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2004年10月23日(土) Jユース杯 湘南ベルマーレ戦 (H)

04年10月23日 (土) 14:00開始 藤枝総合公園サッカー場
 第12回Jユースカップ2004 Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ
 対 湘南ベルマーレユース (A) ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−− 山崎竜 −長沢−−−−−−

−−−−− 鈴木真−山本真 −−−−− −−−−−−− 桑原卓 −−−−−−−

−−岡村−−上埜−−池田−−谷野−− −−岡村−−枝村−−池田−−谷野−−

−−− 佐野克 −岩本−−村越−−−− −−− 佐野克 −岩本−−村越−−−−

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−

控え:前田、桑原彬、桑原卓、枝村、小泉、山崎竜、長沢
交代:前半41分:石垣 →長沢  (そのままFWに)
   後半24分:鈴木真→山崎竜 (長沢・山崎竜の2トップに)
   後半34分:上埜 →枝村  (そのままボランチに)
   後半42分:山本真→桑原卓 (そのままトップ下に)

湘南ベルマーレユース:

−−−−−−−−中山−−−−−−−−

−−鶴見−−加藤−−宮崎−−猪狩−−
                   交代:後半00分:宮内→関口  (関口を右SB、渡部をCB)
−−−−−−−−齋藤−−−−−−−−    後半10分:中山→北村
                      後半22分:加藤→日下部 (4-2-3-1、日下部を左SB、齋藤・高原をCH
−−高原−−鈴木−−宮内−−渡部−−                右から猪狩・鶴見・宮崎のトップ下)
                      後半31分:高原→林
−−−−−−−−平川−−−−−−−−    後半44分:鶴見→五十嵐


▼試合展開

 清水と湘南、両チームは昨年もJユースカップでを戦っている。清水は、前節新潟 (A) 戦から枝村をベンチに温存した他は同じメンバー。悠輔・美臣あたりは会場に姿を見せていたものの、ベンチを外れてしまい、軽く怪我をしたのだろうか。3年5人・2年3人・1年3人の構成だが、昨年2試合共に先発したのは、真司・村越のみ。メンバーは大きく変わっている。


 対する湘南ユース。このクラブはJrユースまでは別組織のNPO法人で運営し、ユースのみクラブの直属という一風変わった方式を採っている。茂庭・美尾・田辺の頃は2大会準優勝に輝いた名門だが、ここ数年は今年も含め、関東クラブユース選手権の9位決定トーナメントで敗退するなど (関東は9位までが全国大会出場)、苦しい試合が続いている。Jユースカップでは、3年生の何人か引退してしまったようで、出場は渡部・齋藤・鶴見の僅か3人。他は2年生が5人、1年生が3人と非常に若いチームになった。ただ、渡部・齋藤・鶴見に加えて、鈴木・宮崎も、昨年の対戦から続けての先発である。

[前半]
 開始序盤、湘南の攻勢。前節新潟戦、WBが下がりすぎて5バックになってしまった清水だが、この試合は逆にWBの戻りが遅く、3バックの両横にスペースを作っていた。昨年も森安が対応に苦しんでいた左SH鶴見に、そのスピードを発揮しやすい状況を与えてしまう。10分には、トップ下の宮崎に左WB岡村が中央に引き寄せられ、今度は右に展開されると、左CB佐野より一歩抜け出した右SH猪狩のクロス、そこに加藤がフリーで飛び込んだが、ヘッドは枠上に外れた。
 10分を過ぎたあたりで清水はボランチ、特に池田が岡村の裏のスペースを警戒するように修正し、ようやく落ち着きだす。そうなると地力で勝る清水が12分、GK風間のゴールキックをFW石垣が頭で落とし、トップ下の真司が跳躍力抜群のアクロバティックなボレー (枠上)、池田のクサビを受けた岡村が中に切れ込んで左外に叩き、同じくトップ下の真希が左45度からシュート (GK正面) と、続けざまに縦に速い攻撃を繰り広げた。更に13分、自陣で奪った岡村が大きく縦にアウトに掛けたフィード、CB宮内が対応するが、彼より内側にいた真司がその左外を回りつつ猛スピードで追いつき、これを後ろに戻す。すると起点となった岡村が駆け込み、併走する右SB渡部を抜き去ってPA内に侵入するや、マイナスに折り返す。PA右角で受けた右WB谷野、これをトラップしてしまい、DFに寄せられてコースが塞がったかに見えたが、見事なコントロールでゴールのファーに突き刺して、清水が先制した。1−0。
 18分には真希が岡村に出した足裏スルーパスが惜しくもオフサイドになるなど、清水が勢いに乗るかに見えたが、20分、鶴見のアーリー左クロスを佐野がゴールラインに逃げると、鶴見の右CKから混戦。清水はハンドを主張するが、その隙にこぼれ球をPA外から加藤がミドルで狙い、僅かに右へ外れる。23分には、中盤のミスで湘南のショートカウンター、3対4の状況で右の猪狩が抜け出す。佐野はまずリトリートしながら併走、スイーパーの岩本がカバーの距離に近づいたところでチャレンジに行ったが、…判定はPK。静学戦で狩野のPKをストップしている風間だが、鶴見が冷静に左へ決め、1−1、湘南が僅か10分で追いついた。

 その後は決まった攻撃の形を持たない清水に対し、左は鶴見のスピード、右は猪狩と渡部のコンビネーションという形の持つ湘南が、主導権を握る。26分にGKのキック1本でサイドに張った鶴見にフリーで切れ込まれるなど (シュートはニアのドリンクを直撃!)、相変わらず清水はサイドの守備に不安を残す。それでも3バックが空中戦によく競り勝ち、辛抱強く耐えるにつれ、徐々に湘南の運動量が落ちていく。
 右CB村越のサイドチェンジや真司の個人技を絡めて、岡村を軸に何度か好機を作っていた清水は41分、今一つ基準点になりきれなかったFW石垣を長沢に交代。すると42分、佐野が岡村の前のスペースに真司を走らせるロングフィード。真司が中央に入れたクサビはDFにカット、長沢がすぐに奪い返すも中央突破を跳ね返される。クリアボールを受けた左SB高原、そこに素早く寄せた真希が強靱な足腰を活かして奪い返し、縦に抜けてPA右横へ、長沢はファーのスペースを指差すが、角度30度弾丸ミドル。豪放にファーに突き刺し、圧倒的な個人能力を見せつけた。2−1。
 44分、新潟のクリアを拾っての二次攻撃、池田が低く速く鋭いクサビをPA手前中央の真希に入れる。真希は弾むように一瞬で反転、すると弾丸ミドル。ゴール左に突き刺し、あっという間に湘南を突き放した。3−1。湘南はその前のプレーでDFが一人、PA内右で倒れていたせいか、真希への寄せが遅かった。その後も、真希が真司とのワンツーで左サイドを崩したり、村越のロングフィードに長沢が高い打点の「おじぎ」ヘッドが掠めたり、清水優勢のまま前半を折り返した。

湘南        清水エスパルス
6(2) シュート 7(4) ×岡村、×真司、○真希、◎谷野、◎真希、◎真希、×長沢
7(2) 右クロス 1(0) ×谷野
6(0) 左クロス 4(3) ○岡村、×岡村、○岡村、○真希
2(2) 右側CK 1(0) ×真司
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  1(−) ・岡村
4(0) ファウル 8(1) ・村越、・谷野、・石垣、×佐野、・石垣、・村越、・真司、・石垣

[後半]
 後半開始1分、村越のロングフィードに対してオフサイドにいた真司が、「気をつけ!」のポーズでボールへの無関与をアピール、入れ替わって真希が裏に抜けると、ライダーキック気味に飛び込んでボレーを放ったが、ゴール左上に外れた。良い形で試合を再開した清水は、左WBの岡村を中心に押し気味に試合を進め、9分にはボランチ上埜が入れたクサビを岡村が中央に戻し、それを長沢が右足アウトのダイレクトでスルーパス、真司が突っ込んだがGK平川が一瞬早くキャッチ。11分、中央に絞った谷野が右足アウトで右に流し、そこに真司。上げた右クロスを長沢が体でCB鈴木を弾き飛ばし、頭を巧みに捻った綺麗なヘッドでゴールを揺らしたが、残念ながらファウルの判定。背の高い選手は損だ。
 対する湘南は忠実なプレスで対抗しつつ、隙あれば中山が、鶴見が、北村が、積極的にシュートを狙ってくる。13分には中に切れ込む鶴見の突破に簡単に村越・谷野が釣られ、左外に回り込んだ宮崎がフリー。上げた左クロスに対してニアにFW北村が飛び込んだが僅かに合わず、佐野がクリアした。だが、前半から飛ばしていた湘南に疲労の色が見えるようになり、何でもないパスやトラップのミスを連発する。しかし、これに付け入りたい清水も、スタミナ切れにお付き合い。特に自分の裏を猪狩や渡部に突かれながらも、切り込み隊長となっていた岡村が目に見えて走れなくなる。頼みの真希の動きも重い。ゴール前の場面が少なく、相手のミスで攻撃が始まり、自分たちのミスで攻撃が終わる単調な展開が続いた。

 追う展開の湘南は次々と交代のカードを切るが、清水は竜男のユース公式戦初出場だったり、枝村の慣らし運転だったり、桑卓のトップ下起用だったり、試験的要素が強いもの。後日分かるのだが、石垣を除く交代した3人 (真司・上埜・真希) は、翌日のサテライト戦に出場していたりする。流れはやや湘南寄りで、34分には宮崎の速い左クロスが惜しくもファーに流れるが、鶴見がフォロー。向き直して送ったクロスは佐野がカット…はしたが、ダイレクトでクリアせずにトラップしようとして失敗。ルーズになったボールを何とか岩本がクリアしたが、それがPA手前中央の北村の下へ…! が、トラップミスかシュートミスか、ボールは勢いなくGK風間の前に転がり、事なきを得た。
 清水の攻撃は、36分に枝村のダイアゴナルフィードから岡村のクロスを竜男がボレー (枠外)、41分にPA左横から真希のFKをファーで村松がヘッド (GK正面) と、いずれも単発。湘南は猪狩がドリブルで切れ込んだり、ボランチ齋藤がミドルを狙ったりしたが、シュートに焦りが見えてゴールを脅かせない。そうしているうちにロスタイム、相手の速攻を池田が意図的に潰し (警告) 、50Mほどの長い距離のFK。ロングキックに岩本が競り負け、後ろに流されると、そこに鶴見が突っ込む! が、GK風間が一瞬早くキャッチ。ただ、この場面で風間との接触を避けて跳んだ鶴見は、着地の際に足を捻ったのか、最後に交代して担架に運ばれたままで、試合終了のホイッスルを聞いた。彼の無事を祈りたい。

湘南        清水エスパルス
8(2) シュート 4(1) ×真希、×真希、×竜男、○村越
5(1) 右クロス 1(0) ×真司
3(0) 左クロス 4(1) ×上埜、×岡村、○岡村、×岡村
0(0) 右側CK 1(0) ×岡村
0(0) 左側CK 1(0) ×谷野
0(−)  犯OS  1(−) ・長沢
13(2) ファウル 7(0) ・池田、・長沢、・谷野、・長沢、・池田、・枝村、・池田


▼試合結果

清水エスパルスユース 3−1 湘南ベルマーレユース
 得点:前半13分:清水・谷野 由紘 (岡村総一郎・左クロス)
    前半23分:湘南・鶴見 聡貴 ※PK
    後半42分:清水・山本 真希 ※ドリブルシュート
    後半44分:清水・山本 真希 (池田 康彦 ・クサビのパス)
 警告:前半23分:清水・佐野 克彦 (反スポーツ的行為)
    前半36分:湘南・宮崎 明浩 (遅延行為)
    後半44分:清水・池田 康彦 (ラフプレー)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●岩本 大 (1年・スイーパー)
 一人余るスイーパー役は確かに活躍が目立ちやすいポジションでもあるが、同時に最後の砦としての責任を負う。クレバーな岩本にこそ適任だろう。ポジショニングやリーダーシップだけでなく、ダイレクトクリアの精度の高さにも注目。

[私撰MIP]
●山本 真希 (2年・トップ下)
 前半、崩されるサイドを盛んにヘルプへ入ったこともあって、後半にスタミナ切れを起こしていたが、持っている素質はもはや別格。弾むような筋力が攻守に目立ち、低く速く正確なボールを蹴る能力は、トップチームのレベルにある。

●村越 大三 (3年・右CB)
 鶴見のスピードに負ける場面こそあったが、積極的に前に出る守備が光っていた。空中戦の強さを活かして、多くのクロスとロングフィードを跳ね返す。この日はロングフィードの精度も高く、同期の岡村に通すサイドチェンジが効果的だった。

[個人的好印象選手 (相手方) ]
 渡部 翼 (3年・右SB→CB): 前半は攻撃参加のタイミングに、後半は守備のポジショニングに、高い知性を見せた。
 鶴見 聡貴 (3年・左SH→トップ下): スピードだけでなく、自信に満ちた突破が印象的。怪我が大事ないと祈りたい。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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