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2004年11月03日(水) Jユース杯 湘南ベルマーレ戦 (A)

04年11月03日 (水) 13:00開始 平塚競技場
 第12回Jユースカップ2004 Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ
 対 湘南ベルマーレユース (A) ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−−−−−八木−−−−−−−−

−−−−− 鈴木真−山本真 −−−−− −−−−− 鈴木真−山本真 −−−−−

−−岡村− 桑原卓 −枝村−−谷野−− −−岡村− 桑原卓 −枝村−−柴田−−

−−− 佐野克 −岩本−−村越−−−− −−− 佐野克 −岩本−−村越−−−−

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−

控え:前田、渥美、桑原彬、上埜、柴田、八木、篠田悠
交代:後半19分:谷野→柴田 (そのまま右WBに)
   後半37分:石垣→八木 (そのままFWに)

湘南ベルマーレユース:

−−−−−−−−中山−−−−−−−−

−−−−加藤−−宮崎−−猪狩−−−−

−−−−−−齋藤−−高原−−−−−−

− 日下部 −渡部−−鈴木−−関口−− 交代:後半25分:高原 →北村 (4-1-3-2、中山と北村の2トップ)
                      後半30分:日下部→宮内 (3-2-3-2、宮内を右CB、関口をボランチ)
−−−−−−−−平川−−−−−−−−    後半33分:中山 →鎌田 (鎌田を右WG、猪狩をFW)


▼試合展開

 8日間で4試合という強行日程。新潟の出場辞退は、この点では清水に不利に働いている。4日前の磐田戦に出場したメンバー (交代含め12人) は、3日前のサテライト湘南戦に真司・風間・長沢を除く9人+石垣が同行、谷野と岩本を除く8人が出場し、枝村・村越・岡村・真希・池田の5人は2日連続して90分プレーした。ただ、池田はこの試合、出場停止。代わって桑原卓が少年団以来?のボランチに抜擢された。また、長沢がベンチにも入らず、ワントップは石垣。練習には姿を見せていたようなので、大事ではあるまい。3年生5人、2年生3人、1年生3人の先発である。
 先週末にJユースカップもなく、休養十分の湘南。前述のサテライト戦でも、渡部と猪狩が交代で出場しただけである。ただ、1週間半前の藤枝での対戦で、エースの鶴見が負傷するという大きなハンデを抱えてしまった。メンバーは前回の対戦における後半の布陣が基本。ただ鶴見が負傷したため、1トップ下を3枚に減らし、代わって高原を一列上げてボランチを2枚に、日下部を左SBに起用した。これも、前回の対戦で見せていたシステムの一つである。3年生2人、2年生5人、1年生4人と、非常に若い。
 この試合、清水は引き分け以上で2位以内が確定、ほぼ予選通過が決まる。

[前半]
 立ち上がりは、ここ数試合で最高の内容。磐田に勝った勢いが感じられる。開始0分、FW中山にPA前後から強引なスライディングシュートを許したものの、中盤を積極的なプレスと小気味よいパスワークで制圧。4分、ボランチ枝村のシュートがDFに当たって得た右CK、岡村のキックにニアで石垣が頭で合わせて、早くも初シュートを記録する (枠上)。


 5分には相手FKを跳ね返して速攻、トップ下真希のパスを前線に残っていた真司が左足アウトサイドダイレクトで流し、左WB岡村が裏へ駆け抜けるや、サイドチェンジ。枝村が一気に最前線に駆け上がったが、シュートは勢いのままゴール右に外れた。
 その後も、枝村・真希・真司の中盤3人を軸に、面白いようにパスが回る。枝村が積極的に前に飛び出す一方、池田の代役を務めるもう一人のボランチ、桑卓も安定しており、中盤の底に残って人に対する強さを発揮していた。湘南はサイドに起点を作ろうとするが、パスミスが多く、サイドから中央に入れるボールを次々とカットされて、攻め手がない。22分に宮崎のFKをファーで齋藤が合わせる場面もあったが、単発。逆に25分、サイドへの散らしを読んでいた岡村がカット、左サイドに流れた真司にパスを送るとリターンを受けたが、クロスはファーで右SB日下部がカット、早くも5本目のCKを得る。岡村のキックはニアで石垣が競ってファーへと高く弾むと、佐野がそれを叩き落として中央で村越が至近距離ボレー! が、僅かに枠を外し、先制点の絶好の機会を逃した。

 劣勢の展開に見かねたのか、スタンド中央の20人ほどの子供たちが「べ〜るま〜れ!」と声援と拍手を送り始める。彼らは殆ど休むことなく、残り60分間、声を送り続けた。正直、ここまで持続性のある応援は、ユースは勿論、Jリーグでもあまり見たことがない。その声に押されるように29分、最終ラインCB鈴木のフィードから大きく左に開いた左WG加藤がフリー、中に切れ込んでミドルはGK風間。前の対戦でも見た形であり、湘南はサイドからPAへと斜めに走り込んでシュートする形が、よく練習されているようだ。清水は36分、GK風間のキックをFW石垣が頭で裏に流して真司、中央に戻してもう一度石垣、更に右へ流して枝村が走り込むと、強引にターンしてシュートを放ったが、大きく右に外れた。清水は序盤の飛ばしすぎのせいか、声援に萎縮されたように運動量を落としていく。
 38分、湘南は最終ラインで回して右SB関口が縦にフィード、岡村の位置が中途半端になり、トップ下の宮崎がフリーで右サイドに抜ける。対応に来た左CB佐野を切り返しで翻弄すると、速いクロスに逆サイドから斜めに走り込んできた加藤がヘッド。決定的な形だが、シュートはGK正面。ならばと清水は、中央突破からサイドを使う形に切り替え、相手のサイドを牽制。湘南は両SBが殆ど上がらず、人数を掛けて守ってきたが、43分にはセカンドボールを佐野が前に出て拾って攻撃参加、PAの左横まで持ち上がってクロスを送ると、石垣がニアで頭を合わせる。これも決定的だが、ボールはニアに外れた。
 結局、スコアレスのまま、前半終了。真希の体が重く、ゴール前の人垣を崩す最後の一手に欠けている印象だった。

湘南        清水エスパルス
4(4) シュート 7(1) ×石垣、×枝村、×枝村、×村越、×枝村、○真希、×石垣
4(1) 右クロス 2(0) ×谷野、×谷野
2(0) 左クロス 5(1) ×岡村、×岡村、×岡村、×岡村、○佐野
0(0) 右側CK 3(2) ○岡村、×岡村、○岡村
0(0) 左側CK 2(0) ×谷野、×谷野
1(−)  犯OS  1(−) ・石垣
4(0) ファウル 10(2) ・桑卓、・真希、・桑卓、・石垣、×岡村、×岡村、・谷野、・桑卓、・石垣、・石垣

[後半]
 後半立ち上がりは、立て続けに湘南。2分、桑卓から右CB村越のパスが悪く、トラップが乱れたのを加藤がカット、日下部が拾って速攻を仕掛ける。クロスに対してニアに中山が飛び込むが、僅かに合わずGK風間。続けて5分、宮崎?のドリブルに対してスイーパー岩本がチェック、交わされたがカバーの村越がカット。しかし、逆サイドにクリアしようとして佐野のキックミスをボランチ齋藤に拾われたが、左クロスはなんとかGK風間が手に当て、軌跡を変える。更に7分、クサビのパスをカットに前に出た村越が中途半端、先に触った後に待ち構えていた加藤にすぐに拾われ、背後へと独走される。岩本に進路を塞がれたところで中央に戻し、中山がミドルシュート。だが、GK風間が正面でガッチリとキャッチした。
 この10分間、ほぼ全く攻撃のできなかった清水だが、湘南が徐々に息切れするにつれ、枝村が前線で真希らと絡み、サイドに流れてクロス、真司へのスルーパス、逆に真希からスルーパスを受けて自らの飛び出し、或いはサイドに岡村を走らせる散らし、と多彩な攻撃を率先、流れを引き寄せようとする。その間、湘南の攻撃の頻度は落ちたが、20分には低い右クロスを村越がクリアミス、ゴール至近距離で加藤にシュートを撃たれるが、村越自らGK風間の前でスライディングでブロック。22分にも宮崎が中央から斜めに右WG猪狩を走らせるパス、佐野が振りきられてシュートはGK風間の正面だった。
 その直後の23分、佐野が相手のクサビをカット、ルックアップして中央バイタルエリアへクサビを送る。そこに谷野に代わったばかりの柴田が右サイドから走り込むと、小さく戻して司令塔枝村、柴田のいた右サイドのスペースへとスルーパス。先に反応していたのは湘南DFのはずだが、猛然と右から回り込んできた真希が「競走」で抜き去って、あっという間にGKと1対1、そして弾丸シュート。実にあっさりと、ゴールを決めてしまった。1−0。真希、これでサテライトリーグを含め、公式戦7試合連続ゴールである。

 その後も清水の攻勢。左SBでも後半に積極性を増す桑卓が、ボランチの今回も頻繁にゴール前で絡むようになった。27分、佐野の入れたクサビを真司が受けると、右回転しながらPA内に走り込む桑卓へを送る。桑卓はDFを背負いながら鋭いターンで縦へ突破、進路を塞がれたところで大きく左外に振り、岡村のクロスを右大外にいた柴田がボレー。縦に大きく抉った位置で、左WBのクロスから右WBのシュートは、しかし角度が殆どなく、GK平川に止められた。すると湘南は、交代を機に最終ラインを1枚上げて3バックへ、積極策に出る。前線に人数を掛けて押し込み、強引に崩しに掛かるが、中央は岩本が安定しており、またクロスの精度が悪く、清水は守れていた。だが、この「守れていた」ことが、落とし穴。自分たちが守って (奪って) いたのではなく、相手のミスによって結果として守れて (奪えて) いただけだったのだ。押し込まる展開だったにも関わらず、反則が一つもなかったのがそれを証明していると言えるだろう。
 勿論、連戦の疲労は大きい。徐々に湘南がボールを持つ時間が長くなる。それでも「守れていた」が、40分、PA右角から仕掛ける湘南は、クリアの乱れを拾って裏にボールを送ると、そこにFW北村。ゴール至近距離、しかし岩本が的確に対応し、シュートを撃たせないまま、ゴール方向から反転させる。が、北村の小さいパスに、左サイドから斜めに走ってきたのは猪狩。ゴールの5M前に置かれたボールをフリーで外すはずもなく、1−1。岩本が1対1を対応している間に、他の選手がパスコースを消せなかったか、猪狩に誰か併走できなかったか、悔やまれる失点だった。

 同点にされた清水は、ドローより勝利を選ぶ。ボランチの2人も両WBも前掛かりになった。44分、真希がカットされたパスを自ら拾い直して縦にフィード、枝村が受けると大きく空いた逆サイドに、回転を掛けたダイアゴナルフィードを送った。真司と八木が重なりながら裏へと抜け出しに掛かり、先に触ったのは真司、と、ダイレクトで右に併走する八木にラストパス。が、八木のトラップは大きく、GK平川にクリアされた。ロスタイムにも清水が一方的に攻め続けたが、47分、枝村が左サイドを突破して上げたクロスをファーでクリアされると、それを受けた猪狩が村越の裏へとスルーパス。岩本の反応が遅れ、北村がオフサイドなく抜け出し、左から斜めにPA内へと独走、逆サイドから猛然とカバーに入った佐野も間に合わず、ゴール。1−2。
 48分14秒、試合終了の笛。サテライトに引き続き、ロスタイムに決勝弾を叩き込まれて、湘南に連敗した。「べ〜るま〜れ!」と何百回、何千回と叫び続け、手を叩き、時に会場の大人にも応援を呼びかけた、湘南の小さなサポーターたちの純粋な気持ちが、報われた試合だった。

湘南        清水エスパルス
5(5) シュート 4(2) ×真司、◎真希、×枝村、○柴田
6(0) 右クロス 5(0) ×真希、×枝村、×枝村、×桑卓、×柴田
5(0) 左クロス 3(1) ×岡村、○岡村、×枝村
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 1(1) ○枝村
0(−)  犯OS  1(−) ・八木
6(1) ファウル 2(0) ・谷野、・真司


▼試合結果

清水エスパルスユース 1−2 湘南ベルマーレユース
 得点:後半23分:清水・山本 真希 (枝村 匠馬・スルーパス)
    後半40分:湘南・猪狩 佑貴 (北村 尚人・ショートパス)
    後半44分:湘南・北村 尚人 (猪狩 佑貴・スルーパス)
 警告:前半38分:湘南・中山 敬介 (ラフプレー)
    前半36分:湘南・北村 尚人 (ラフプレー)


▼選手寸評

[私撰MVP]
 なし

[私撰MIP]
●岩本 大 (1年・スイーパー)
 時折読みが外れてスカッと抜かれる場面もあるが、奪ってからのフィードするまで読みきったようなカバーは実に優雅。それでいて慎重にすべき局面では、堅実そのもの。最後、疲労のせいかオフサイドに頼って失敗したのだけが、悔やまれる。

●村越 大三 (3年・右CB)
 加藤の飛び込みに遅れをとることもあったが、いつも以上に中盤まで前に出て、不在の池田の分まで相手の起点を潰し続けた。判断は修正すべきだが、潰しの能力は本当に信頼できる。サイドチェンジなど、ロングキックも有効だった。

[個人的好印象選手 (相手方) ]
 猪狩 佑貴 (1年・右WG→FW): 1得点1アシスト。まだ波はあるが、スピードとテクニックが極まれば破壊力がある。
 斉藤 貴之 (3年・ボランチ): 非常に堅実で安定したボランチ。フィジカル的にも強く、劣勢の中で耐えることができる。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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