2005年11月06日(日) |
Jユース杯 京都パープルサンガ戦 (H) |
05年11月06日 (日) 14:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP Jユースサハラカップ2005 第13回Jリーグユース選手権大会 対 京都パープルサンガユース (H) ※45分ハーフ 天候:雨
▼布陣 先発: 後半38分〜: −−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−−−長沢−−篠田−−−−−− −−八木−−−−−−−−−−小泉−− − 桑原卓 −−−−−−−−−神田−− −−−−−−柴田−−神田−−−−−− −−−−−−柴田− 佐野諒 −−−−− − 桑原卓−佐野克 −石垣−−渥美−− − 佐野克 −岩本−−石垣− 桑原彬 − −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− 控え:吉田、岩本、桑原彬、池田、谷野、佐野諒、篠田 交代:後半15分:渥美→桑原彬 後半18分:町田→篠田 後半30分:八木→岩本 (桑原卓を左SH、佐野克を左SB、岩本をCBに) 後半38分:小泉→佐野諒 (神田を右SH、佐野諒をCHに)
京都サンガユース: 先発: 後半31分〜: −−−−−− 沈 −−隅田−−−−−− −−−−−− 沈 −−隅田−−−−−− −− 関 −−−−−−−−−−大槻−− −− 森 −−−−−−−−−−大村−− −−−−−−村田−−三戸−−−−−− −−−−−−村田−−三戸−−−−−− −− 堀 −−高木−−伊藤−−杉野−− −− 旭 −−高木−−伊藤−−大槻−− −−−−−−−−児玉−−−−−−−− −−−−−−−−児玉−−−−−−−− 交代:後半00分:杉野→大村 (大槻を右SB、大村を右SHに) 後半20分:関 →森 後半31分:堀 →旭
▼試合展開 Jユースサハラカップは終盤戦へ。5チームで争うDグループだが、清水・横浜FM・京都の3チームが、甲府・横浜FCに対して常に3点差以上で全勝。決勝トーナメント進出2枠は、三つ巴の争いになっている。この3チームに絞れば2戦ずつ戦って、横浜2勝、清水1勝1敗、京都2敗。今後、この3チームが甲府・横浜FC相手に勝点を落とすことは考えづらく、清水が今日勝てば京都と2勝差がつくため、ほぼ勝ち抜けが決まる。 高円宮杯での完敗の記憶は、既に4年前のこと。当時の大会規定ではJrユースから登録できなかったため、選手は勿論、監督だった行徳氏すら、S級ライセンス取得のため不在だった。今年、アウェイでの対戦では、長沢が両チーム唯一の得点を奪って、清水が勝利している。 清水は高野が累積警告で出場停止。前田は相変わらず欠場だが、ベンチに岩本が戻ってきた。出場停止明けの柴田の相方には、継続して使われてきた1年生・佐野諒ではなく、2年生の神田。ベンチに入った1年生は、その佐野諒と控えGKの吉田のみで、上級生中心に戦えるメンバーを揃えた。この試合の意味をよく理解した選択である。一方の京都は、CBに172cmながら夏の大会レギュラーを張ってきた関口ではなく、181cmの高木を起用。左SBにも、夏には出番のなかった178cmの堀。長沢ら清水の高さ対策かもしれない。
[前半] 清水が3分、CH柴田のスルーパスから、左SH八木のPA内で鋭角のシュートはGKが弾き、詰めたFW町田はボールが浮いてGKキャッチ。京都が5分、右SB渥美とCB石垣が重なってプレスを掛けた隙に左SH関がスルーパス、FW沈がPA内へ飛び出すが、CB佐野克が猛速度で横からスライディングでカバーする。雨の序盤、開始は互いに慎重に中盤でパスを回しつつ、機を見てゴール前にボールを送り込む展開となった。 しかし、それに加えて右SH小泉という突破口を持つ清水は、小泉の突破で得た直接FK、或いは小泉自らシュート、更に虚を突いた長沢のロングシュートと、徐々にペースを掴んで14分。渥美のスローインから右スペースに抜け出した小泉が、ターンしてPA内の長沢へ。長沢はDFを背負った状態で粘り、ボールを右斜め後ろへ戻す。受けた渥美は切り返しでマークを外すと、狙いを定めたアーリークロス。これを左ポスト手前に「飛び」込んだ八木が、飛んだ体勢のまま跳び蹴りボレーを決めた。1−0。
先制された京都は、より縦への意識を強める。対する清水は、23分に長沢のスルーパスで町田がGKまで抜き去って左クロスを入れたがDFにクリアされた場面など、同じく縦に速い展開で好機を創ることもあったが、拙攻に終わってカウンターのカウンターを食らうことも多かった。そこで折々柴田が最終ラインにパスを戻し、組み立て直してサイドから崩すことで、京都が意図する速いテンポを遅らせようとする。その状況でも、20分に石垣のクリアを受けたCH神田からFW隅田が奪って、PA手前からシュート (GK正面)。続けて沈が渥美をスピードで振り切って左クロスは、左SB桑原卓がCKへ辛くもクリア。30分にはFW沈のポストから右サイドにCH三戸が抜け出し、戻したボールを右SH大槻が再び縦へ、中に駆け込む関が合わせてシュートは僅かに右。京都FW沈は173cmと小柄ながら、巧みに長身の石垣・佐野克の懐に入り込み、起点を築いていた。 テンポを上げたい京都と落ち着かせたい清水が張り合うまま時間が進んで、43分。高い位置でボールを受けた長沢が左に叩くと、八木が加速して斜めに切れ込み、小さく中に戻す。PA内で受けた長沢、左アウトフックでDFを1枚縦に抜くと急停止、左足から右足に持ち替える。長い足の長沢、それだけでDFは振られてしまう。最後は悠然とゴールファーに流し込み、2−0。残り2分で自らテンポを上げての追加点。ここ2試合、ロスタイムに失点しているチームとは思えない試合運びで、前半の間に2点差をつけた。
京都サンガ 清水エスパルスユース 2(1) シュート 9(7) ○八木、○町田、×長沢、○町田、○小泉、×長沢、◎八木、○小泉、◎長沢 1(0) 右クロス 10(1) ×神田、×町田、×渥美、◎渥美、×渥美、×小泉、×柴田、×渥美、×渥美、×渥美 5(0) 左クロス 8(2) ×八木、○八木、○桑卓、×町田、×桑卓、×桑卓、×八木、×八木 1(0) 右側CK 1(0) ×八木 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 3(−) ・長沢、・長沢、・長沢 11(1) ファウル 4(0) ・長沢、・渥美、・柴田、・桑卓
[後半] 後半いきなり1分、渥美が縦に入れたボールを柴田が更にクサビを入れると、何故か最前線にいた神田が下がって受ける。一呼吸置いて右に流すと、パスの出し手である柴田がそこへ走り出した。中の状況を見る時間のあった柴田は、冷静に速いグラウンダークロスを選択、ファーで八木がスライディングで押し込んで、3−0。非常に流動性の高い、芸術的ゴール。続けて10分、神田からの縦パスを受けた長沢が後ろ向きのまま時間を稼ぎ、ターンして右に叩く。その間に右スペースに駆け上がった渥美から正確なクロスが上がると、ニアポスト前に突っ込んだ町田がゴール右上に頭で押し込んで、4−0。今度は練習を見ているかのように、教科書どおりのゴールだった。 13分、京都は沈がまたも巧く両CBの前でポストに入り、落としたボールからCH村田が長いスルーパスを送る。相手FWに引っ張られた石垣・佐野克は振り向く手間が掛かり、桑原卓は右SH大村が外に張る。その間を抜けて右SB大槻が突進、単身PA内へ。だが、シュート体勢に入った正にその時、渥美が矢のようなスライディング。シュートは力なくGK山崎晃の手に収まり、事なきを得た。その後の京都は、せっかく沈が前線でキープしても、丁寧に繋ごうとしてボールをずるずると下げてしまう場面が目につき、覇気を失った印象。清水は28分、右奥でFW篠田が粘ってボールを奪い返し、戻したボールを神田経由で八木がシュート、ブロックされたボールを更に長沢が狙うも、GK児玉が体で弾いた。
30分、八木に代えて岩本が入ると、正面からのぶつかり合いは強いが駆け引き下手の石垣・佐野克と違い、岩本は巧妙に体を入れ替えて沈のポストを無効化する。これで京都の攻撃は完全に封じられ、後は清水の攻撃練習の様相すら見せてきた。守備から解放されてのびのびプレーする左SH桑原卓と、守備の駆け引きで溜めた鬱屈を爆発させたい左SB佐野克の左サイドを軸に、33分、佐野克のクロスを長沢が足で裏に落とすが篠田オフサイド。37分、佐野克、桑原卓と繋ぐと調子に乗って上がってきた石垣のスルーパスで桑原卓がゴールを揺らすが、これもオフサイド。38分、佐野克のロングフィードのクリアを左に開いた篠田が拾い、切れ込んでシュートはニアに外れた。 更に43分、柴田が中盤中央でプレスを掛けると、後ろからサンドした桑原卓がボールを奪って反転、速攻。中央を持ち上がる桑原卓に対し、猛烈な勢いで左サイドを駆け上がり、ボールを要求する佐野克。素直にそこへボールを出す桑原卓、佐野克がDFとGKの間に低く速いクロスを送る。全速力で駆け寄る篠田が鋭く右足を合わせ、ボールをゴールに突き刺した。5−0。引き続きロスタイムにも、桑原卓がPAに切れ込んでシュートを撃つ場面があったが、これ以上スコアは動かず、試合終了。清水が完勝で、決勝トーナメント進出をほぼ確実にした。
京都サンガ 清水エスパルスユース 1(1) シュート 10(9) ◎八木、○小泉、◎町田、○長沢、○長沢、○神田、×篠田、○篠田、◎篠田、○桑卓 2(0) 右クロス 7(3) ○渥美、◎柴田、×小泉、×長沢、◎渥美、×渥美、×小泉 1(0) 左クロス 4(3) ×八木、○八木、○克彦、◎克彦 1(0) 右側CK 2(0) ×八木、×神田 0(0) 左側CK 2(0) ×八木、×神田 0(−) 犯OS 3(−) ・長沢、・篠田、・桑卓 6(0) ファウル 8(0) ・町田、・神田、・小泉、・長沢、・岩本、・克彦、・石垣、・桑卓
▼試合結果 清水エスパルスユース 5−0 京都パープルサンガユース 得点:前半14分:清水・八木 和秀 (渥美 直人・右アーリークロス) 前半43分:清水・長沢 駿 (八木 和秀・ショートパス) 後半01分:清水・八木 和秀 (柴田 和也・右クロス) 後半10分:清水・町田 朋弥 (渥美 直人・右クロス) 後半43分:清水・篠田 悠輔 (佐野 克彦・左クロス) 警告:前半32分:京都・沈 修輔 ※異議 前半33分:清水・桑原 卓哉 ※反スポーツ的行為 後半14分:清水・神田 和哉 ※遅延行為 後半35分:清水・佐野 克彦 ※ラフプレイ
▼選手寸評 [私撰MVP] ●八木 和秀 (3年・左SH) 小生観戦史上、最も積極的な八木。ゴールに向かってのプレーが多く、質の高いドリブルとシュートで相手に「怖さ」を与える存在感があった。守備時にマークを外す中途半端なポジショニングすら、逆襲時にフリーになることで効果的だった。
[私撰MIP] ●柴田 和也 (3年・CH) ユースの伊東輝悦は、相変わらず燻し銀。衰えない運動量で相手をチェックし、時にパスミスを誘い、こぼれたボールを着実に繋いで圧倒的なボールポゼッションを築いた。機を見た攻撃参加も本家譲りで、正確な低いクロスで1アシスト。
●渥美 直人 (2年・右SB) 伸びのあるアーリークロスという得意技を乱発気味だったが、やはり効果がある。身体能力が高く、盛んな上下運動で小泉と攻守で密接な関係を保ちつつ、低身ながら空中戦で正面から戦って負けることはない。中央へのカバーも実に速かった。
[相手方好印象選手] ●沈 修輔 (3年・FW): 反則10回。人との駆け引きに優れ、10cm近く大きい石垣や佐野克を手玉にとった。技術も確か。 ●村田 哲郎 (3年・CH): 京都の燻し銀。バイタルエリアで体を張り、基準点に。攻めては実直な縦パスで正確に繋いだ。
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