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2004年04月17日(土) プリンス東海 浜名高校戦+JY: 掛川戦 (3年、2年、1年)

04年4月17日14:15開始 静岡市営清水総合運動場陸上競技場
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第1節
 対 浜名高校 ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                終了直前:

−−−−− 鈴木真 −町田−−−−−− −−−−− 鈴木真 −長沢−−−−−−

−−岡村−−−−−−−−− 高野一 − − 佐野克 −−−−−−−−−小泉−−

−−−−−−枝村−−池田−−−−−− −−−−−−谷野−−池田−−−−−−

− 桑原卓 −岩本−−石垣− 高野美 − −−岡村−−岩本−−石垣− 高野美 −

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−

交代:前半30分:枝村 →谷野 (そのままCHに)
   後半07分:高野一→小泉 (そのまま右SHに)
        町田 →長沢 (そのままFWに)
   後半42分:桑原卓→佐野克(岡村を左SB、佐野克を左SHに)

浜名高校:

−−−−−−藤田− 諏訪園 −−−−−

−−茗荷−−−−佐藤−−−−−−−−

−−−−−−−−松本−− 鈴木陽 −−

−−川合−−倉橋−−平山−−村上−−

−−−−−−−−大島−−−−−−−−  交代:後半34分:鈴木陽→18


▼試合展開

 プリンス東海開幕。筆者の考えるベストメンバーから、6人(GK前田、DF村越、MF小泉・真希、FW悠輔・長沢)が欠ける布陣となった。小泉・長沢は築館監督の選択によるものだが、現在、怪我人が続出しているのも事実。前田・雄也・望月・小出は暫く試合から遠ざかっており、更にここ半月ほどで新たに、村越・真希・上埜・悠輔が怪我人リストに加わって、所属選手30人中8人が抜ける野戦病院状態である。しかも、佐野・池田・神田・真司は2週間強前の富山一高戦で、山崎晃は先週の藤枝東戦で復活したばかり、枝村は、この試合が復帰戦。率直に言って、激しいプレーが信条の浜名は、今の状態で当たりたい相手ではなかった。

[前半]
 試合開始早々、右SH一也から高速クロス。競り合いの中、こぼれたボールに池田が飛び込むがDFがブロック。更にPA手前から枝村の復帰シュートは、ゴール右に外れたが、開幕戦らしい慌ただしい幕開けとなった。初出場の浜名、主将復帰戦で1年生も多い清水、双方に固さが見られる中、1分、浜名10番に対する池田のファウルも、冷静な彼らしくないものだった。左45度距離25M、GK風間はファーのコースを壁で切ると、ニアを狙った9番の弾丸シュートも、落ち着いて狙い通りのパンチング。壁の作り方で浩太と喧嘩してた2年前が、思い出された。
 双方に好機はあったが、固さはまだほぐれない。4分、右スローインを受けた町田がDFを背負った状態から、反転しつつロビングで右クロス。それをPA内で岡村が頭で落とすと、そこにまたも枝村。至近距離でのシュートは、しかしDFのタックルが入り、威力なくGKが抑える。が、ここで緊急事態発生。交錯した際に足が入ったか、枝村は外に出て治療。再びフィールドに戻るが、とにかく走れない、競り合えない、強いボールも蹴れない。高円宮杯の東福岡戦で足を攣りながらプレーした時より、更に酷い状況である。セットプレーでもキッカーにもらず、接触プレーとなるポジションにも入らない。それでもプレーを続けたのは、彼の責任感の為せる業だったのだろうか。

 しかし、実質的に一人欠いた状況下では、浜名に主導権を引き渡すのも必然であった。ただ、そんな状態で13分、オフサイドにはなったが、僅かなスペースで町田にスルーパスを通すなど、枝村は存在感を示す。その直後の14分、浜名の右CKをニアでキャッチしたGK風間に、浜名・平山が激突。風間も治療を受けて試合が中断する。何とも言えない雰囲気の中で再開した17分、浜名右SB村上のクロスにファーで諏訪園のボレーは枠上、18分、池田のファウルから素早く再開して9番のミドルはGK、依然として浜名ペースが続く。それでも22分、粘った池田が枝村に渡すと、枝村はワントラップでマークを引き剥がしてサイドチェンジ、右SB美臣がパスに導かれるように攻め上がり、アーリークロスを真司が「何か」しようとしたが、タッチが大きすぎてGKに拾われる。パス出し地蔵に過ぎない枝村が、好機を演出する。
 そんな枝村、守備では貢献できない。23分、中盤中央で浜名9番のドリブルに併走するが、全く競り合えず、左に叩かれて松本のクロスに、石垣と岩本の間に入った諏訪園がフリーでヘッド。が、右に大きく外れる。動けない枝村は、なおも24分、FKを誘う真司のドリブルを導く縦パスを通すなど (FKは真司が直接狙うも枠上)、自分のできる範囲で試合に貢献していたが、30分、浜名10番の反則タックルを受けた時点で、遂に限界に。自ら手で×を作って交代を申し出て、キャプテンマークを真司に譲り、ピッチを後にした。客観的に見れば4分に痛んだ際に代わるべきだったと思うが、主将として、枝村の根性を見られた26分間だった。また、一人で中盤底のフィルター役を果たし、浜名の中央突破をほぼ抑えていた池田も、賞賛に値するだろう。
 とはいえ枝村は、攻撃の演出者である。ただでさえ、GK前田−DF村越−MF真希−FW悠輔のセンターラインが抜けた今日のチームにおいて、全てを委ねられる選手であった。これだけの存在がいなくなれば、攻撃の組み立て方を考え直す必要もあるし、心理面に動揺も見られる。自陣ゴールに最も遠い相手PAの両横のスペースにロングボールを蹴り込み、選手を走らせる、そんなシンプルな浜名の攻撃に対し、清水はそこから繋ぐ意志統一に欠け、4つのCKを提供する。だが、浜名の方もミスが余りに多く、GK風間を脅かすことができない。逆に37分、真司のドリブルを浜名8番が止め、距離35M・左60度からのFKを池田が蹴ると、速いボールをニアで谷野が僅かに合わせ、石垣もそれに詰めたが、ボールはポストを直撃。結局、両者決定機と言えるのはこの程度で、前半を折り返すことになった。

浜名高       清水エスパルス
5(1) シュート 5(2) ×枝村、○枝村、×真司、○池田、×谷野
3(1) 右クロス 4(2) ×一也、○町田、○美臣、×一也
6(2) 左クロス 1(0) ×真司
6(1) 右側CK 0(0)
2(0) 左側CK 1(0) ×真司
1(−)  犯OS  4(−) ・町田、・町田、・町田、・町田
7(3) ファウル 6(2) ×池田、・岩本、・美臣、×美臣、・池田、・町田

[後半]
 後半開始早々1分、今度は浜名にビッグチャンス。強風を避けるためか、低い軌跡を描いた風間のゴールキックを高い位置で奪うと、潰そうと前に出た岩本を振り切ってサイドに展開。右から8番がスペースに抜け出し、上げたクロスを石垣の前のスペースで諏訪園が頭で叩き付けたが、僅かに左へ外れた。岩本のポジショニングが既に、チームの生命線になっていることを象徴する場面であった。


(5分、左CKのチャンスにも、谷野 (中央) がファウルの判定を受ける)

 その後は浜名9番のミドルが1本あった程度で無為に時間が過ぎていくが、7分、築館監督が動く。町田・一也に代えて長沢・小泉。これで清水は、本来のセンターラインに代わり、昨年Jrユースのセンターライン(岩本−池田−長沢)が築かれ、どうにか1本、軸が縦に通ることになった。岩本・池田が素早く長沢のポストを狙うという明確なコンセプトが生まれたことで、攻撃に意図が見受けられるようになる。
 まず11分、右から切れ込んだ小泉が後ろに戻し、谷野が再び右に叩いて美臣がクロスを入れると、PA内ファーで岡村がダイレクトで折り返すが、DFクリア。続けて17分、桑卓の縦フィードを長沢がダイレクトで裏に落とし、走り込んだ真司が更に前へパス、そして岡村が左サイドを抉る。上げた左クロスはファーに流れるが、美臣がフォローして右クロス、長沢が合わせるも最後はDFにクリアされる。19分にも、谷野の叩いたボールを美臣が右アーリークロスを送り込むと、ゴール直前で真司が頭で合わせたが、僅かに上に外れた。

 浜名は中央のスペースを岩本と池田に完全に塞がれ、難度の高いミドルとボレーを放つのみ。その積極性は評価できるが、GK風間を脅かすことはなかった。それでも前半同様、ひたすらPAの横のスペースを狙う攻撃は、そこで奪い返しても清水が素早い展開を仕掛けられないという点で、ボディーブローのような効果があった (昔、同じようなコンセプトのJ1監督が、清水 (と柏) にいたなあ)。前半、枝村のカバーに縦横無尽の働きを見せた池田の疲労もあって、自陣PAの横から前線までの長い距離を繋げなくなり、徐々に清水も攻撃を創れなくなっていく。
 最後の15分間は、0−0というスコアが一定の緊張感を与えていたのみで、試合内容としては実に凡庸なものであった。まだ無茶でもシュートを撃とうという意識があった浜名の方が、見られる内容だっただろうか。清水の方は、43分に岡村のダイアゴナルフィードでサイドを突破した小泉が右CKを掴むと、岡村のキックに対してニアで合わせた真司のヘッドが、枠の上に外れた程度。そのまま勝点1ずつを分け合った。


(37分、谷野のファウルで得たFKに中央で合わせようとする浜名選手。9番のヘッドは枠上に)

 試合後、枝村が悔しさを滲ませる一方で、浜名の選手は笑顔に包まれたが、どちらかと言えば、このメンバーでよくも清水が勝点1を奪えたものだ。だが、怪我人はすぐには戻ってこない。自ら歩いてピッチから出て、試合後のインタビューも受けていた枝村に大事ないことを祈りたいが、緊急事態に早くも去年のJrユース選手が主力になりそうな勢いである。

浜名高       清水エスパルス
9(2) シュート 2(0) ×真司、×真司
2(1) 右クロス 4(3) ○美臣、○美臣、○美臣、×美臣
4(0) 左クロス 5(0) ×岡村、×岡村、×岡村、×佐野、×谷野
1(0) 右側CK 1(1) ○岡村
0(0) 左側CK 1(0) ×池田
1(−)  犯OS  1(−) ・岡村
7(0) ファウル 8(1) ・谷野、・池田、・池田、・長沢、・池田、×谷野、・小泉、・岡村


(試合後、落胆の色を隠せない清水イレブン。しかし、1年生主体のメンバーでも高校生の当たりに怯まなかった)



▼試合結果

清水エスパルスユース 0−0 浜名高校
 警告:前半24分:浜名・04番  (ラフプレー)
    後半08分:浜名・09番  (反スポーツ的行為)
    後半28分:清水・長沢 駿 (ラフプレー)
    後半39分:浜名・18番  (ラフプレー)
    後半42分:清水・岡村総一郎(ラフプレー)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●岩本大 (1年・CB)
 新高校生になって半月で、守備の要となった。そのコーチングと自らのポジショニングでラインを巧みに操り、清水フェスで出血大サービスしていた裏のスペースを与えず。自らも空中戦で及第点、地上戦では数々のドリブル阻止とシュートブロックを記録。攻めては、得意のダイレクトロングフィードも健在だった。

[私撰MIP]
●高野美臣 (2年・右SB)
 冷静な判断と熱い闘争心を併せ持つ彼だが、今日は的確なポジショニングが光った。空中戦最強・石垣は盛んに前に出てエアバトルを繰り返したが、そのこぼれ球を岩本と共にフォロー。攻めては来てほしいタイミングで攻撃参加しては、精妙なクロスで決定機を演出した。

●池田康彦 (1年・CH)
 清水のマケレレは、今日も凄まじい運動量と当たりを厭わぬ闘志で、中盤の底に蓋をした。さすがに高校生相手に体格で遅れをとる場面もあったが、サイドまで幅広くカバーする動きは圧巻。それでいて2度の決定機にも絡んでおり、戦略眼の確かさとキックの質の高さを伺わせた。

[個人的好印象選手(相手方)]
 村上翔太 (3年・右SB): 守っては真司のドリブルを封印。機を見て攻め上がる運動量も見事だった。
 松本征也 (3年・ボランチ): 競り合いと精力的な動きで起点を作らせず、ワンボランチの任を果たす。


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練習試合 対 ヤマハジュビロ掛川 (3年) ※30分×3

1本目:               2本目:               3本目:
−−−−−−山口−−佐藤−−−−−− −−−−−−山口−−佐藤−−−−−− −−−−−−古牧−−佐藤−−−−−−
−−−−−−− 滝戸諒 −−−−−−− −−−−−−− 滝戸諒 −−−−−−− −−−−−−−−小澤−−−−−−−−
− 岩崎真 −石垣−−庄司−−田村−− − 岩崎真 −石垣−−庄司−−田村−− −−小嶋−−平井−−庄司− 桑原尚 −
−−−−鍋田−−川端−−小関−−−− −−−−鍋田−−川端−−小関−−−− −−− 佐野将 −川端−−奥山−−−−
−−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−伊原−−−−−−−− −−−−−−−−伊原−−−−−−−−
                                      交代:17分:川端・庄司・桑原尚
                                            →小関・石垣・田村

1本目18分・掛川、7番のサイドチェンジサイドから11番が田村を振り切り、右・中CB2枚の間に斜めに侵入してミドル、0−1。
1本目28分・清水、石垣のパスを受けた庄司が急加速、重戦車ドリブルでマークを引き剥がし、最終ライン前で弾丸ミドル。1−1。
2本目01分・清水、PA右角から侵入した庄司を阻んだのは、味方の田村。横から掻っ攫ったがままにファーへ流し込み、2−1。
2本目17分・掛川、清水RB小関の縦パスが5番に引っ掛かると、そのまま5番自ら小関を抜き去って、ニアに叩き込む。2−2。
3本目06分・清水、左サイドからPA左角へとドリブルしたFW佐藤が、そこでターンしながらコースを作ってシュート。3−2。


清水エスパルスJrユース (3年) 3−2 ヤマハジュビロ掛川 (3年)

[個人的好印象選手]
●庄司 悦大 (CH): 競り合いの強さと爆発力が吉崎っぽい。大きい展開を意識してるが、同程度のサイズの相手にどこまでできるか。
●石垣 亮 (CH): 小柄ながら物凄い運動量で、文字通り縦横無尽に動き回った。パス出しの判断も速い。庄司と良い補完関係にある。
●鍋田 圭吾 (左CB): 丹念な潰しが印象的。スペースマーキングに優れ、同時に1対1でも素早く確実に相手を潰している。


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練習試合 対 ヤマハジュビロ掛川 (2年) ※25分×2

1本目:               2本目:
−−−−−−高橋−−池上−−−−−− −−−−−−高橋−−前田−−−−−−
− 佐野傑 −−−−−−−−−吉川−− − 杉山一 −−−−−−−− 佐野孝 −
−−−−− 杉山一−望月卓 −−−−− −−−−−−横山−−深澤−−−−−−
−−曽根− 望月恭−岩崎広 −狩野−− −−曽根− 岩崎広 −狩野− 加瀬澤 −
−−−−−−−−柴田−−−−−−−− −−−−−−−−柴田−−−−−−−−

1本目08分・掛川、ロングボールを広く空いたバイタルエリアで受けた8番、最終ラインの間を簡単に抜け、最後はループ。0−1。
2本目17分・清水、横山のアーリークロスをGKがキャッチミス、拾った前田がコネてコネて振り向き、ファーに流し込む。1−1。
2本目23分・清水、加瀬澤の縦パスを佐野孝がワンツーを返さずに単独突破、急加速から強引にPA内でドリブルシュート。2−1。

清水エスパルスJrユース (2年) 2−1 ヤマハジュビロ掛川 (2年)

[個人的好印象選手]
●佐野 孝洋 (右SH): 加速度と最高速度の双方に秀でた、反則的なF-ZEROマシン。でも、操作性は上級者向けっぽい(笑)。
●横山 翔太 (CH): 潰し・溜め・捌きといった、ボランチの基本動作の完成度が高い。池田康彦に近いが、もっと荒削り。


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練習試合 対 ヤマハジュビロ掛川 (1年) ※25分×?

−−−−−−−−04櫻井−−−14鍋田−−−−−−−−
−−08本川−−−−−−−−−−−−−−−10加藤−−
−−−−−−−−17植野−−−07青木−−−−−−−−
−−13荒井−−−03小澤−−−02山崎−−−06滝戸−−
−−−−−−−−−−−01水野−−−−−−−−−−− 
※選手名は推測

1本目01分・清水、フォアプレスから加藤が青木とのワンツーでPA内に侵入すると、早いタイミングでファーに流し込む。1−0。

清水エスパルスJrユース (1年) 1−0 ヤマハジュビロ掛川 (1年) (1本目終了)

[個人的好印象選手]
●加藤 喬大 (右SH): 足が速く、判断も速い。そのためキレがある。焼津出身ながら、既に静岡・清水中心のチームに馴染んでいた。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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