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2004年09月26日(日) 高円宮杯 東福岡高校戦

04年9月26日 (日) 11:00開始 西目サッカー場
 高円宮杯 第15回全日本ユース (U-18) サッカー選手権大会 1次ラウンド
 対 東福岡高校 ※45分ハーフ
 天候:曇

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−− 鈴木真−篠田悠 −−−−−

−−−−− 鈴木真−山本真 −−−−− − 桑原卓−山本真 −枝村−−小泉−−

−−岡村−−枝村−−池田−−上埜−− −−−−−−−−村越−−−−−−−−

−−− 佐野克−高野美 −村越−−−− −−− 佐野克−高野美 −池田−−−−

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−

控え:前田、岩本、桑原卓、桑原彬、小泉、篠田悠、長沢
交代:後半14分:石垣→篠田悠 (そのままFWに)
   後半27分:上埜→小泉  (そのまま右SHに)
   後半32分:岡村→桑原卓 (そのまま左SHに)

東福岡高校:

−−−−−−−−葛城−−−−−−−−

−−伊藤−−野内−−棚橋− 木佐木 −

−−−−−−−−長友−−−−−−−−

−−米田−−近藤−− 藤 −−砂田−− 交代:前半30分:棚橋→里
                      後半32分:里 →篠原
−−−−−−−−坂本−−−−−−−−    後半43分:伊藤→藤嶋


▼試合展開

 静学戦退場のサスペンションから、美臣と小泉が復帰した清水。谷野と神田の2人が、ベンチから外れた。先発メンバーが発表された際には、どう最終ラインを組むのか疑問だったが、蓋を開けてみれば今年の公式戦初の3バックの採用だった。両WBが東福岡のウイングを見るため、5バックとなることも多く、一方でカバー役の美臣以外はDFが積極的に前に出て、クサビを潰していた。前線の戦術はトップと同様。ワントップの石垣 (チョ役) を基準点に真司 (アラウージョ役) が前目で絡み、真希 (久保山役) が前線と中盤の繋ぎ役を行う。3年生が先発の過半数 (6人) を越えたのは、今年の公式戦で始めてのでことである。
 対する東福岡は、全員が3年生。青森山田戦と全く同じメンバーを並べた。黄金世代だった小倉南FC出身選手が、中核を占める。坂本・木佐木・野内・伊藤と、早生まれが多いのも素敵だ (笑)。監督は代わっても、4−1−4−1の戦術は徹底されており、選手個々の理解度も高い。葛城・野内・砂田・近藤・坂本の5人は、昨年の対戦にも出場している。ちなみに清水の昨年出場した選手は、真司・枝村・真希・村越・美臣と、こちらも5人。主将の近藤は、187cmの長身ながら機動力も高い、Jスカウト注目の存在。正直、エスパルスに欲しい (笑)。

[前半]
 久々に共にプレーするボランチ枝村とトップ下の真司を軸に、序盤から清水が攻勢を掛ける。3分に真司のドリブルから枝村がミドルを放ち、オープニングシュートを記録すると、それをGK坂本が弾いて得た右CKは、真司のキックからファーに落ちたボールを佐野がスクリーン、真希の掬い上げるようなシュートは枠上に外れる。4分、枝村が真司に出したスルーパスは、惜しくもオフサイド。しかし、6分、東福岡FW葛城に入ったクサビを背後から潰しに行った右CB村越のプレーが、ファウルの判定。PA右角ギリギリという際どい位置で、FKを与えてしまう。ニアを壁で切ったGK風間の守りに対し、キッカー木佐木の蹴ったボールは壁を越えると激しくドライヴして落ちて、風間が動けないまま、ニアに決まってしまった。0−1。
 だが、先制を許したものの、飛び道具の一発は大勢を覆すには至らない。直後の7分にも、左WB岡村が左クロスの跳ね返りを自ら拾い、後ろにフォローに来たトップ下の真希へ。真希は浮き球のリフティングで鮮やかにマークを外し、中央にパスを送ると走り込んだ村越が汚名返上のミドル砲。だが、GK坂本がゴールライン外に弾き出す。16分には真希がドリブルからFW石垣にクサビ、小さく横に叩いて右WB上埜のミドルもGK坂本。21分、枝村がサイドに捌いたボールに、真希がPAの左横から突入してシュートは枠上。更に29分、自陣に下がった真希のロングフィードを石垣が落として、枝村がため息の出るような美しいサイドチェンジ。6年間、枝村のパスを受けてきた岡村が走り、上げた左クロスは187cmのCB近藤もクリアできず、ファーに起点となった枝村が飛び込む。桐蔭戦と同じような形は、しかし、これも僅かに枠上。決定機を活かすことができなかった。

 この清水の攻勢は、両WBの岡村と上埜が、東福岡の象徴と言える両ウイング、木佐木と伊藤に対して優位に立っていたからこそだった。サイドの使えない東福岡の攻撃力は半減。単調なクロスやロングボールは、スイーパーの美臣にカバーリングを任せた左右CB、佐野・村越の餌食となっていた。しかし、32分、直前に交代投入されたトップ下・里が、ロングボールに対して佐野に頭で競り勝つと (余談ながら、東福岡はヘディングで落とすコントロールと、それに連動した周囲のポジションが素晴らしい)、葛城が裏で拾って抜け出す。縦を切った美臣を前に中にスライドすると、左斜めに横パス。そこに上埜のマークを外して走り込んできた伊藤が、フリーでシュートを撃つも、ファーに外してしまった。
 このプレーを境に、序盤から快調に飛ばしてきた岡村が失速。俊足・木佐木に逆にサイドを押し込まれるようになった。すると、清水の方がロングボールに頼らざるを得なくなり、枝村が組み立てに関われなくなってしまう。枝村が参加しない清水の攻撃力は半減、試合の主導権は一転して東福岡へ。それでも引いて守っていることと、東福岡のコントロールタワー野内をボランチ池田が潰していることで、シュートチャンスは作らせなかった。

 41分、混戦の中でのルーズボールの奪い合いで村越のプレーが咎められ、失点場面とほぼ同じ位置からFKを許してしまう。蹴るのは先程と同じく木佐木。同じような軌跡を描いてボールは壁を越え、ドライヴして落ちる。GK風間は、反応できない。が、今度はニアポストが跳ね返す。と、転がるボールをファーポストが押し込み、ボールは必死に横っ飛びしたGK風間の手も届かず、ラインを割ってしまった。0−2。不運とは、こういうことを言うのだろう。
 前半の相手の枠内シュートは2本のみ。流れの中で優勢を築きながら、開始直後と前半終了直前にFKで失点。さすがに飛び道具の二発は清水を意気消沈させたが、何とか東福岡の攻撃を凌ぎきって、前半を終えた。

東福岡高校     清水エスパルス
4(2) シュート 7(3) ○枝村、×真希、○村越、○上埜、×真希、×真希、×枝村
9(2) 右クロス 0(0)
5(0) 左クロス 5(1) ×岡村、×岡村、×岡村、○岡村、×岡村
2(0) 右側CK 1(0) ×真司
0(0) 左側CK 2(0) ×真司、×真希
0(−)  犯OS  4(−) ・真司、・上埜、・石垣、・石垣
4(0) ファウル 4(2) ×村越、・石垣、・村越、×村越

[後半]
 再開後、僅かに1分。それまで、ほぼ完全に池田に抑え込まれていた東福岡・野内の鮮やかなサイドチェンジ。韋駄天右ウイング木佐木が抜け出して上げたクロスを、ファーに左ウイング伊藤が駆け込んでシュート。これぞ「ヒガシのサッカー」的な攻撃だが、GK風間が見事に攻撃を読んでシュートブロック、さらにリバウンドを葛城がPA外から狙ったが、風間がポジションを取り直してきっちりキャッチした。しかし、2分にもサイドチェンジから伊藤の左クロスに葛城に飛び込まれるなど、気持ちが切り替えられていない様相をさらけ出す。
 それでも、風間のビックセーヴに煽られたのか4分、今度は真希からのクサビを受けて枝村が、左横からPA内に侵入。真希の直線的なドリブルと違い、相手の体重の掛かる足と逆に切り返すフィーゴのようなドリブルで、クイックイッと抜き去ってシュートを放つ。それがDFに引っ掛かったのを、更に真司がシザース気味のボレー。だが、GK坂本が超反応で至近距離のシュートを弾き返し、ゴールを割らせない。逆に東福岡のカウンターとなるが、佐野が1対1を止め、事なきを得た。
 8分、今度は清水が東福岡の右CKを枝村が跳ね返し、カウンターを仕掛ける。1人前線に残っていた真司のドリブルから右へ展開、そこに枝村が走り込むがファーストトラップを失敗し、右に流れた後で上埜に戻すと、ちょこんと横に叩いてPA手前から真司が、慎重にコースを狙ってシュート。だが、枠の左へと外れた。11分には真希と絡んで岡村が左を、12分には真司と絡んで枝村が右サイドを崩したが、速いクロスは中央に合わなかった。

 14分、望月監督は石垣に代えて悠輔を投入。良い形を作りながら決められないという状況に、悠輔の決定力に期待したのだろうが、「まずワントップの石垣に当てる」という戦術から切り替えるのに手間取り、暫く攻撃が停滞することになる。21分、村越のドリブルを野内が後ろから押し倒し、25M程の距離からFKを得ると、真司が蹴ったボールが壁に跳ね返った (真希が戻した?) のを、枝村がダイレクトボレーで狙った程度。だが、この意表を突いたシュートもGK坂本が落ち着いて処理、鉄壁を築く。


 27分に上埜に代えて小泉を入れたあたりで、いよいよリスクを犯す。これまで東福岡の両ウイングをマークしていた左右WBを守備から解放、枝村も完全に攻撃に集中する。意図的かは分からないが、村越は中盤に上がって浮き球・グラウンダーに関係なく、相手のクサビにガツガツと体を張ってカット、代わって池田が最終ラインに下がってカバーする時間が長くなる。再び清水が試合を支配するようになるが、27分、葛城に小泉・池田が振り切られてシュートを撃たれるなど (枠外)、当然、東福岡のカウンターも炸裂、幾度となく数的不利・同数でスペースに抜け出された。それでも、佐野の速さ、美臣のカバー、池田の献身によってシュートを撃たせる前に潰し続け、唯一、41分に途中交代のFW篠原に独走された場面は、相手のシュートミス (GK正面) に救われた。

 一方の清水はまず34分、枝村がPA手前右寄りで真司のパスを受けると、またも「ネイくんの消えるフェイント」ばりの切り返しで、いともたやすくDFを抜き去って縦に突破。最終ラインの裏でシュートを放つが、この超至近距離でまたもGK坂本。弾いたボールを悠輔?が詰めるが、ゴール方向に飛ばない。いよいよ神懸かってきた坂本に対し、36分。相手カウンターを潰した佐野を起点に、村越のクサビを真希?が左に叩くと、枝村がサイドチェンジ。小泉の右クロスはDFに引っ掛かるが、運良く目の前に落ちてきたボールを、真司が強引にボレー。これもDFに当たるが、それも運良く悠輔の目の前へ。スペイン帰りのストライカーはシュートを一瞬我慢、体が開き気味になりながらも坂本のタイミングを外して、ゴールを狙った。だが、迷わず前に出た坂本は、このシュートすら体が流れることなく、弾き返してしまう。
 残り5分。決勝ラウンド進出にはこの試合、勝点3が必要な清水、3点を奪って逆転するのは絶望的としか言わざるを得ない。それでも、最後まで攻めた。41分に真希のパスから枝村が切り返してのシュート、43分は風間のキックを真希が後ろへ流して真司が右に開きながらドリブルシュート (枠外)、続けて左サイドのスローインから枝村が左足で巻いて逃げるようなシュート、44分に小泉のミドル、46分に美臣のミドル。だが、この日の坂本の牙城は崩せなかった。0−2。2連敗で、1次ラウンド敗退が決まった。

東福岡高校     清水エスパルス
7(3) シュート 11(8) ○真司、×真司、○枝村、×枝村、○枝村、○悠輔、○枝村、×真司、○枝村、○小泉
               ○美臣
7(1) 右クロス 3(0) ×枝村、×上埜、×小泉
3(1) 左クロス 5(0) ×岡村、×岡村、×岡村、×桑卓、×真希
2(1) 右側CK 1(1) ×真司
0(0) 左側CK 1(0) ×枝村
3(−)  犯OS  1(−) ・枝村
10(2) ファウル 6(2) ×美臣、・村越、×真司、・村越、×美臣、・真司


▼試合結果

清水エスパルスユース 0−2 東福岡高校
 得点:後半06分:東福岡・木佐木俊成 ※直接FK
    後半41分:東福岡・木佐木俊成 ※直接FK
 警告:後半01分:清水Y・高野 美臣 (反スポーツ的行為)
    後半03分:清水Y・村越 大三 (ラフプレー)
    後半27分:東福岡・近藤 徹志 (ラフプレー)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●枝村 匠馬 (3年・ボランチ→トップ下)
 天才。生まれ持った素質だけなら、歴代でも一番かもしれない。キープ・ビルドアップ・フィニッシュの全てで軸となり、独特の切り返しからの突破で自ら仕掛けることもできる。「向上心の塊」をプロ入り後も発揮できれば、前途は明るい。

[私撰MIP]
●池田 康彦 (1年・ボランチ→右CB)
 野内潰しの大役を全う。守る人数の少なくなった終盤には、さすがに自由にさせる時間もあったが、代わりに次々に飛び出す複数のドリブラー相手に、的確に体を張る。最も運動量の求められるポジションを、1年生ながら務め上げた。

●佐野 克彦 (1年・左CB)
 CBにも関わらず、ヒガシの俊足ウイングにも対応できる俊足は圧巻。終盤、決定機になろうかという場面で幾度となく先行する相手に追い付き、つぶさに潰していった。ポジショニングにはまだ改善の余地はあるが、空中戦にも強い。


[個人的好印象選手 (相手方) ]
 坂本 光  (3年・GK): 枠内シュート11本全てを叩き落とした神。相変わらずキックの精度も高く、その種類も豊富。
 木佐木俊成 (3年・右ウイング): 直接FK2本はおまけ。ヒガシの伝統的高速ドリブラーは、流れの中でも目立っていた。


04年9月26日 (日) 13:15開始 西目サッカー場
 高円宮杯 第15回全日本ユース (U-18) サッカー選手権大会 1次ラウンド
 桐蔭学園高校 対 青森山田高校 ※45分ハーフ

桐蔭学園高校:             青森山田高校:
−−−−−−山口−−永瀬−−−−−−  −−−−−−レオ−−伊東−−−−−− ※レオ=レオナルド
−−−−井上−−−−−−土田−−−−  −−−−小寺−−−−−−小澤−−−−
−−−−−−木宮−−有田−−−−−−  −−−−−−櫛引−−丸山−−−−−−
−−滝澤−−小川−−吉田−− 森 −−  − 那須川 −橋本−−鈴木−−仲谷−−
−−−−−−−−渋谷−−−−−−−−  −−−−−−−−三浦−−−−−−−−
交代:後半09分:土田→小澤       交代:後半00分:伊東→板垣 (4-3-2-1、板垣を右SB、仲谷を右DH)
   後半24分:山口→鈴木謙         後半16分:丸山→馬見塚
   後半38分:井上→岡田          後半38分:レオナルド→フランク (小澤をFW)

前半09分、桐蔭、山口?のクイックリスタートから井上が飛び出してゴール、1−0
前半16分、桐蔭、山口の左CKを永瀬が頭で逸らしてゴール、2−0
後半03分、山田、レオナルドの突破で得たFK、小澤のキックに橋本の頭、2−1
後半10分、桐蔭、リバウンドボールの繰り返しから、上手く裏に抜けた永瀬がファーへ、3−1

桐蔭学園高校         青森山田高校
8(4)/4(3) シュート 3(1)/2(1)
2(0)/3(0) 右クロス 1(0)/2(0)
0(0)/1(0) 左クロス 0(0)/0(0)
1(0)/1(0) 右側CK 0(0)/2(0)
0(0)/1(1) 左側CK 0(0)/0(0)
1(−)/1(−)  犯OS  2(−)/1(−)
9(2)/8(1) ファウル 10(1)/11(3) ※内側が前半/外側が後半の数字

桐蔭学園高校 3−1 青森山田高校


[個人的好印象選手] 有田・木宮 (桐蔭)、小寺・仲谷 (青森山田)


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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