2005年11月03日(木) |
Jユース杯 横浜F・マリノス戦 (A) |
05年11月03日 (木) 10:30開始 日産フィールド小机 Jユースサハラカップ2005 第13回Jリーグユース選手権大会 対 横浜F・マリノスユース (A) ※45分ハーフ 天候:曇り
▼布陣 先発: 後半14分〜: −−−−−−−−長沢−−−−−−−− −−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−八木−−− 佐野諒 −−−小泉−− − 桑原卓 −−−−−−−−−小泉−− −−−−−−神田−−池田−−−−−− −−−−−−神田−−池田−−−−−− − 佐野克 −高野−−石垣−−渥美−− − 佐野克 −高野−−石垣−−渥美−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− 控え:吉田、鍋田、桑原彬、桑原卓、滝戸、谷野、町田 交代:前半27分:佐野諒→町田 (4-4-2にシステム変更、町田をFWに) 後半14分:八木 →桑原卓
横浜F・マリノスユース: 先発: 後半21分〜: −−−−−−斉藤−−HM−−−−−− −−−−−−斉藤−−HM−−−−−− −−−− 柳 −−−−−−富井−−−− −−−−幸田−−−−−−富井−−−− −−−−−−三浦−−山岸−−−−−− −−−−−−三浦−−木村−−−−−− −−藤川−−広田−−佐藤− 奈良輪 − −−藤川−−広田−−佐藤− 奈良輪 − −−−−−−−−秋元−−−−−−−− −−−−−−−−秋元−−−−−−−− ※HM=ハーフナー マイク 交代:後半17分:柳 →幸田 後半39分:山岸→木村
▼試合展開 2年ぶりの横浜F・マリノスとの対戦。2年前のJユースカップではH&Aで1勝1敗。共にロスタイムに点が入る、1点差の激戦だった。当時の出場メンバーで今回も登場したのは、清水が石垣・高野・八木、横浜が三浦・佐藤・ハーフナー。また、その年にはJrユースもクラブ選手権準決勝で対戦し、その出場メンバーからは清水が山崎晃・佐野克・桑原卓・池田・長沢・町田・小泉、横浜は幸田と斉藤が参戦した。横浜は菅田・追浜といった別の下部組織からの昇格選手だけでなく、ハーフナー・柳などユースから合流した選手も多い。 清水は柴田が出場停止、前田・岩本が欠場、町田・桑原卓がベンチスタートとなったが、前節と違って2年生を中心にメンバーを組んだ。一方、クラブ選手権でガンバを倒して決勝に進み、終了2分前で失点して惜しくも準優勝に終わった横浜。大会レギュラーからDF田代、MF長谷川アーリア・ジャスールが外れたが、広田・柳と同大会準レギュラー選手が穴を埋める。長谷川不在の影響か、夏の3-5-2から4-4-2に変更して、富井を柳と共に攻撃に絡ませた。
[前半] 序盤は共におとなしい立ち上がり。だが、長沢に当てた後の展開に決まった形のない清水は徐々に行き詰まり始める。一方の横浜は右SB奈良輪のアーリークロスでジャブを入れると、193cmFWハーフナーがサイドに流れて起点を作り、CBを引きずり出す。そして12分、左に流れたOH富井のアーリークロスからCB石垣の前に飛び出したのは、OH柳。オープニングシュートは強烈にゴールを襲うが、僅かに上に外れた。更に15分、左SB藤川が浮き球で上手く右SB渥美の裏にクリアすると、そこに流れたFW斉藤が疾走、追いすがるCB高野をスピードで交わし、PA内左60度からシュート、GK山崎晃パンチング。ボールはなおPA手前正面に転がるが、これは何とか清水DFがクリアした。 以後もサイドにハーフナーが流れて端緒となり、サイドからの長いボールをハーフナーの空けたスペースに送るパターンで、横浜が完全に攻勢。清水は今年初めて4-2-3-1を採用したが、ポスト役の長沢、パス出しの佐野諒、ウイングの小泉・八木と役割が固定されていて、このシステムの特長である流動性が皆無。行徳監督は27分に町田を投入、早々にいつもの4-4-2に変更した。すると、投入4分後の31分、CH神田のショートパスをCH池田がワンタッチで縦へクサビ、FW長沢が長い足を活かしてボールを落ち着かせてFW町田に落とすと、町田は再び長沢にボールを預け、自らはDFの裏に走り込む。だが、長沢は町田を囮に左へ展開、そこに左SH八木が走り込み、クロスはPA内ファーに移動した長沢。落ち着いてトラップし、ゴール左へ流し込んだ。1−0。初シュートでの先制である。
試合は動き出す。32分、横浜、左に開いたハーフナーのアーリークロス、高野のヘッドクリアの当たりが悪く、小さく右に流れてしまい、拾った富井が右45度からシュート。勢いが今一つでGK山崎晃がキャッチする。33分、石垣が大きくクリアしたボールを町田が競り勝ち、高く上がったボールが落ちてきたところ、長沢がダイレクトボレー、僅かに左。36分、長沢のオフサイドで奈良輪が自陣からFK、これが誰も触れず、PA内の斉藤と佐野克の間のスポットに落ち、反応して飛び込んだ柳がシュート、これもGK山崎晃がキャッチする。一進一退。清水は町田が入ったことで、前線に動きが出ている。先制点も町田が裏に飛び出した後、八木のクロスに備えてニアへ横移動し、ファーに長沢のスペースを作っていた。 40分、横浜、富井の右CK。小泉がクリアしたボールをDFが跳ね返すが、再び神田が拾って、前へクサビ。長沢も簡単に左へ流すと、そこへ町田。PAに入る直前の早いタイミングでファーを狙ったが、勢いが今一つでGK秋元がキャッチする。その後は動きなく、1−0のまま前半終了。交代を機にスムーズにギアをチェンジした清水が、横浜を出し抜いた印象だった。
横浜FM 清水エスパルスユース 6(2) シュート 3(2) ◎長沢、×長沢、○町田 8(0) 右クロス 5(1) ×八木、×神田、○小泉、×小泉、×渥美 5(2) 左クロス 4(1) ◎八木、×八木、×八木、×八木 1(0) 右側CK 2(0) ×八木、×八木 2(0) 左側CK 1(0) ×八木 2(−) 犯OS 4(−) ・長沢、・長沢、・八木、・長沢 3(2) ファウル 4(1) ・克彦、・長沢、×石垣、・小泉
[後半] 後半開始早々、スローインから裏に抜けた左SB藤川がボールを戻すと、柳がハーフスピードのピンポイントクロス。GK山崎晃の裏で193cmハーフナーに頭で合わせられる危険な場面は、しかしシュートが枠を外れて、事なきを得る。ならばと4分、八木の左CKから今度は清水の189cm長沢がヘッド、バーをかすめて枠の上に外れた。後半も同じく一進一退。だが、横浜は前半と戦術を変え、ハーフナーを中央に固定、長いボールから最短距離でシュート、或いはセットプレーを獲得するという非常に現実的な戦い方を選択する。一方の清水も中盤で危険な奪われ方をするのを嫌うため、互いに中盤が省略されがちだが、それでも清水の方はサイドの裏を突こうとする意識が高く、組み立てに色気を出していた。 試合は人、特にハーフナーに対して強い石垣と、スペースマークに長ける高野が鉄壁で、両SBも守備重視。更に池田が時に要所を得たカバーに入るため、横浜はクロスを入れ、CKやFKは得るものの、好機にまで至らない。逆に27分、右に開いて溜める小泉を渥美が追い抜き、そこへスルーパス。ゴールライン寸前で上げた右クロスはゴール直前を高速で横切り、まず大外の町田が乗り出すように頭で折り返し、次いで中央でも長沢が頭から突っ込んだが、シュートは右に流れていく。これをピッチ外にいた渥美が戻して、長沢で頭がネットを揺らすが、当然オフサイドでゴール取消。だが、この判定に清水応援席は納得いかないらしく、会場は一時、野次も飛んで騒然となる。
選手の方はすぐに気持ちを切り替えたかに見えたが、やはり17、18歳の少年、微妙に影響はあったようだ。31分、DH山岸が左サイドに持ち上がると、戻して富井がサイドチェンジ。右から奈良輪のクロスが入るとカットした後のボール処理にもたつき、一瞬、PA内の斉藤の前へ。石垣が咄嗟にCKに逃げたが、このあたりからゴール前で簡単なプレーができなくなってしまう。執拗な横浜のロングボール攻勢でDF陣が疲弊したせいもあるし、MF陣がクリアに対するポジション微調整が遅れてきたせいもあろう。いわゆる押し込まれた状態だ。そして40分、長沢のオフサイドで奈良輪が自陣からFK、PA内ファーでハーフナーが頭で落としたボールは佐野克がシュートブロック、これが弱く、斉藤の前のスポットに転がる。前半36分同様の場面、だが今度は斉藤自ら反応、素早くダイレクトでニアに蹴り込み、1−1。同点。
試合は再び動き出す。勝点1より3を求める清水は41分、左SH桑原卓がクロス、DFのクリアを小泉が拾い、戻すと長沢がスルーパス。神田がPA内裏に抜け出してジャンピングボレー、ではなく右クロスを選択する。町田に合わず、流れたボールを左SB佐野克がクロスを入れるが、クリアされてCKへ。池田のキックに長沢が189cmを横に倒し、強烈なダイビングヘッドを見舞うが、ほんの少し右に外れた。44分には横浜右CKをファーで石垣が跳ね返し、3対2の数的有利でカウンター、中央の長沢が持ち上がると相手2枚の右へとスルーパス。このお膳立てに町田が走り込み、右45度フリーでラストショットを放つ。が、コースは正確にファー下を狙うが、威力なし。GK秋元がキャッチする。 この間、清水ばかりが優勢だったわけではない。横浜のロングボール攻撃は変わらず、だが清水は攻めに出てSBが高い位置どりをするようになったため、CBがCKに逃げるケースが増えていた。そして、失点後5分間で、実に5本目のCK。富井のキックをファーで佐藤が競り勝って頭で落とすと、ゴール至近距離で斉藤が足を投げ出し、左ポストの内側を直撃。ゴール目の前にこぼれ、木村が「入ってろ!!」ばかりに蹴り込む。1−2。直後、試合終了。最後の場面を見れば、CB2名の3年生以外を2年生が占めるチームが若さを晒した印象だが、CK数・シュート数を照らせば、妥当な結果であった。
横浜FM 清水エスパルスユース 7(2) シュート 5(1) ×長沢、×長沢、×長沢、×長沢、○町田 6(0) 右クロス 4(2) ○小泉、×神田、○渥美、×神田 5(2) 左クロス 5(0) ×八木、×桑卓、×桑卓、×桑卓、×克彦 3(0) 右側CK 1(1) ○池田 6(2) 左側CK 1(1) ○八木 0(−) 犯OS 6(−) ・長沢、・長沢、・長沢、・長沢、・桑卓、・長沢 3(0) ファウル 7(1) ・石垣、×桑卓、・石垣、・池田、・桑卓、・高野、・町田
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−2 横浜F・マリノスユース 得点:前半31分:清水・長沢 駿 (八木 和秀・左クロス) 後半40分:横浜・斉藤 陽介 ※こぼれ球 後半44分:横浜・木村 勝太 (佐藤 由将・シュートリバウンド) 警告:後半15分:清水・山崎 晃太 ※遅延行為 後半23分:清水・高野 美臣 ※ラフプレイ
▼選手寸評 [私撰MVP] ●石垣 勝矢 (3年・CB) 1年時にも対決したハーフナーに再び勝利。空中戦で圧倒的な存在感を示すだけでなく、こぼれ球に対して粘り強く対応していた。速く低いフィードで攻撃にも貢献。一方、失点に絡んだ佐野克にすぐ声を掛けるなど、キャプテンシーも発揮していた。
[私撰MIP] ●長沢 駿 (2年・FW) 枠内率1/6だが、威力を伴ってコースを狙った結果で、シュートミスはなし。卓越した足技と広い視野でチャンスメイクし、かつゴール前で強引にシュートに持ち込む力がある。ロングボールに目測を誤り、つられた横浜DFを混乱に陥れる (笑)。
●池田 康彦 (2年・DH→CH) 久々の先発復帰だが、持ち味は不変。空いたスペースを埋める賢明さ、そこに駆けつける懸命さ、得意のダイレクトダイアゴナルフィードは全て、効果的だった。ただ、1つ目のパスをミスする課題も変わらず。時には無難な繋ぎもできねばならない。
[相手方好印象選手] ●奈良輪雄太 (3年・右SB): よく伸びるキックとよく前へと向かう出足と運動量で、清水の左サイドに強力な圧力を掛けた。 ●佐藤 由将 (3年・CB): 決して上背には恵まれないが、気持ちが強く、人に対して頑張れるDF。昨年の村越を思い出す。
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