清水エスパルスユース
高円宮杯は三戦全敗で終えた。2004年の清水エスパルスユースは当初、築館監督の下で昨年を土台にした継続路線を選択したが、怪我人が相次ぐ事態に見舞われたこともあって縮小再生産に終わり、今年6月に望月監督代行によって、リスタートを切ることになった。従来の方針に戻って2年生を大胆にコンバートするなど、マンネリズムを打破することに成功したものの、4ヶ月弱、公式戦僅かに5試合という猶予はあまりに不足していた。高円宮杯で対戦した高校勢に比べ、組織の未熟さは如何ともし難いレベルにあり、貴重な全国の舞台も「テスト」の色が濃くなってしまった。 三連敗から二週間、Jユースカップが始まる。今年のチームの集大成を目指し、完成度を高める方向で戦うのか、それとも来年の大会に向けて、再びリスタートを切るのか。従来ならば前者であるが、今年は波乱の1年だけに予測できない。後者ならば、3年生は引退、2年生を適性ポジションに固定し、1年生を余ったポジションにコンバートすることになるだろう。まずは緒戦、新潟戦の布陣に注目である。
■選手名簿 別記参照方。
■基本フォーメーション 継続路線: 再リスタート:
−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−−−小泉− 篠田悠 −−−−−
−−−−− 鈴木真−山本真 −−−−− − 桑原卓 −−−−−−−− 山本真 −
−−岡村−−枝村−−池田−−上埜−− −−−−−−長沢−−岩本−−−−−−
−−− 佐野克−高野美 −村越−−−− − 佐野克 −池田−−石垣− 高野美 −
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−前田−−−−−−−−
継続路線のフォーメーションは、今年最高の内容だった東福岡戦のもの。個人的に中盤フラットの4−4−2しか適応できない選手になってほしくないので、今年は是非、3バックに挑戦してほしい。この試合は上級生中心に布陣が組まれたが、育ち盛りの下級生が虎視眈々とポジションを狙う。風間から前田が、高野美から岩本が、上埜から小泉が、岡村から桑原卓が、鈴木真から篠田悠が、石垣から長沢が、先発の座を奪ってもおかしくない。14日 (木) の清水商との練習試合 (○3−0) では、石垣→篠田悠、高野美→岩本の他は、上の東福岡戦と同じ布陣で先発している。 再リスタートするならば、一旦、チームを壊すことになるので、どういうポジションになるか想像がつかない。そのため、私の独断と偏見で強引に組んでみた。結果だけを目指すなら他の方法があるのだが、来年昇格を狙う2年生を自分が最も得意だと考えてるであろうポジションに (石垣はFWでも面白そうだが)、1年生はプレーの幅を広げられそうなポジションにコンバートしてみた。しかし、なんと言うか、弱そうだ (笑)。
■注目新人選手 [定位置を掴んだ2人] ●池田 康彦 1988.09.15生 [169cm/60kg] ●佐野 克彦 1988.04.30生 [180cm/60kg] 池田と佐野の2人は、既に確たる地位を掴んでいる。佐野は高さと速さで相手を抑え込むだけでなく、その左足で攻撃の起点としても機能しており、トップにおける森岡・鶴見以上にシステムにフィットしている。池田に至っては、1年生にてチームの重心。プレスを掛けられた時のいなし方に課題があるものの、要所を見極めた潰しの速さはチームに欠かせないものになっている。
[定位置を狙う5人] ●桑原 卓哉 1988.10.27生 [172cm/62kg] ●岩本 大 1988.09.09生 [180cm/65kg] ●長沢 駿 1988.08.25生 [188cm/64kg] ●町田 朋弥 1988.07.30生 [175cm/65kg] ●小泉 慶治 1988.05.01生 [166cm/55kg] 以上、5名が準レギュラーとして定位置を狙う。桑原卓はドリブルもあるが、良質のフィードと競り合いの強さで低い位置でも機能でき、逆サイドとバランスをとることができる。岩本はストッパーとしては1対1、特に空中戦に課題があるが、池田と同様、急所を見極めた素早い寄せが魅力。ダイレクトクリアの精度も高い。体ができておらず、二種のトップレベルでは攻撃の基準点として不満が残る長沢だが、同世代相手ではゴールを量産。潰され過ぎて怪我することのないよう留意して、焦らずに大成させたい。 得点感覚に長けた町田は、夏休み前に怪我をして出遅れてしまった。点取り屋らしいエゴイスティックな部分は、途中投入した際に良い刺激になる。小泉もまだまだ得意のドリブルが通用してるとは言い難いのだが、とにかく1対1で勝負に行く姿勢が素晴らしい。先発ならば切り込み隊長として、交代ならば膠着状態を打破することを期待できる。 1年生は長い間、一緒にプレーしてきたため (13人が全員Jrユースからの昇格、清水FC出身が8人、岩本と桑原兄弟は共に有度二SSS出身だ)、同時に起用すると相乗効果が大きい。しかし、それは同時に短所でもある。下部組織の選手に求められるのは、トップに昇格した時に「一人」でどれだけできるか、あくまで「個人」の評価だからだ。1年生の「グループ」ではなく、ユース「チーム」に如何に適応するかが、大きなポイントだろう。
■出身現役Jリーガー・チームプロフィール 別記参照方。
■試合日程 10月16日(土) 14:00 (A)アルビレックス新潟 長岡市営陸上競技場 10月23日(土) 14:00 (H)湘南ベルマーレ 藤枝市総合運動公園サッカー場 10月30日(土) 14:00 (A)ジュビロ磐田 ヤマハスタジアム 11月03日(水) 13:00 (A)湘南ベルマーレ 平塚競技場 11月06日(土) 14:00 (H)ジュビロ磐田 清水エスパルス三保グラウンド 11月14日(日) 11:00 (H)アルビレックス新潟 清水ナショナルトレセン J-STEP
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