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2004年04月18日(日) 中日本スーパーリーグ U-17 浜名高校戦

04年4月18日11:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP
 中日本ユースサッカースーパーリーグ 第2回U-17大会 クループA
 対 浜名高校 ※40分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                終了直前:

−−−−−−町田−−長沢−−−−−− −−−−−−町田−−長沢−−−−−−

− 高野一 −−−−−−−−−小泉−− − 高野一 −−−−−−−−−小泉−−

−−−−−−神田−−柴田−−−−−− −−−−−−神田−−池田−−−−−−

−−谷野−−石垣−−池田− 桑原彬 − − 桑原卓 −谷野−−石垣− 桑原彬 −

−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−

交代:前半38分:柴田→桑原卓(池田をCH、谷野をCB、桑原卓を左SBに)

浜名高校:

−−−−−−10−−11−−−−−−

−−−−−−−−08−−−−−−−−

−−07−−06−−05−−−09−

−−−−03−−02−−04−−−−

−−−−−−−−01−−−−−−−−

交代:後半00分:07→13、後半08分:10→15、後半26分:05・08→16・17


▼試合展開

 試合開始前、怪我で離脱中の真希と村越がランニング。村越は怪我の具合を確かめながらといった感じだったが、真希はスピードを出しており、ボールを使った練習もしていた。それほど復帰に時間は掛からなそうだ。私は見ていないが、悠輔は観客席で患部をアイシングしながら、観戦していたそうだ。こちらは暫く無理そうか。岡村・風間・八木ら3年生の姿もあったが、U-17のカテゴリのためお休み。ベンチには桑原卓哉のみが座ることになった。渥美・竜男も別メニューだったのかな?(確認せず) しかし、昨日フル出場した美臣・岩本はともかく、5分弱しか出場しなかった佐野はどこに行ったかと思えば…(こちら)。
 さて、先発メンバーは、昨年のJrユース選手が11人中7人に名を連ねた。残り4人は、元U-15代表の岩本・佐野の代わりに石垣・谷野が、元U-14NTCの小出の代わりに高野一が入り、柴田は桑原卓と入れ替わりになった。選手相互の共通理解を考えれば、正直、去年のJrユースの方が強いかもしれない。特に最終ラインは石垣はともかく、前半は169cmの池田が、後半は170cmの谷野がCBを務める。また、石垣・池田は昨日90分走った上での連戦である。CHという運動量を求められるポジションにいた池田は、体力的に辛いだろう。

[前半]
 浜名は昨日のトップチームと同様、PA両横のスペースに蹴り込むサッカーを展開し、CKを奪う、あわよくば裏に抜けてクロスを入れる、悪くても相手の速攻を許さない。しかし、昨年Jrユースメンバーが7人並ぶ清水は、昨日と違い一定の共通理解ができており、5分には自陣で奪い返した桑卓が縦に一也を走らせ、一也はそのまま一気にPA内へカットイン。ゴールライン際から折り返すが、これはDFがクリア。続く柴田の左CKをファーで石垣が合わせたが、威力に欠けてGKがキャッチした。
 対する浜名は、清水のクリアミスがあると、遠い位置からでも積極的にシュートに行くが、精度が伴わない。10分には、ゴールキックを10番が池田の上から競り落とし、左に展開。7番が折り返すと、角度のない位置からPA内で8番がシュートを狙うも、直接ニアサイドネット。枠を捉えられない。12分の7番の左CKでは、4番が石垣の体を巧く利用して強ヘッドを放ったが、これも左に外れてしまった。
 浜名がサイドから仕掛けてくるため、どうしても同一サイドでの展開が多くなっていたが、徐々に浜名のプレスが弱まったことで、次第に起点が高くなっていく。16分には町田がフォアプレスで浜名DF4番?からボールを奪い、早いタイミングでループシュートを放ったが、枠の上に外れる。そして25分、石垣のヘディングクリアを柴田が拾い、谷野→石垣→桑彬と回してボールを落ち着かせると、フリーになった桑彬がお得意のバックスピンを掛けた縦フィード。スペースへの追い駆けっこなら絶対の自信を持つ小泉が、9番を振り切って静止したボールを拾い、直角方向転換。横に切れ込むと、立ち塞がる3番?の背後にボールをチョコンと左回りで押し出して、自らはゴールラインの外に出ながら右回りで抜け出し、鮮やかに抜き去ってみせた。最後は小さく斜めに折り返したクロスを、一也が一度ブロックされながら、粘って再度押し込み、先制点を奪う。1−0。
 待望の1点を奪い、勢いに乗る清水は、浜名の攻撃を、29分に9番が谷野を振りきりながら惜しい右クロスを入れた場面ぐらいで抑え込み、圧倒的に攻め立てる。


(空中戦最強・石垣 (中央)。26分のCKでもファーで折り返すことに成功するが、DFにクリアされる)

 33分、谷野が自陣で奪って前の一也にクサビ、一也も素早いタイミングで前に送り込むと、長沢が裏に抜けてシュートを放つが、GK正面。34分、町田が倒され、中央25Mの位置でFKを得ると、町田自ら弾丸シュートを放ったが、GK横っ飛びでCKにディフレクトする。昨日の浜名戦と違い、神田・長沢といった視野の広い選手が、巧みなキープから左右に散らすことで、浜名に攻撃の的を絞らせなかった。


(その34分、町田のFK。分かりづらいが中央・柴田の前で、ボールが壁の横を通り過ぎようとしている)

 ところが35分、ロングボールに対し池田が浜名10番に競り負けると、10番は左に展開。そこに11番が走り込むと同時に、トップ下の8番も加速。一方、清水はCBの池田が戻りきれず、石垣が一人取り残される格好で、最終ラインにギャップを生じさせていた。桑彬の裏を単独突破した11番のマイナスの折り返しに、PA中央・石垣の裏で8番がボレー。GK晃太、これに反応したのはさすがだが、弾き返せず、勢いのままボールはネットに突き刺さった。1−1。浜名、これが23分間ぶりのシュートであった。
 その後、35分、柴田に代えて桑卓を入れ、谷野がCB、池田がCH、桑卓が左SBにポジションチェンジ。これで私の観戦史上、谷野はCB・左右SB・CH・左右SH・FWの全ポジションを達成した! (拍手) しかし、再び清水が勢いを取り戻すことはできず、前半を折り返す。

浜名高       清水エスパルス
5(1) シュート 5(4) ○石垣、×町田、◎一也、○長沢、○町田
3(0) 右クロス 2(1) ×小泉、◎小泉
4(2) 左クロス 3(0) ×一也、×谷野、×一也
0(0) 右側CK 2(2) ○柴田、○柴田
3(2) 左側CK 1(1) ○柴田
1(−)  犯OS  3(−) ・長沢、・町田、・町田
5(1) ファウル 2(1) ・桑彬、×池田

[後半]
 嫌な感じで同点に追いつかれた清水だが、開始早々、決定機を作る。1分、左サイド奥に走った神田から、追いつめたDF2枚の間を通す針の目パス。一つインサイドで併走していた桑卓がクロスを入れ、ニアの町田が頭で合わせたが、枠の上に外れる。町田が惜しいシュートを放ったのは、これで通算3本目。まあ、シュートを撃ってリズムを作るタイプのFWではあるのだが。


(空中戦最強・石垣。後半5分のCKにも、敵と味方を潰してヘディングシュートを放つが、GK横っ飛びキャッチ)

 一方の浜名、長沢のファウルで中盤中央からのリスタート、9番が素早く右サイドに展開し、5番が一也を振り切って前へ。対応の遅れた桑卓の裏で11番が右クロスを送ると、谷野と石垣の間に8番が飛び込み、頭で合わせるが枠上。6分にも、昨日90分間走り回った疲弊の色が濃い池田がパスミス、8番?が素早く右に捌くと、9番がヘッド。これも決定的だったが、枠上に外れ、清水は相手のミスに助けられる。急造CBの谷野は石垣とチャレンジ&カバーの関係に欠け、要所でギャップを作っていた。
 11分、清水陣内で浜名がCHの池田にファウル。すると、後ろにいたCBの谷野が池田を追い越し、池田は素早く縦にリスタートする。走りながら受けた谷野はスピードに乗ると、更に縦へロビングで時間を稼ぐスルーパス。谷野と共に最終ラインから加速してきた桑卓が、谷野を追い越してパスを受け、フリーで精妙な左クロスを送る。待ち受けるのは、186cmの長沢、頭一つ抜け出したヘッドで叩き落とし、2−1。長沢が「高さ」で競り勝って得点したのは、実は筆者は初めて見た。彼は確実に成長している。

 12分、池田の速い右CKを、密集地から抜け出した町田がニアで逸らすが、右に外れる。これで町田、シュートミス4本目。とはいえ清水は、お疲れモードの池田の周囲を神田が豊富に動き回って、じわりじわりと浜名を押し込んだ。浜名は何度か縦に鋭い攻撃を見せたが、空中戦で石垣が完勝。地上戦では、谷野が当たって石垣がカバーする形が機能した。石垣は意外に線が細く (182cm/68kg)、去年は相手の圧力に負けて体を入れ替えられる場面もあったのだが、今日は何度も良いスクリーンアウトを見せていた。そして22分、町田のドリブルは跳ね返されたクリアボールを、桑卓が拾って再度突っ掛けようとしたところを倒され、左45度・距離30MからのFKとなる。蹴るのは池田。壁と密集地の間のスペースに巻いて落ちるボールを、素早く密集地から離れた町田がマークの5番を引き剥がして、ジャンピングヘッドで叩き落とす。ボールは右ポストに当たりながら、ゴールに吸い込まれた。3−1。


(3点目の場面。このボールは俺の物とばかりに、全力で食いつこうとする町田が素敵だ)

 これで完全に清水が主導権を握る。池田と神田を軸に残りの8人が大きな円を作る、去年のJrユースでよく見掛けた4−2−4状態。最終ラインの谷野が盛んにボランチと入れ替わるなど、互いに適切な距離を保って、流動性の高いサッカーを展開する。24分、一也のスルーパスに先に加速していた町田が抜け出し、ループシュートは枠上。26分、中央に寄ってきた一也からサイドチェンジ。小泉が受けて縦に刻んでから、斜め前に方向転換しPA内に切れ込む。すると、彼のドリブルの脅威に棒立ちになったDF2枚、その間に小さくスルーパス。スッと抜けた町田が、右足ダイレクトでファーへ綺麗に流し込み、試合をクローズした。4−1。
 その後も、2点を奪ってすっかり気を良くした町田を中心に、清水が浜名を圧倒。浜名の枠内シュートは結局、ゴールとなった1本のみであった。37分、スローインを受けた長沢が倒され、3点目と似た位置からFK。池田のキックに、今度は長沢が抜け出してボレーを放つがGKも反応、更に町田が詰めるが、右ポストを僅かに外れる。


(37分の長沢のジャンピングボレー。異様に広い長沢の間合いは、マークも付きづらい)

 39分には、町田の巧みなポストから小泉が抜け出し、相手と交錯しながら右クロス。長沢が突っ込んで混戦になり最後はクリアされるが、それを神田が左へ展開。今度は左から桑卓がクロスを入れるが、ファーに抜けた。その後もまもなく、タイムアップ。岩本・佐野の昨年Jrユースの2枚看板が抜けた1年生主体のメンバーで、昨日のプリンス東海の不完全燃焼を吹き飛ばす完勝劇を果たした。

浜名高       清水エスパルス
5(0) シュート 11(6) ×町田、○石垣、◎長沢、×町田、×神田、◎町田、×町田、◎町田
               ○小泉、○長沢、×長沢
4(2) 右クロス 5(2) ○桑彬、×神田、×池田、×小泉、○小泉
0(0) 左クロス 5(2) ○桑卓、◎桑卓、×一也、×桑卓、×桑卓
0(0) 右側CK 3(1) ○池田、×池田、○池田
0(0) 左側CK 1(1) ○池田
0(−)  犯OS  1(0) ・町田
6(2) ファウル 6(0) ・小泉、・池田、・長沢、・桑彬、・長沢、・池田


▼試合結果

清水エスパルスユース 4−1 浜名高校
 得点:前半25分:清水・高野一也(小泉慶治・右クロス)
    前半35分:浜名・08番 (11番左クロス)
    後半11分:清水・長沢駿 (桑原卓哉・左クロス)
    後半22分:清水・町田朋弥(池田康彦・FK)
    後半26分:清水・町田朋弥(小泉慶治・スルーパス)

▼選手寸評

[私撰MVP]
●小泉慶治 (1年・右SH)
 スペースが無ければ自らフェイントで仕掛け、あれば積極的に飛び出し、パスを呼び込む。スペースが無い状況で相手を抜き去るアジリティとボールとの一体感は圧巻で、相手のレベルを考える必要があるが、ユースでこれができる選手は太田以来だ。クロス以外にも、ドリブル後の選択肢が豊富なのもいい感じ。

[私撰MIP]
●石垣勝矢 (2年・CB)
 誇張でなく空中戦最強。縦へのロングボールなど単純な競り合いなら、全く負けなかったのではないか。怪しい場面もないわけではないが、スクリーンでの力の入れ方とか、ダイレクトで低いボールを捌いてみたりとか、課題と言えるプレーに積極的に取り組んでいたのも好印象。

●町田朋弥 (1年・FW)
 正直、あと1、2点は獲れたが、エースの仕事は果たした。「FORWARD」のセンスに特出したとってもストライカーで、ひたすら前へ前へ、誰よりも早くベストポジションに走り込む。なにしろ、昨日から132分でオフサイドは5つ。しかし、掴んだ一瞬をダイレクトで決める技術はさすが。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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