2004年10月16日(土) |
Jユース杯 アルビレックス新潟戦 (A) |
04年10月16日 (土) 14:00開始 長岡市営陸上競技場 第12回Jユースカップ2004 Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ 対 アルビレックス新潟ユース (A) ※45分ハーフ 天候:晴れ時々曇
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−−−− 篠田悠 −−−−−−−
−−−−− 鈴木真−山本真 −−−−− −−−−− 鈴木真−山本真 −−−−−
−−岡村−−枝村−−池田−−谷野−− −−岡村−−上埜−−池田−−谷野−−
−−− 佐野克 −岩本−−村越−−−− −−− 佐野克 −岩本−−村越−−−−
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−
控え:前田、渥美、桑原彬、桑原卓、上埜、小泉、篠田悠 交代:後半21分:石垣→篠田悠 (そのままFWに) 後半28分:枝村→上埜 (そのままボランチに)
アルビレックス新潟ユース:
−−−−−−10−−08−−−−−−
−−−−11−−−−−−07−−−−
−−−−−−14−−09−−−−−− 交代:前半38分:07→06 −−04−−05−−03−−02−− 後半24分:08→13 後半29分:02→12 −−−−−−−−01−−−−−−−− 後半42分:06→16
▼試合展開 高円宮杯から続く日本海岸遠征4戦目 (長岡は海まで距離あるけど)。秋晴れに恵まれたが、かなり涼しいと感じる気候になった。清水は東福岡戦から取り組んでいる3バックを採用。高野美に代えて岩本、上埜に代えて谷野が入ったものの、ほぼベストメンバーと言ってよいだろう。対する新潟は、9月19日のJユースカップ緒戦で湘南に0−5で大敗。とはいえ、1週間前まで主力10人が国体に参加しており、万全な状態とは言えず、それは新潟の実力を表すスコアとは思えない。国際ユースin新潟でチリU-18に勝つなど、確かにまだレベルの高いチームとは言えないが、毎年北信越代表として多くの経験を積んでいる新潟は、決して昔のような「お客さん」ではない。
[前半] 序盤、清水が全開。2分、左CB佐野が左足で巻いて出したロングフィードをDFが弾くも、ボランチの枝村が前線でカット。細かく入れたクサビをFW石垣が裏に流し、トップ下の真司が抜け出してシュートも、威力なくGKの読み勝ち。しかし、その後のGKからのフィードに対し、トップ下に位置する真希のヘッドはカブったものの、すぐ後ろでボランチ池田がフォロー、右足ダイレクトでボールを押し出すようにパスを送る。走りながら受けた真希は、そのままドリブル体勢、弾むようなステップでマークを振り解くと、PA手前右60度から得意の弾丸ミドルを放った。ボールは正確にファーサイドネットに突き刺さり、1−0。清水の先制点は、呆気ないほどの真希の個人技からだった。 しかし、その後は新潟が意地を見せる。全選手が精力的に動き回り、激しくぶつかり合う。清水は、これをいなそうという意図が見えるが、主審がかなり削り合いに寛容だったこともあり (個人的にはピーピーうるさい主審よりは好みだが)、主導権を明け渡してしまう。肉弾戦となり、芝の状態も悪いせいもあって、スモールフィールドの中で簡単なミスが目立った。
枝村経由の攻撃を仕掛けられない清水は、プレッシングを避けて縦に速い展開が多くなる。16分に自陣から佐野のFKを相手PA内で真司が体を投げ出すように落とし、真希がボレーで合わせたが宇宙開発、ボールを上空に打ち上げる。20分には自陣で奪った左WB岡村が、真司とのワンツーで一気に縦を踏破、左クロスに石垣が飛び込んだが当たり損ね。しかし、真司の動きは軽快で、調子が良さそうだ。一方の新潟は26分、35M以上あるFKを4番が直接狙ったのが、最初のシュート。攻める時間は長いが、攻めきれていない。 清水は33分。岡村のスローインを受けた真希が、細かいステップでマークするDFの合間を縫うように左サイドからPA内に侵入、低い弾道のクロスをPA外に折り返すと、ほぼ中央から谷野がミドル。真希のシュートに似た重く低い弾道は、しかしゴールポストに嫌われた。このあたりから新潟のプレッシングが弱まり、清水が中盤の潰し合いから抜け出す回数が増えてくる。40分、真司を右SB2番がファウル、PA左角から10Mほど離れた位置からFK。岡村のキックが2度ほど跳ね返された後、池田が左に展開、大外に回り込んだ真希がタッチライン際で2人抜きして突入、非常に速い左クロスにGKがキャッチしきれずにこぼしたが、石垣が詰め切れなかった。前半はそのまま、1−0で折り返す。新潟の2本のシュートは、共にPA外からのもの。
新潟 清水エスパルス 2(1) シュート 6(2) ○真司、◎真希、×真希、×谷野、×佐野、×枝村 4(0) 右クロス 1(0) ×谷野 3(0) 左クロス 6(2) ×岡村、×真希、○岡村、○真希、×真希、×真司 1(0) 右側CK 2(2) ○真司、○真司 0(0) 左側CK 2(0) ×谷野、×谷野 1(−) 犯OS 4(−) ・村越、・真司、・真司、・真希 8(3) ファウル 5(1) ・谷野、・石垣、・真司、・枝村、×石垣
[後半] 後半開始と同時に、今度は新潟がフルスロットル。やる気の問題なのか、スタミナ不足なのか、運動量の足りない清水を数人で囲んでは奪う。清水の両WBは下がって5バック気味になり、池田と枝村しかいない中盤が飲み込まれた。とはいえ、清水に守備的に戦う意図があるわけではなく、守備のスタートポジションこそ5バック気味だが、スイーパーの岩本一人を余らせて、他の4人は積極的に前に出て、相手のクサビを潰す意図があったように思われる。しかし、実際にはFW2枚しか前にいなくても最終ラインに5人が並び、相手OMFや、特にSBを中盤で自由にしてしまう傾向が目に付いた。トップでも、4バックの相手がOMFとSBで数的有利を作ろうという動きに対して、顕著な戸惑いがあるが、それが更に未熟になった状況と言える。 新潟は右SB2番がかなり高い位置を保ち、流動的に動くOMFの6番・11番と絡みながら、攻撃の起点となり続ける。7分には6番のドライヴを掛けた右クロスがPA内でFWの足下に落ちるが、シュートは岩本がブロック、左サイドに流れたリバウンドに対してGK風間の飛び出しが遅れたが、佐野が体を張って相手の飛び込みをスクリーンした。後半の開始20分の間に、新潟は実に11本ものクロスを放り込んだが、一つは精度の問題、もう一つは佐野・村越が制空権を譲らなかったことで、危うい場面は生まれず。左右、特に左サイドの11番にサイドからCBが交わされて切り込まれることもあったが、岩本が1対1を落ち着いて対処。結局、新潟は開始4分に、2トップのワンツーで8番がミドルを放った (枠外) 以外に、シュートを撃てなかった。
とはいえ、それまで守備練習かと思うほどに、一方的に新潟に攻められていたのも事実。だが、次第に新潟の運動量が落ちると、石垣から悠輔への交代を機に、ようやく反撃を開始する。22分、自陣右サイドで相手2枚を背負った枝村が、反転しつつライン際に見事なコントロールでフィード。右WB谷野の上げたクロスはDFに跳ね返されるが、真司がカットしてPA内左に流すと、そこにフリーで岡村が走り込む! が、シュートはニアに枠を外した。26分にも真希のパスから枝村が縦にクサビ、FW悠輔がトラップしつつ後ろに下がると、池田がスイッチして左へ捌く。岡村がクロスを入れたが、惜しくもDFに跳ね返された。やはり、枝村が絡むと攻撃にリズムが生まれる。 その枝村は、しかし試合を通して運動量が少なく、28分に上埜と交代。それに前後して、新潟は10番が2本のミドルを放つも、GK風間が余裕を持って対処。すると36分、相手陣内で谷野のスローインを真司が巧みなキックで裏に流し、深く抉って谷野のマイナスの折り返しにPA内中央で真希、が、インサイドのキックは当たり損ねてGK、こぼれたのを悠輔が詰めるがクリアされる。38分にはカウンターから真希が中央突破を仕掛けるが、腕を掴まれて引き倒される。カードなし。43分、相手陣内右サイドの真司が小さく中へ、真希がPA内に縦に入れると悠輔が巧みに体を捻り、ファーを狙ったシュートはGKが何とか横っ飛びで弾いた。だが、岡村がフォロー、小さく横に流して真司が駆け込んだが、シュートをGKに当ててしまう。 結局、試合はそのまま、1−0で終了。高円宮杯で3試合8失点を喫したことを思えば、PA内でシュートを撃たせなかったこの試合は、かなり改善したと言えるだろう。だが、中盤のプレッシングが組織的な連動性、相手の展開を読む個人戦術、共に不足している。それを支えるスタミナも懸念材料。戦術に関係なく、絶対的な運動量が相手に劣る試合が続いている。
新潟 清水エスパルス 3(2) シュート 6(4) ×岡村、○村越、○真希、×岡村、○悠輔、○真司 8(1) 右クロス 4(1) ×谷野、×真司、○谷野、×池田 5(0) 左クロス 6(0) ×佐野、×佐野、×岡村、×岡村、×岡村、×岡村 0(0) 右側CK 0(0) 3(0) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 1(−) ・真希 2(0) ファウル 4(1) ・真司、×佐野、・岩本、・真司
(CKで競り合う村越)
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−0 アルビレックス新潟ユース 得点:前半02分:清水・山本 真希 ※ドリブルシュート 警告:前半32分:新潟・07番 (ラフプレー) 前半33分:清水・枝村 匠馬 (反スポーツ的行為)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●岩本 大 (1年・スイーパー) 新潟が頻繁にサイドから切り崩しても、この男が立ちはだかった。適切なカバーリングの距離と素早い寄せ、完璧な地上戦の1対1で、最後の砦に。奪った後のクリア・繋ぎの選択も正しく、素早く、正確で、無失点の最大の功労者。
[私撰MIP] ●佐野 克彦 (1年・左CB) 特別なプレーこそないが、空中戦の高さ、地上戦でのスピード、岩本と連動したカバーリング、攻撃時のセットプレーでの存在感、左足ロングフィードでの攻撃の起点、機を見た攻撃参加にクロスと、総じてレベルの高いところを見せた。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 5番、14番
|