2004年09月25日(土) |
高円宮杯 桐蔭学園高校戦 |
04年9月25日 (土) 11:00開始 西目サッカー場 高円宮杯 第15回全日本ユース (U-18) サッカー選手権大会 1次ラウンド 対 桐蔭学園高校 ※45分ハーフ 天候:曇
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−− 鈴木真 −石垣−−−−−− −−−−−−−−石垣−−−−−−−−
−−岡村−−−−−−−−− 山本真 − −−岡村− 山本真 −枝村− 篠田悠 −
−−−−−−池田−−上埜−−−−−− −−−−−−−−池田−−−−−−−−
− 桑原卓−佐野克− 村越− 桑原彬 − − 桑原卓−佐野克− 岩本− 桑原彬 −
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−
控え:前田、岩本、谷野、神田、枝村、篠田悠、長沢 交代:後半20分:村越 →岩本 (そのままCBに) 後半27分:鈴木真→枝村 (枝村・山本真をOMF、上埜を右SH (上記右図参照)) 後半29分:上埜 →篠田悠 (そのまま右SHに)
桐蔭学園高校:
−−−−−−山口−−永瀬−−−−−−
−−−−井上−−−−−−土田−−−−
−−−−−−木宮−−有田−−−−−−
−−滝澤−−小川−−吉田−− 森 −− 交代:後半09分:土田→鈴木謙 (山口を右OMF) −−−−−−−−渋谷−−−−−−−− 後半34分:永瀬→小澤
▼試合展開 清水はDF美臣とMF小泉が、静学戦での退場処分のサスペンションのため出場停止。代わって右SBには、桑原彬が入った。最終ラインは村越を除いて1年生が並んだが、全体的には3年生が5名と多めに起用されている。但し、主将の枝村はサテライト京都戦で負傷した影響で、ベンチスタート。小泉が出場停止で柴田がベンチから外れ (今日の18人+美臣・小泉の20人で遠征しているようだ)、真司・岡村が先発したため、切り札となるスピードスターが控えに残らなかったのが、意外と痛い。
言わずと知れた、森岡と戸田の出身である桐蔭学園高校。ほぼベストメンバーだと思われる。桐蔭中とFマリノスJrユース出身選手を中心に、GK渋谷 (2年) 以外が3年生。背番号20の主将・有田 (FマリノスJrユース) と木宮 (桐蔭中) のダブルボランチを中心に、高校チームのスタンダードとも言える4−2−2−2の戦術が徹底され、一人一人がサボらず忠実に走り回る好チームだった。
[前半] 開始3分、左SB桑卓のクサビをFW石垣がポストで落とし、FW真司が捌いて左SH岡村の左クロス。続いて4分、CH池田のクサビから右SH真希が個人技で突破を図って右クロス。序盤に得意のサイド攻撃を左右から繰り出し、調子に乗るかと思われたが、9分の桐蔭、2列目から飛び出したOH井上が戻したボールを、DH木宮がミドルを放ち、GK正面。その後、1列目と2列目が盛んに入れ替わる桐蔭の動きに、付いていけなくなる。池田と上埜の両ボランチが競り負ける場面も多かったが、それ以上に気になったのは、素早く前線の4人で攻めようとする桐蔭に対し、最終ラインがブレイクせず、低い位置のまま4人残っていた点。クサビを受けに下がるFWにDFが付いていかず、相手に簡単に前を向かれる場面が気に掛かった。 15分、中盤に引いて受けて反転したFW山口に桑卓が対峙するが、その裏に井上が飛び出して右クロス。やや長すぎたがFW永瀬が左サイドで頑張って追いつき、後ろに戻して木宮が小さく内側にパスを送ると、そこに左SB吉田がフリーで走り込んで、PA直前からシュート。GK風間が見事な瞬発力でディフレクトしたが、DFラインは縦横に翻弄された。24分、足を痛めた桑卓がポジションに戻れない隙に、そこへOH土田が単身抜け出して、右クロス。フリーでボレーを放った永瀬のシュートミスに救われたが、集中力の散漫さを責められるべき。このプレーでCB村越が痛み、10人で守る清水は井上のドリブルに対し、守備に戻った真希がたまらずファウル。山口のFKは石垣が跳ね返すが、クリアを拾われると、二次攻撃で森の突進を脆くも許し、PA内からシュートを放たれるが、これもGK風間が見事に防いでみせた。
だが、いつ失点しても分からないような状況で、清水の方が得点してしまうのだから、サッカーとは不思議なものである。30分、村越のロングフィードのDFクリアを桑卓が拾い、岡村が真司とのワンツーで抜け出して左クロスを送ると、ニアに石垣がヘッド。これは左に外れたが、31分、中に入った真希が右斜めに捌いたボールに対し、真司がウェーブの動きで上手く抜け出してPA右横を縦に抜けるや、斜め後ろ内側に戻す。そこに上埜が飛び出してきて、PA直前から右足シュート。これはGK渋谷が反応したが、弾いたボールを岡村がダイレクトボレーでネットに突き刺し、清水が先制する。1−0。 得点後も、桐蔭が攻勢。最終ラインが低いままで、バイタルエリアが空き気味なのが心配ではあったが、ほぼ問題なく前半を折り返す。唯一の被決定機は、40分にCB佐野がFW山口?に競り負けてバックヘッドでロングボールを逸らされると、桑卓のカバーリングが悪く、土田に独走されてPA内からシュートを撃たれた場面 (GK風間がセーヴ)。先制して、意図的に相手に攻めさせているのなら構わないのだが、それにしては終了間際になんでもない相手の攻撃をCKにしてしまうなど、集中力が途切れがちなのが目に付いた。
桐蔭学園 清水エスパルス 9(6) シュート 4(2) ×石垣、×石垣、○上埜、◎岡村 3(1) 右クロス 5(1) ×真希、×真司、○真司、×真希、×桑彬 1(0) 左クロス 2(0) ×岡村、×岡村 3(1) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 1(−) ・石垣 9(0) ファウル 4(1) ・石垣、×真希、・桑彬、・真司
[後半] 後半も桐蔭の攻勢は続くが、最終ラインの位置が低い清水は、良くも悪くもPA周辺で人数を掛けて守れており、チャンスもないが大きなピンチもない状態が続いた。ところが、12分、自陣深くでの桑彬のスローインに対し、石垣がヘッドで後ろに戻し、これが相手に奪われるという不味い選択。途中交代のFW鈴木謙の左クロスをファーで桑卓が、続けて村越がクリアして桐蔭の左CKとなる。山口のキックは直接GK風間がキャッチするが、左に開いた桑卓にスローすると、周囲が全くパスを受ける準備をしておらず、桑卓は結局クリアせざるを得ない。こうして桐蔭のスローインとなると、縦に走りながら受けた井上がボールを浮かせ、岡村と桑卓の2枚を簡単に突破。佐野を釣り出して上げた右クロスに対し、ファーで永瀬がゴール左上隅へのコントロールヘッドを決め、桐蔭が同点に追いつく。1−1。集中力の欠いたプレーが、3度続いての失点だった。
攻めなければいけなくなった清水だが、守りに入った気持ちをそうは切り替えられず、依然、桐蔭の攻勢を許す。それどころか、19分に村越、25分に真司、30分に上埜が足を攣って次々と退場、交代までの間は10人で戦うことになり、リズムを掴むことができない。ただ、交代投入された選手の出来が良く、特に岩本が入って全員1年生となった最終ラインは、同じく1年生のボランチ池田と共に有機的に連動したチャレンジ&カバーを見せる。運動量の衰えてきた桐蔭に前半のようなポストプレーを許さず、単発のミドルシュート程度に抑え込んだ。 試合の流れを変えたのは、やはり主将の枝村。27分、親友真司と交代で登場すると、走る味方の少しずつ先にパスを出して、積極性を引き出していく。同期の岡村が疲労の極限に達し、そのパスに応えられなかったのは残念だったが (交代枠3人のため交代できず)、ならばと右の悠輔を軸に攻撃を組み立てていく。チームが疲労に足を絡まれたような状況の中、2日前の仙台カップでU-18代表として90分間出場し、序盤から非常に動きが重かった真希が、ここにきて真価を発揮。悠輔投入と共にポジチョンを中央に移すと、柔の枝村に補完されてその直線的な破壊力を見せつける。 32分、枝村が桐蔭CB小川のファウルを誘って得たFKから、真希がようやく後半初シュート (枠外)。35分、池田の縦パスに枝村が左に流れながら受けると、クロスと思わせて独特の切り返しでPA内に侵入、小さく戻したボールに石垣がシュートを放つが、ニアに外れる。36分、右に開いた岩本のロングフィードを真希が受けると、枝村との鮮やかなワンツーで縦に突破、更に左前へ流すと死力を尽くした岡村が飛び出し、綺麗な左クロスがGKの上を越える。ファーに飛び込んだ枝村が放ったヘッドは、…ゴール右上を舐めるように外れていった。枝村は39分にも、桑卓にワンツーを返すと見せて、左足でファー上隅を狙うテクニカルなシュートを放ったが、枠を捉えない。
だが、いつ得点しても分からないような状況で、清水の方が失点してしまうのだから、サッカーとは不思議なものである。39分、桐蔭、センターライン付近から左SB滝澤?が、鮮やかなダイレクト40Mサイドチェンジを送る。清水陣内右奥に飛び出した鈴木謙?がこれに追いついてPA右角付近に戻すと、受けた井上に対して佐野と池田の2人が対応。守りきったかに見えたが、井上が強引に左足でファーを狙ったシュートは、DFの肩に当たって変な回転をし、ゴールニア上隅に決まった。1−2。前半の見事な桐蔭の攻撃をシャットアウトしながら、優勢の終盤にアンラッキーショットを決められる、これがサッカー (This is Football) なのだろう。 その後も、真希がドリブルで最終ラインを突破してPA内に侵入したり、枝村のスルーパスで右サイドを崩したり、桑卓のスルーパスで真希が左サイドを崩したり、清水の攻勢は続いたが、集中力を高めた桐蔭にシュートを許されず、タイムアップ。90分間全体の試合内容からは妥当な結果だが、枝村投入後は完全に押していただけに、無念さが残る。グループ1位とグループ2位の上位2チームしか決勝ラウンドに進めない今年の高円宮杯、非常に厳しい状況に追い込まれた。
桐蔭学園 清水エスパルス 5(3) シュート 4(0) ×真希、×石垣、×枝村、×枝村 4(2) 右クロス 3(0) ×悠輔、×真希、×枝村 4(0) 左クロス 2(1) ○岡村、×真希 1(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 1(−) ・真司 6(2) ファウル 8(1) ・真司、・村越、・石垣、・岡村、・桑彬、・枝村、・枝村、×岩本
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−2 桐蔭学園高校 得点:前半31分:清水・岡村総一郎 ※シュートリバウンド 後半14分:桐蔭・永瀬 広記 (井上 渉 ・右クロス) 後半39分:桐蔭・井上 渉 (鈴木 健介・ポストプレー) 警告:後半41分:清水・枝村 匠馬 (反スポーツ的行為?)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●佐野 克彦 (1年・CB) 1対1の対応では、非常に高いレベルにある。流れの中で村越とは動きが重なる場面も多かったが、同期の岩本投入後はスムーズな役割分担を見せ、積極的に前でチャレンジする岩本の裏を、スピードを活かしてカバーしていた。
[私撰MIP] ●桑原 彬 (1年・右SB) 夏休みに最も伸びた選手だろう。平塚 (ジュビロ浜北→清水商) のような直線的なドリブラーに脆かった桑彬だが、この日は前半に一度突破を許したものの、体を張った守備を見せていた。岩本のチャレンジに対するカバーも良し。
●鈴木 真司 (3年・FW) 昨年の高円宮杯でもそうだが、大きな大会になればばるほど、真司の「ズルさ」が真価を発揮する。得意のドリブル、こぼれ球に対する抜け目ないポジション、挙げ句には自陣でのヒールでのクリア…、昇格に際して評価の難しい選手だ。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 井上 渉 (3年・OMF): 右足は玩具だが、展開に変化を付けられる左足は、労働者の多い桐蔭の中で、貴重な存在。 森 英次郎 (3年・右SB): よく体を張り、よく走り、よく戦う、高校チームの典型的なSB。Fマリノス出身だけど。
04年9月25日 (土) 13:15開始 西目サッカー場 高円宮杯 第15回全日本ユース (U-18) サッカー選手権大会 1次ラウンド 青森山田高校 対 東福岡高校 ※45分ハーフ
青森山田高校: 東福岡高校: −−−−−− レオナルド −−−−−− −−−−−−−−葛城−−−−−−−− −−−−−−小寺−−小澤−−−−−− −−伊藤−−野内−−棚橋− 木佐木 − −−−−櫛引−−丸山−−仲谷−−−− −−−−−−−−長友−−−−−−−− − 那須川 −橋本−−鈴木−−板垣−− −−米田−−近藤−− 藤 −−砂田−− −−−−−−−−三浦−−−−−−−− −−−−−−−−坂本−−−−−−−− 交代:後半10分:丸山→伊東 (※) 交代:後半31分:棚橋→大山 後半25分:レオナルド→フランク (小澤FW) 後半39分:伊藤→篠原
※5-1-2-2に変更、仲谷を右SB、櫛引ワンボランチ、伊東をFW
前半09分、東福岡、クイックリスタートから右ウイング木佐木のクロスを、左ウイング伊藤がボレー、0−1 前半38分、東福岡、長友?のFKをフリーで近藤が脇腹で押し込む、0−2 後半18分、東福岡、またもクイックリスタートを決め、棚橋の折り返しをフリーで野内、0−3 後半20分、東福岡、またも裏に抜けた木佐木のクロスにGKがカブり、棚橋がGKを外して押し込む、0−4 後半28分、山田、小寺が右に捌いて仲谷が戻し、小寺が右45からミドル、1−4 後半35分、東福岡、葛城がヘッドで後ろに逸らし、野内が角度0からビューディフルゴール、1−5 後半37分、東福岡、伊藤のアーリー左クロスを、葛城が胸トラップでマークを外してゴール、1−6 後半44分、東福岡、クリアを葛城が競り勝つと、もう一枚DFを抜いて、飛び出してきた篠原へ。フリーで独走、1−7
青森山田高校 東福岡高校 6(5)/1(0) シュート 9(6)/17(10) 1(0)/0(0) 右クロス 3(2)/4(2) 0(0)/1(0) 左クロス 0(0)/1(1) 1(0)/0(0) 右側CK 2(0)/1(0) 0(0)/0(0) 左側CK 1(0)/1(0) 0(−)/0(−) 犯OS 3(−)/2(−) 11(1)/7(0) ファウル 5(0)/13(3) ※内側が前半/外側が後半の数字
青森山田高校 1−7 東福岡高校 警告:前半36分:山田・那須川将大 (ラフプレー)
[個人的好印象選手] 小寺・伊東 (青森山田) 、野内・近藤 (東福岡)
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