−−−−−−−
 名前の横は学年。

 昨年主力となった3年生は、GK前田、DF石垣、MF柴田・高野の4人。このうち、GKでは山崎晃、MFでは神田が終盤にレギュラーを掴んでおり、大きな変化なく移行することが可能だ。更に言えば、今年の3年生がJrユースの時のスタメンは、山崎晃−桑原彬 (渥美)・岩本・佐野克・桑原卓−小泉・池田・神田・小出 (杉山和)−町田 (山崎竜)・長沢。はっきり言って、これをそのまま適用すれば、最強のチームがつくれる。
 しかし、ユースの意義から言えば、それはあまりに意味のないことだ。例えば佐野克・岩本のCBコンビは、相性から言っても、共に戦ってきた阿吽の呼吸から見ても、ベストの選択だ。だが、トップの昇格した時、この2人がトップの高木和・青山のCBコンビから、いきなりセットで入れ替わるだろうか? ありえない話である。ユースの選手に求められるのは、誰と組もうと関係なく発揮できる「個人」の力だろう。また、Jrユースから前田・西澤といった才能ある選手が昇格してきたが、いくら3年生11人の集合体が強力だからといって、個人の育成がなおざりにされたら、それはエスパルスにとっての損失だ。
 こうした観点から、今年もポジションごとに戦力をチェックしてみよう。


▼FW
1st  ◎長沢、○竜男、△町田、×藤牧、×池上
2nd  ○町田、△前田、×小泉、×孝洋、×鍋田亜

 篠田が卒業したものの、前田・池上が昇格したFW陣。その充実度は過去に例がない。って、毎年言っているが、要は3年間、長沢・町田・山崎竜が順調に成長してきたということだ。

 一頭地を抜くエースに成長した、長沢 (3年・U-19代表) が中心。ボールがないときの質の高い動きと、ふところの深さ、そして足下の技術が組み合わさって、絶対的な前線の起点となる。相手に厳重に警戒される分、得点王になったJユース杯のようには点を獲らせてもらえないだろうが、彼には周囲を活かす視野がある。そのJユース杯で2トップを組んだ町田 (3年) が、相棒筆頭。長沢と同じくプレー幅を広げており、引いて受けて起点になるも良し、ゴール前で受けて得点するも良し。役割を補完・交換しあう両者の関係は、抜群だ。
 山崎竜 (3年) の存在も見逃せない。外せない選手である長沢に対し、プレーが重なりがちなのが玉に瑕だが、泥臭くゴールに向かおうとする意欲は買いだ。昨年Jrユースのエース前田 (1年・U-15代表) のドリブルは、途中交代などで貴重なオプションになることだろう。要求されれば、ダイレクトパスやスルーパスも出せる、プレー幅の広さも強み。その他、1stFWとして空中戦に強い藤牧、フィジカルとテクニックのトータルバランスに長けた池上 (1年・U-14NTC)。2ndFWでは、ゴール前で相手を外す動きに長けた小泉 (3年) や、佐野孝 (1年) のスピードとパワーも見逃せまい。Jrユースから起用されるとしたら鍋田亜 (中3・U-14選抜) だろうが、思い切った田代 (中2・U-13選抜) の抜擢もあるかもしれない。


▼MF(ハーフ)

中央 ○桑卓、○神田、○西澤、△佐諒、△池田、△滝戸、×桑彬、×杉山、×深澤
右  ◎小泉、○滝戸、○前田、△孝洋、×青木
左  ○桑卓、○前田、○小出、△佐傑、×杉山

 柴田・高野・八木と昨年、4つのポジションで3人の3年生が起用されただけに、最も変化の大きなゾーンとなる。特にチームの舵取りを担うCHでは、池田・神田・佐野諒と一時期レギュラーを務めた選手こそいるが、コンスタントに出場しておらず、昨年ユースでも起用された西澤が昇格したことで、激しいポジション争いが予想される。

 1年から左SB・左SH・左WBでレギュラーを任され、実績豊富な桑原卓 (3年) をサイドではなく、より影響力が大きい中央で使う構想は、納得できるものだ。1本のパスで局面を変化させるようなセンスはないが、ミスが少なく、よく動いて休むことなくプレーに関与し続け、自らドリブルで持ち込むこともできる。もう一人は、相性を考えると神田 (3年・元U-14NTC) か、西澤 (1年・U-16NTC) か。神田はセンスに溺れて安定感に欠けるところがあるが、運動量があり、相手を崩すパスを出せる。西澤は経験値こそ足りないが、競り合いに強く、縦パスを出しながら前に飛び出てもう一度ゴール前で絡むプレーが売り。桑原卓が左SHに回り、この2人で中央を組む可能性も十分にある。
 池田 (3年・元U-16NTC) と佐野諒 (2年) も勿論、有力な候補。中盤プレスの寄せが忠実かつ素早い池田、パスでゴールチャンスを生み出すことのできる佐野諒は、それぞれ他の選手にない才能を持っている。だが、総合力で見た場合、池田の場合は攻撃で、佐野諒の場合は守備でサポートの動きに難があり、その点で後れをとっている。滝戸 (2年・元U-14NTC) にしても、チームの流動的な変化に対応できれば、攻守両面で基礎能力が高いだけに定位置に手が届くだろう。昇格したばかりの杉山 (1年)・深澤 (1年) は戦術性に富んだ賢い選手だが、ユースではもう一段上のレベルが求められる。
 ところで、中盤の底に池田などディフェンシブな選手を置き、中盤をダイヤモンドで組む攻撃的なシステムも試されている。その場合、トップ下に佐野諒は勿論、前田や町田といったFWの選手も選択の対象になるだろう。FWは飽和状態なだけに、考えられる話だ。

 サイドに話を移すと、右は昨年のレギュラー、小泉が当確。スペースに抜けるだけでなく、相手を抜くことのできる切込役だが、中に絞ったり引いて受けたりして、起点として周囲を使う動きもできるようになった。その代役に、滝戸と前田。滝戸は突破力に乏しいが、正確な中長距離のキックを持ち、サイドから試合を組み立てることができる。調子にムラのある前田だが、比較的自由のあるサイドでセンスを発揮させる考えは悪くない。そして、途中交代の切り札に佐野孝。プレー幅は狭いものの、ストレートな突破力、そして切り返しからシュート・クロスといった意外な変化球は、流れを変えるのにもってこい。Jrユースの中盤の主力、青木 (中3) や山田 (中3)、更に柴原 (中2・U-13選抜) を起用するなら、このポジションか。
 左にも、桑原卓が健在。けれども、前述のとおり桑原卓は中央に回る可能性があるため、その場合は新戦力による競争となる。長く戦列を離れていた小出 (3年) だが、やはり完成度は高い。同期との連携で一日の長があり、ドリブル・パス・シュートとマルチな才能を活かして、流動性の高いサッカーを体現する。今年の左SHはある程度の無茶しても、背後の佐野克が何とかしてくれる。前田のずば抜けたセンスを遺憾なく発揮させるには、もってこいだ。彼に続くのが、佐野傑 (1年)・杉山 (1年) の新入生レフティ。特に佐野傑には、守りに目をつむってもドリブルという明確な武器があるだけに、佐野孝同様に交代の駒として重宝されるかもしれない。


▼DF

中央 ◎岩本、○鍋田、△恭平、△渥美、△滝戸、△藤牧、×岩崎、×狩野、×克彦
右  ◎桑彬、○渥美、△尚希、×卓馬、×狩野
左  ◎克彦、○桑卓、△江守、△曽根、×鍋田

 DFラインから抜けたのは石垣だけだが、存在が大きかった選手だけに、相応の変化が求められる。石垣と共に鉄壁を築いた佐野克も、U-19代表と同じ左SBを任されそうで、中央部がまるまる入れ替わりそうだ。

 とはいえ、1年から試合に出場してきた岩本 (3年・元U-16NTC) は、十分計算できる。ただ、村越・石垣・佐野克らに競り合わせ、自分は好んでカバーに回っていた岩本だが、今年はそれで済まされない。相方が岩本より競り合いに強いタイプになるとは考えづらく、昨年から行徳監督に指摘されてきたように、自分一人で競り合いからカバーまでこなす能力が求められる。その相方だが、175cmを越えるような大型DFがいないのが辛いところ。173cmの鍋田 (2年) はJrユース時代、人に強く、正確な左足フィードで貢献したDFだが、180cm前後の選手が普通にいるユースでは、まだ修行中の身。172cmの望月恭 (1年) は読みが鋭く、カットした後のクリアが乱れずに堅実なプレーを見せるが、元からフィジカルが持ち味ではないだけに、ユースの当たりにどれだけ耐えられるか未知数だ。
 彼ら本職CBが苦しいようならば、コンバート組の出番になる。179cmの藤牧、178cmの滝戸はDFの動きができているとは言い難いが、身長相応に空中戦に強い。滝戸はロングフィードにも冴えを見せる。渥美は166cmしかないが、瞬発系に強く、実戦でハーフナーらに競り勝ってきた。その渥美にしても本職と比べると体の寄せ方とか、飛び込むタイミングに経験が不足しているので、コンバートするなら早い方が良いだろう。昇格した岩崎 (1年)・狩野 (1年)・深澤は、まずユースのパワーとスピードに慣れるのが先決。最後に佐野克 (3年・U-19代表)。CBでの起用の可能性こそ×だが、実力から言えば◎だ。

 さて、右SBでは、昨年終盤にレギュラーを掴んだ桑原彬 (3年) が、好調をキープ。サポートやカバーが可能な後方に位置し、中長のパス・クロスで貢献してきた桑原彬だが、MFを追い越すランやゴール前にペネトレイトする動きに積極的になり、ムービングサッカーに適応するようになった。Jrユース来の桑原彬のライバル、渥美も健在。桑原彬に比べてプレー幅が狭いのが課題だが、逆に上下運動の豊富さや競り合いの強さでは上回る。桑原尚 (2年) は特に守備面において、渥美より更にプレー幅が狭いが、その上下運動のスピードは見物。望月卓 (1年) と狩野 (1年) は計算できるDF能力を持っているが、上級生のポジション争いに割り込むのは難しいか。
 左には、一つ上のU-19代表でもレギュラーポジションを狙う佐野克がいる。昨年石垣とゴール前に鉄壁を築き、爆発的なオーバーラップと左足のロングフィードで攻撃にも寄与するこのアスリートに、対抗できる選手はいない。あるとすれば、DF中央部が佐野克抜きではどうしようもならなくなった時か、山西の負傷などでトップに呼ばれることぐらいだろう。しかし、佐野克が抜けても、1年からのレギュラー桑原卓がいる。佐野克ほどの派手さはないが、攻守に要所を押さえた好選手だ。この2名は、左SBとして全国で見てもトップレベルであり、江守 (2年)・曽根 (1年)・鍋田 (2年) は堅実な守備ができるレフティという貴重な人材だが、そう簡単に出番が回ってきそうにない。


▼GK

GK ◎晃太、△吉田、×柴田

 昨年夏の大会以降、ほぼ一貫してゴールマウスを守ってきた山崎晃 (3年) が、そのまま正GKになりそうだ。Jrユースの頃は、ちょうど昇格してきた柴田 (1年) のように、ハイボールの目測ミス・キャッチミスが多かったが、試合を通じて安定感を増してきた。元々身体能力は高いだけに、技術が身についた後の成長の速さはすさまじい。吉田 (2年) は逆に、身体能力を技術でカバーする、安定感のあるGK。前述の柴田は、真田コーチから経験を伝授される1年になるだろう。


▼筆者私案


−−−−−−−−−−前田陽平1−−−藤牧祥吾2−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−− 佐野諒2 −−−−−−−−−−−−−−

−− 佐野傑1−−−−西澤郁1−−−−滝戸諒2−−− 桑原尚希2−−

−−−−−−江守純基2−−−鍋田圭吾2−−−望月恭平1−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−− 吉田渉2 −−−−−−−−−−−−−−

 U-18チームは3年生を軸に大枠が固まった状態で、抜本的な変化は考えづらい。そこで、U-17のメンバーを考えてみた。とはいえ、U-17でもU-18の主力になる選手は、中日本U-17などに出場することはなさそうだが。
 守備が不安な時には迷わず3バック、というのが行徳監督の傾向なので、3-5-2が想定される。別に2年生中心で考えたわけではないのだが、結果として、2年生を配置した後、残りのポジションを1年生が埋める格好に。実際は藤牧vs池上、桑原尚vs望月卓or佐野孝、江守vs曽根といった感じで、1年生が2年生を越えられるかといったポジション争いになりそう。この競争は来年のチームへと繋がっていくだけに、U-18チームとは別に、興味深く見守っていきたい。


←2005年度版
→2007年度版


 < 前  目次  後 >


ひかる。 @H.P. [MAIL]

My追加