2003年11月03日(月) |
Jユース杯 予選リーグ 横浜F・マリノス戦(H) |
03年11月03日14:00開始 静岡市清水蛇塚スポーツグラウンド 第11回Jユースカップ2003 Jリーグユース選手権大会 対 横浜F・マリノスユース(H) ※45分ハーフ
▼布陣 −−−−−−阿部− 篠田悠 −−−−−
− 鈴木真 −−−−−−−−−上埜−−
−−−−−−大瀧−−枝村−−−−−−
−−岡村−−村越−−石垣−−森安−−
−−−−−−− 山本海 −−−−−−−
交代:後半17分:上埜→八木(篠田悠を右MF、真司をFW、八木を左MFへ)
横浜F・マリノスユース:
−−−−−−村岡−−荒井−−−−−−
−−−−坂井−−−−−−鈴木−−−−
−−−−−−三浦−−谷口−−−−−−
−−田中− 加藤広 −今田−−天野−−
−−−−−−−−飯倉−−−−−−−−
交代:後半17分:村岡→岩田、後半37分:荒井→佐藤
▼試合展開 雨×蜘蛛×蛇塚 いや、クモとか文字を見るのも嫌な人がいたら、ご免なさい。でも、デカイ、デカイっスよ、蛇塚のクモ。写真に撮って、このHPにUPしようとも思ったが、さすがにそれはグロ画像になりそうで、やめた(笑)。某T氏のご厚意で、車での到着。相変わらずの坂道を山登りした先では、芝と管理棟は綺麗だが、周囲のネットとついでにゴールネットもクモの巣だらけだった。 トップの広島サテとの練習試合で三保が使われたため、蛇塚に変更。その処置自体に不満はないのだが、ならばトップと時間をズラしてくれれば、両方見られたのに…。最近はJリーグの後座にJユースカップの試合をやるようなクラブもあるというのに、どうもウチのクラブはズレている。そのトップだが、4−1で快勝!という声もあったようだが、高2の高柳にミドルを決められたのは、憂慮すべき事態だと思うぞ。
(ここは、どこの秘境ですか?)
清水は、湘南戦後半6分以降の布陣を、そのまま適用。ううむ、中1日の試合なだけに、少しは変更してくるかと思ったのだが。ここは選手の若さに期待しよう。継続して起用されないと、見えてこないものもあるし。真希が帰ってくる前の最後の試合、Jユースカップから使われるようになった、石垣・悠輔・上埜・岡村といった下級生の頑張りに注目。 一方の横浜は、3試合を終えて2分1敗と非常に厳しい状況に追い込まれている。とはいえ、柏との1分1敗は主力9人を国体の事前準備に送り込んだ結果であり、湘南との1分も怪我人の多さに泣かされたもの。この日は怪我から元U-17日本代表の鈴木に、元U-16代表で国体優勝GKの飯倉も復活し、ボランチに唯一の1年生である三浦が抜擢された他は、ベストメンバーとなった。谷口が復活した分、広島を最後まで追い込んで、結局ベスト4となったクラブ選手権より、強力な陣容になったかもしれない。
(選手入場。両チームに一人ずつ、遠近感を狂わす輩がいますな。共に鶴見よりデカイ)
[前半] 事前の展望記事で、筆者はこう書いたものだ。「似通った相手なだけに、むしろ異なる部分=自分たちの特長を出せた方が勝つだろう。清水の場合は、やはりサイドの攻防において上回りたいところだ」 開始1分、早速ロングFKから193cm加藤広が頭でオープニングシュートを放ったものの、その後は潰し合いを経て、左サイドの高速2年生コンビが徐々に主導権を掴み出す。 4分、早くも真司が左から切れ込んでシュート体勢!は、今田のブロックに阻まれたが、フォローした大瀧が左クロス、阿部が足下で受けて後ろに戻したが、これは枝村に合わず。しかし、9分、枝村のスルーパスからまたも真司が左サイドを切り刻み、角度のない位置からシュートを狙うが、GK飯倉が弾き返す。それを大瀧がフォロー。柔らかい左クロスを送り込むと、競った阿部が小さく右に落としたところに悠輔、頭上のボールに右足を高く上げ、やや内角をねらい えぐりこむように打つべし! アクロバティックな体勢から放ったと思えない、シャープなシュートがゴール左を襲ったが、飯倉が素晴らしい反応でこれを抑えた。続く10分にも、枝村が奪取からスルーパス、またまた真司が左サイドに抜け出し、左クロスを阿部が再度左に叩いて、真司の左クロスリピートにニアの大瀧が左足ボレー。しかし、左に外れた。 14分、クリアを悠輔が奪って二次攻撃、小さく叩いて大瀧のミドルはDFがブロックするが、高く弾んだボールを枝村が身長を利用して抑え、左にチェンジサイドすると真司がダイレクトクロス。GK飯倉、意表を突かれフィスティングをミスするが、清水FWが詰め切れず。更に18分、真司のパスから阿部が突破、加藤広のファウルを誘うと、PA左角35Mから枝村が直接狙うが、ファーの上角を正確に突いたシュートをGK飯倉ディフレクト。24分にも悠輔の突破を今田が倒し、ハーフラインから村越のFKに阿部が頭で合わせたが、これも飯倉が抑える。続く大瀧の左CKは森安が中央、頭で流し、ファーの石垣がボレー狙うが枠の左。とはいえ、清水は真司を軸に、ドリブルとダイレクトパスを交えたテンポの速いサッカーで、横浜の応対を後付けにしていた。 更に攻める清水は27分、左サイドから突破を仕掛けた真司が、DFの対応を見て反転、ボールを戻すと、受けた大瀧からサイドを疾走する岡村へとスルーパス。岡村の左クロスは今田に跳ね返されるが、大瀧が素早くフォロー、小さく真司に預けたつもりが、PA外・左45度30Mから鮮烈なミドル。観衆の度肝を抜く猛烈な弾道だったが、ファー上角の狙いにGK飯倉が反応、ディフレクトして逃れる。
横浜は28分に一瞬の隙、裏を狙ったスローインに村越がボールが滑ったか、キックミスすると、荒井が拾って即シュート。だが、ニアポストに嫌われる。その後は清水が両サイドを使った攻撃を仕掛けていたが、31分。横浜は右に流れた村岡がドリブル突破を仕掛けるが、抜かれかけた岡村と真司が何とかスピードで追いつき、村岡はフォローする鈴木に戻す。半円状にパスが谷口を経由して坂井に渡ると、森安が対応。互いに間合いを探りながら、徐々に斜めに左外へ動いていたが、坂井は急加速で森安を一瞬外し、ゴール前を横切る速いクロスを送る。GK海人とCBは中央の荒井に釣られ、誰も触れずにファーに流れると、村岡がガラ空きのゴールに詰めて、横浜が先制する。0−1。ちなみにこれが、前半31分、初の横浜の枠内シュート。30分までは、シュート数7対3(枠内シュート数5対0)と圧倒していた清水、不意を突かれての失点だった。
試合再開、村越や岡村が後ろから、「(今までの展開を)続けていこう!」と声を掛ける。しかし、サッカーはそう簡単なものではない。事前の展望記事で、筆者はこうも書いている。「類似するシステムを採用し、実力も拮抗する相手だけに、中盤の主導権争いが鍵を握るだろう。予想される潰し合いに負ければ、一方的な試合もありうる」 波に乗る横浜は出足で完全に清水を上回り、圧倒的に攻勢。押し込まれた清水は、自然とロングボールが増えるが、空中戦の1対1で全く勝てない。そもそも身長で上回るのが、真司(169cm)−天野(165cm)の1カ所しかなく、中央での競り合いに悉く負けたのが痛かった。今更ながら、真希の不在を痛感させられる。 34分、悠輔のポストを強引に潰した谷口が中央突破、左に捌いて田中の角度30度35Mシュートはキレがあったが、GK海人。37分、鈴木が右コーナーフラッグ付近でキープし、CKを誘い出すと、キッカー田中の選択はショートコーナー。戻されたボールから右クロスを入れると、ゴールに向かって巻くボールをファーで加藤広が合わせ、ボールはネットに吸い込まれた。が、判定はオフサイド。39分、スルーパスで抜け出した村岡は海人の飛び出しが潰すが、続く左CKを加藤広が落とし、DFクリアを拾って今田のミドルは左に外れる。ここが勝負の時と、横浜監督・安達っあんと清水監督・築館っあんの大声が響き渡る中、横浜は41分に右、左とCKの好機を得るが、荒井が落としたボールに反応できない。ならばと43分、田中のシュートがDFのワンタッチあって、掴んだ右CK、今度は荒井が直接ヘディングシュートで狙ったが、GK海人がフィスティング。それを鈴木が後ろに戻し、誰か(…)がミドルで狙ったが、左に外れる。 その後、ロスタイムは殆どなく、命辛々折り返し。30分〜45分の15分間に、横浜からシュート9本(枠65本)、CK5本(成功4本)の猛攻を浴び、その間、清水には1本のシュートも、クロスも、CKも、オフサイドすら記録されなかった。
横浜FM 清水エスパルス 12(6) シュート 7(5) ○真司、○悠輔、×大瀧、○枝村、○阿部、○真司、×石垣 4(1) 右クロス 2(0) ×上埜、×上埜 4(0) 左クロス 8(4) ×真司、○大瀧、○大瀧、○真司、○真司、×真司、×岡村、×岡村 3(1) 右側CK 2(1) ×大瀧、○大瀧 3(3) 左側CK 0(0) 2(−) 犯OS 3(−) 阿部、真司、阿部 8(−) ファウル 10(−) 悠輔、村越、上埜、阿部、村越、悠輔、岡村、??、悠輔、阿部
[後半] ハーフタイムに何らかの対策が打たれるかと期待されたが、或いはベンチの思惑以上に横浜の圧力は強いのか、流れは全く変わらない。開始0分、FKから谷口に後半初シュートが記録されると、ワンタッチあって左CK。ファーに流れるが、これもワンタッチあって、横浜のスローインとなる。1分、素早く投げ入れた横浜、裏に天野が待って受けると、対応した村越に左と見せて右に切り返し、シュート。しかし、前に進んだため角度が消え、鋭いシュートはニアポストを直撃する。天野は続く2分にもオーバーラップから右クロスを送り、ニアで村岡が頭で擦らす、惜しい場面を作っている。 4分、荒井のスルーパスから、村岡が石垣に走り勝ってGKと1対1になるが、シュートはゴール右に外れる。焦りからか、それともとにかくシュートを打ってカウンターを食らわないようにとの思慮か、横浜はなにしろシュートが枠を捉えない。こうなると、攻め疲れが見え始めた横浜に隙が見え始め、8分に大瀧→阿部がヒールで戻して反転→大瀧がスルーパス→第三の動きの悠輔が抜け出す、という良い形を作りかけるが、GK飯倉が正しい判断で飛び出し、悠輔のファウルを誘って、これを潰した。だが、11分にも森安が粘って起点を作り、横に叩いて上埜が右クロス。阿部が競り合う飯倉の上からヘッドを叩き付けるが、勢いなく、カバーに入っていた天野がクリアした。後半10分までに横浜は8本のシュートを放ったのだが、全て枠を外している(つまり前半30分からの25分間で、シュート17本・枠内6)。
11分に村岡がイエロー、17分に両者一人ずつ選手交代があり、流れは徐々に変わっていく。横浜はプレーに精度がなくなり、プレスも弱まったことで、清水はグラウンダーのパスを繋げるようになり、中盤の支配を回復した。とはいえ、守勢の清水に疲れがなかったはずもなく、サイドのフリーランに乏しかった。そこで、枝村と阿部が積極的にサイドに流れ、どうにか試合を組み立てる。18分、村越の長いFKを受けた真司が溜め、左に流して阿部のミドルは大きく上に外れたが、21分には海人が蹴ったボールに阿部が下がってポストに入ると、余裕を持って左へと捌く。大瀧が更にサイドへ流すと、八木からの縦パスで真司がスピードに乗って、PA内に切れ込んでシュートを放ったが、読んだGK飯倉の飛び出し。24分には、悠輔の奪取から、ボールを受けた真司がボールに触れないマルセイユターンで前を向くと、その間に前へ出た枝村へ。阿部にスルーパスを送るが、惜しくもオフサイドの判定。 27分、スローインから悠輔を経由して真司がドリブルで切れ込むが、DFに弾き返される。だが、PA手前にこぼれたボールを石垣が前に出てフォロー、小癪なサイドステップで翻弄し、左に捌くと八木が左クロスを送ったが、これはファーに流れ、クリアが悠輔に当たって横浜のスローインに。28分、しかし、悠輔のチェックでルーズになったボールに反応した大瀧が、PA外ほぼ中央25Mから思い切り良くミドルを放つ。中央から右外に逃げる弾道は、GK飯倉の守備範囲、…に思われたが、加藤広の脇に当たって軌跡変更。飯倉の腕の届かない右サイドネットに突き刺さった。1−1。押し切れない清水だったが、幸運を味方にして試合を振り出しに戻す。
これで横浜も攻めに出ざるを得ない。29分に、天野のアーリークロスを村越が跳ね返すが、岩田が拾って鈴木を経由して戻したところ、谷口がミドルを放ったが、枠を外す。9分に谷口が40MのFKからヘッドを放って以来、実に20分ぶりのシュートだった。攻撃にリズムがあるのは、清水の方。31分、クリアを拾った八木のドリブルからパスが出て、真司が突っ込むが、GK飯倉のナイス飛び出しに阻まれる。38分には、悠輔から繋いで枝村が右サイドスペースを突破、斜めに送るスルーパスがゴール正面で阿部に通った、に思われたが判定はオフサイド。阿部は遅れて飛び出していたので、右に開いて待ち、パスが出た後はオンサイドに戻ろうとしていた真司が対象にされたとは思うが…。この間、激しいコーチング合戦を繰り広げていた両監督だが、横浜の安達監督はDFの佐藤を用意、今田をボランチに上げ、長身の谷口をFWに動かし、冷静にパワープレイ可能な布陣を築いていた。 41分、横浜FKの跳ね返しから速攻、八木→岡村→八木と渡って左サイドを突破し、左クロスがファーに流れたが、悠輔はボールをキープできない。疲れと焦り横浜の粘りで、良い形の一歩手前で潰される場面が続く。横浜は44分、シュートブロックから右CKのチャンスを掴み、田中のキックにファーで谷口が合わせたが、僅かに上。この時、時計は45分を回り、ロスタイムに突入した。 最後の攻撃を仕掛けたのは、横浜。前に入れ替わってPA内左に流れた今田だが、森安の対応を見て、後ろに戻す。そこに坂井、鋭く巻き込む左クロスを入れたが、途中で味方の谷口の側頭部に当たってしまう。これはアンラッキー、かと思いきや、再びPA内左の今田の元へ渡り、結果としてオッケー。今度はフリーの今田、左足で激しく回転するクロスを送ると、ファーポスト前で待つ岩田の顔面に直撃、これはアンラッキーと思いきや、上手くボールの勢いが殺されてネットに吸い込まれた。1−2。マリノスイレブンは法悦境、清水は意気沮喪。何故にサッカーの神様は、常に両者の対戦に、劇的な幕切れを用意しているのだろうか。ちなみにこれが、後半45分、初の横浜の枠内シュートであった。 その後、ロスタイムは20秒もなく、46分31秒にてタイムアップ。非常に痛い2敗目となった。真希が戻ってくる残り2試合、決勝トーナメント進出のために必要な勝点は、恐らく「6」である。
(ピンボケですいません。挨拶を早々に済ませ、ベンチに戻る選手。リベンジの機会は、1週間後だ!)
横浜FM 清水エスパルス 12(1) シュート 4(3) ○阿部、×阿部、○真司、◎大瀧 4(1) 右クロス 2(1) ○上埜、×大瀧 3(1) 左クロス 4(1) ×八木、×八木、○八木、×枝村 2(1) 右側CK 1(0) △大瀧 2(0) 左側CK 1(0) ×枝村 1(−) 犯OS 3(−) 阿部、阿部、真司 11(−) ファウル 8(−) 村越、森安、悠輔、村越、村越、八木、岡村、森安
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−2 横浜F・マリノスユース 得点:前半31分:横浜・村岡樹里(坂井洋平・左クロス) 後半28分:清水・大瀧義史(なし) 後半44分:横浜・岩田修 (今田傑 ・左クロス) 警告:前半29分:横浜・天野貴史(遅延行為) 後半03分:清水・森安洋文(ラフプレイ) 後半11分:横浜・村岡樹里(ラフプレイ) 後半21分:横浜・岩田修 (ラフプレイ)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●枝村匠馬 90分出場:シュート1(枠内1)、クロス1(成功0、左1) 今日の枝村匠馬度は70%ぐらいか。運動量は完全に復活。それに伴い、全ての攻撃は枝村を経由するほど、絶対的な存在感を取り戻した。あらゆる場所に顔を出しながら、適材適所の仕事ができるのが大きい。次節、恐らく真希が復帰するが、何でもしてくれる真希に任せ過ぎず、この存在感を保てるか、注目だろう。
[私撰MIP] ●鈴木真司 90分出場:シュート3(枠内3)、クロス4(成功2、左4) 真司のセンスは高速過ぎて、味方すら付いてこれないことがままあるのだが、この試合は親友枝村と同じ高速ドリブラーの岡村の支援を得て、潜在能力のスロットルを広げることに成功した。特に前半30分間は、対面の同学年でU-17代表の天野をドリブルとダイレクトプレーで圧倒。守勢時の消え方は問題だが、凄いよ。
●山本海人 90分出場:被シュート24(枠内7、失点2) 2失点とも、あと一歩で防げた悔やまれる失点だったが、雨の中で慎重に、だが時に大胆に最後の砦を守った。裏を狙う速さに思い切った飛び出しで対応し、繰り返されるセットプレーには積極的に体を張った。生半可なミドルじゃ涼しい顔で受け止める、或いは見送る、その態度がとても素敵。
[個人的好印象選手(相手方)] 今田傑(3年):加藤広の高さも目立ったが、決定機を防いだのは今田の読みとライン統率だった。 鈴木健太(3年):右サイドに限定しない多彩な動きとキープで、横浜の攻撃に幅を与えた。
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