2003年07月19日(土) |
東海プリンスリーグ 各務原高校戦 |
03年07月19日14:00開始 磐田市営安久路グラウンド JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003 対 各務原高校 ※45分ハーフ
▼布陣 −−−−−真司−−阿部−−−−−
−大瀧−−−−−−−−−−谷野−
−−−−−枝村−−真希−−−−−
−篠田−−高柳−−村越−−雄也−
−−−−−−−前田−−−−−−−
控え:風間、小林、石垣、小林、高野、田淵、岡村、上埜、八木 交代:前半27分:村越→石垣(そのままCBに) 後半14分:谷野→上埜(そのまま右MFに) 後半24分:雄也→田淵(そのまま右SBに) 後半27分:篠田→高野(そのまま左SBに) 後半43分:真司→八木(そのままFWに)
各務原高校:
−−−−−矢澤−−河村−−−−−
−−−−−−−原田−−−−−−−
−村橋− 小野島 −笠原−−餅田−
−−−佐村−−大坪−−矢島−−−
−−−−−−−堀江−−−−−−−
交代:後半00分:堀江→磯谷、村橋→北倉、小野島→三木田、後半14分:餅田→堀田、 後半19分:原田→青木? ※東海プリンスリーグのパンフレットを参照してますが、間違えている可能性高し
▼試合展開 今週も安久路へ、久々に歩いて到着。駅から30分弱なので、散歩には丁度良い塩梅の距離である。会場は、先々週の東海プリンス(静学−ジュビロ、エスパ−藤枝東)が嘘のような静けさ。ううむ、なんとなく落ち着くぞ(笑)。観客はご両親を含めて、第1試合が50名弱、第2試合が80名弱というところだっただろうか。午後からは雨も予報されていたが、最後までもち、湿度こそ高いものの最高気温も28度と良いコンディションでの試合となった。 最初に書くべきか迷ったが、外せない要素なので書いてしまおう。第1試合は、磐田が岐阜工に5−1で完勝。清水はその時点で高円宮杯出場を決め、後は静学との順位のみが変動のある状態だった(磐田の勝利に沸く清水メンバーの姿が見られるかと思ったが、淡々としてて残念)。ちなみに他会場で行われていた静学−東邦戦は、東邦がGK一発退場となる展開ながらも2−1で辛くも静学が逃げ切り。得失点差から、勝ちさえすれば優勝が決まることになった。
清水は前節警告を受けた森安が出場停止で、怪我の獅子内と共にホペイロに(笑)。森安は前節、負傷退場しているが、ハーフタイムには獅子内とボールを蹴っていたので、大したことはあるまい。代役は雄也。また、U-18代表の新潟国際大会メンバーに登録された海人は、お休み。ジュビロの森下や船谷は帰ってきていたので、このあたりは所属チームの要請に拠るのだろう。 一方の各務原は…、よく知らない(爆)。県下のライバル、岐阜工とは総体予選でPK戦での敗北、東海プリンスでも2−3での惜敗と、侮れない相手なのは確かなはず。とはいえ、東福岡に対する東海第五よろしく、岐阜工相手だと強さが数倍になるという噂もあるが。東海プリンスのここまでの結果は、1分6敗。別会場同時刻に行われる藤枝東−グランパスの結果次第だが、この試合に勝つことが残留への最低条件となる。
[前半] 序盤、後のない各務原が大攻勢。というよりも、清水の内容が悪い。藤枝東戦同様に前田とDFラインとの間に意志疎通を欠き、前田が高柳とお見合いしたまま中途半端に飛び出し、弱いクリアを慌てて高柳がカバーする場面もあった。それだけでなく、明らかに気の緩みが原因と思われる単純なパスミスが相次ぎ、まともにボールも運べない。一方的に攻められるが、相手のゴール前での精度の悪さに助けられると、10分には枝村のチェンジサイドから谷野が突破、その右外を真希が追い越して受け、戻すと雄也がアーリークロス。GKがキャッチされるが、漸く一つまともな攻撃の形を作る。 その後は、サイドの意識を高めた清水も持ち直すが、それでも各務原優勢。16分にも、河村が篠田を交わして突破、カバーすべき高柳が遅れて、そのまま抜け出してPA内でシュートを放ったが、ニアを狙ったボールはGK前田の正面。すると、前田のパントキックは各務原DFが跳ね返すが、その落とした先で真希が出先良くカット(高柳がカットして真希に渡したのかも)。すぐさま低く強くブレのない真希らしいボールを縦に送る。これで中央から抜け出した枝村が、冷静にGKの逆を突き、1本目のシュートで清水が先制、1−0。それはもう、直前の各務原の攻撃場面をメモしていた筆者はネットを揺れる場面しか見ていないほど(爆)、あっさりとしたゴールだった(情報提供感謝)。
これで清水も持ち直すかと思ったが、なおも締まらない展開が続く。SBが攻撃参加してサイドを崩しに掛かるのだが、展開の速さが不足しているため、スペースに抜けられずに潰されてしまう。逆にSBの裏のスペース、特にポジショニングの悪い雄也の右を狙われるが、やはり精度が足りない。26分には、孤軍奮闘していた村越をピッチの外に歩いて出させ治療、その間は10人で戦うなど、何だかんだでベンチワークも安全第一(当然だが)。結局、村越は足を捻ったのか、石垣と交代。 見所の少ない展開が続いた後の30分、真希が中盤でカットし、その勢いのまま中央突破でスペースを踏破。DFがブレイクしてチェックに来たところで、阿部に縦へ。PA手前でDFを背負った状態だったが、半身でのトラップから左にスライドしてミドルを放つ。当たり損ねのボテボテのシュートだったが、DFの前でスライドしたことがブラインドになったのか、横っ飛びしたGKの手の先を通り抜けてゴールへと吸い込まれた。またも、何ともあっさりと、2本目のシュートで、2−0。阿部は遂に10試合連続ゴールを達成する。 気落ちする相手を余所に、余裕の得た清水はやや余分な程、パスサッカーを展開。続けて32分、今度は大瀧の奪取が起点となっての攻撃。クサビのボールを真司がダイレクトで戻し、それを枝村が大きく右へ「らしい」ダイアゴナルフィード。走り込んだ谷野が中に持ち込むと、更に右外に回り込んだ雄也にスルーパス。フリーで上げたクロスはファーに流れたが、大瀧が追いついて再度折り返す。が、これはDFが跳ね返す。 しかし、ここから波状攻撃。最後は谷野が右サイドで拾うとPA右角手前の真希に当て、ダイレクトで戻したボールを枝村がチェンジサイド。PA内の左に流れて大瀧が受ける、…と見えたが、殆ど角度のない位置からワントラップボレー。強烈なシュートが低くファーサイドネットに突き刺さり、3−0。3本目のシュートでの3得点目であった。しかも結局、これが前半最後のシュート(爆)。
その後、39分には枝村が、コーチに促されてピッチ外に歩いて出て、コールドスプレーで治療(1分後に戻る)。まったりとした展開は続くが、42分、今度は雄也が相手の先を取ってカットし、カウンターの起点に。中盤の底の枝村に預けると、枝村は縦の関係になっていた真希へとクサビの縦パスを送る。真希は素早く反転して、更に縦へ展開。阿部が右に流れながら裏へと抜け出すと、右クロスを上げるが誰にも合わず。と言うのは、真司が走り合いの中で相手と交錯して倒れていたからなのだが、築館監督が絶叫空しく、ノーファウルの判定。 残りは特に動きなく、ハーフタイムへ。効率良くというか、ゴール前での精度の差が如実にスコアに表れた格好で、清水が大差を付けて折り返す。ボールを持つ時間だけなら、殆ど変わらなかったはずである。スタッツを見ても、ファウルの数以外はほぼ互角。
各務原 清水エスパルス 3(2) シュート 3(3) ◎枝村、◎阿部、◎大瀧 3(0) 右クロス 6(1) ×雄也、×谷野、○雄也、×谷野、×雄也、×阿部 6(1) 左クロス 2(0) ×篠田、×大瀧 0(0) 右側CK 2(1) ○大瀧、×大瀧 0(0) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 4(−) 阿部、阿部、枝村、阿部 10(−) ファウル 3(−) 真希、大瀧、大瀧
[後半] 後半開始を機に一気に3人を入れ替えてきた各務原だが、気合を入れ直したか、ペースは清水。左サイドの攻撃を主将の大瀧が先導し、1分、阿倍の中央突破から左の大瀧がゴールへ切れ込むが抜ききれず、後ろに戻すとフォローした真希がチェンジサイド。谷野のクロスはDFに引っ掛かるが、こぼれ球を枝村がミドル、枠上。各務原も5分、餅田の右クロスを矢澤?が頭で落とし、そこに原田が抜け出して決定機を掴むが、前田の横っ飛びの逆を丁寧に突いたシュートは足で弾き返された。 7分、真希の奪取から、前半とは逆の縦の関係になっていた前の枝村にクサビ。枝村がこれを戻すと、左に流れながら真希が受けて、更に左に展開。大瀧とポジションチェンジしていた真司が受けて、サイドを突破。PA左角辺りでグラウンダーのクロスを送るとFWの位置にいた大瀧が合わせ…ると見せて、スルー。その先に枝村が走り込み、PA手前中央からミドルを放つも、ゴール左に外れる。 しかし、全体としては5分の決定機を機に各務原が前半序盤の勢いを取り戻し、激しい潰しで怪我には及び腰の清水から主導権を奪い返す。それでも、やはりゴール前での精度の違いは明らかで、12分には、ルーズボールの競り合いに勝った枝村が、引いてきた真司へとクサビを入れる。真司は反転せずに不思議なタッチで斜め前に送ると、引いていた阿部が受けて中央突破。DFが進路を塞いだ所で右に展開すると、谷野が大きく開いて受けて折り返す。このクロスは長すぎたかに思えたが、左大外から回り込んだ大瀧が、ワントラップボレー。GKの頭上を狙うシュートだったが、僅かに上に外れた。その後も13分、大瀧→篠田と繋ぎ、下がった阿部と入れ替わって前線に上がった枝村がクサビを戻すと、大瀧がスルーパス。真司が抜き出しかけるが、GKが一足早くクリア。
ポゼッションは優勢の各務原だがPA近くへ入れるボールを悉く読み取られ、5分の決定機の後、シュートは14分にロングシュートが1本あったのみ。それに苛立ちを募らせたのか15分、矢澤がドリブル突破がファウルになりながら、笛が吹いた後に蹴り出してしまって警告。すると16分、雄也のドリブル突破が奪われて各務原のカウンターは、まず佐村の左クロスは逆サイドに流れるが、堀田がフォローして右クロスは高柳がクリア。またも拾って波状攻撃を仕掛けるが、守備の枚数が戻った清水に行き詰まって奪われ、上埜がカウンターを仕掛けようとしたところで、遅れた矢澤が後方からスライディングタックル(17分)。これでは言い訳は聞かず、退場。勝負は事実上、決まった。 しかし、清水も10人の相手を攻めきれない。横幅を大きく使ってボールを動かし、数的不利の相手の穴を探して効率良く攻めるが、得点を奪うには強引さが乏しかった。20分には、大瀧が左サイドから突破を仕掛けるが抜ききれず、やむなくフォローに来た真希に戻す。真希がワンタッチで中に叩くと、真希の居たスペースに斜め後方から篠田が入って、更に中央へと繋ぐ。そこに中盤底から駆け上がった枝村がまたもミドルを放ったが、DFに引っ掛かり、GKは一度こぼすも、自ら拾い直した。 逆に各務原も22分、ロングフィードを右に流れた青木が頭で戻して、トップ下の原田が頭で前に落とすと三木田が裏に抜けてシュートを放つが、GK前田の正面。清水も26分、高柳がアンティシペーションで奪ったボールを左の大瀧に展開、何故か下がっていた真司が追い抜いてパスを受けると、左クロスを送ったが枝村に合わず。
30分、カウンターから大瀧が中央突破。DFに進路を阻まれて一度後ろの真希に戻して、今度は大瀧と入れ替わって左に流れた枝村へスルーパス。スペースに抜けた枝村の上げた左クロスが狙う先は、ファーサイド。そこで真司が、高いジャンプから滞空時間の長い超絶ダイレクトボレー。その強烈なシュートは、ゴール左上角に跳ね当たる。 34分、高野のドリブル失敗で奪われたボールを、縦に入れ替わっていた大瀧とサンドして奪い返し、高柳を経由して枝村がチェンジサイド。田淵が中に切れ込みながらスルーパス、上埜の右クロスは流れるも再び大瀧が折り返したが、DFクリア。39分、後方(石垣?)からのクサビのパスをゴールに背を受けて受けた真司が、何だかよく分からないが、とにかく凄いスピードで1回転(マルセイユ式ルーレット?)。で、1回転したんで当然前は向いておらず、大瀧に戻す。その卓抜なターンに何の意味があったかは、いまいち不明(笑)。ともかく、大瀧はこれを再び前の枝村にクサビを入れ、もう一度戻して中盤の底から真希が右サイドの上埜にダイアゴナルフィード。しかし、上埜からのクロスはファーに流れた。 そして、41分。高野が機を捉えたアンティシペーションで、前に出てボールを奪取。縦にポジションチェンジした後ろの大瀧に戻すと、ワンツーで再び高野へ。縦に突破した高野がマイナスに折り返すと、バイタルエリアで受けた枝村がスルーパス。長い距離を走ってきた大瀧が抜け出し、至近距離からシュートを放ったが、GKも素晴らしい反応でこれをカット。そのこぼれ球を阿部がPA内で拾い、そのまま10秒近く粘るも、奪われもしないがシュートコースも作れず、仕方なしに後ろに戻す。それを真希が切り返しから、低くて強烈な15Mミドルシュート。ゴール角に決まって、4−0。 その後も、八木・大瀧のフォアプレースから枝村がカット、スルーパスに八木が抜け出すもシュートはファーに外れた場面などを経て、タイプアップ。はっきり言って、私の見た中では最悪に近い内容の試合だったが、それでも要所を抑えたプレーとゴール前の精度の違いで完勝。中断明けの4試合を全勝で終え、見事に東海プリンスリーグ初代王者に輝いた。おめでとう。
各務原 清水エスパルス 6(2) シュート 10(3) ×枝村、×枝村、×大瀧、○枝村、×枝村、×真司、×真司 ○大瀧、◎真希、×八木 4(2) 右クロス 11(2) ○谷野、×枝村、×上埜、×上埜、○田淵、×上埜、×上埜 ×田淵、×上埜、×阿部、×上埜 3(1) 左クロス 8(3) ×篠田、×大瀧、○枝村、×大瀧、×真司、○枝村、×大瀧 ○高野 1(0) 右側CK 0(0) 2(0) 左側CK 1(0) ×枝村 1(−) 犯OS 5(−) 篠田、真司、真希、枝村、阿部 10(−) ファウル 4(−) 雄也、真司、田淵、田淵
▼試合結果 清水エスパルスユース 4−0 各務原高校 得点:前半16分:清水・枝村匠馬 (山本真希 ・スルーパス) 前半30分:清水・阿部文一郎(山本真希 ・前方ミドルパス) 前半32分:清水・大瀧義史 (枝村匠馬 ・左方ミドルパス) 後半41分:清水・山本真希 (阿部文一郎・ポストプレー) 警告:前半35分:各務・笠原拓真 (ラフプレー) 後半05分:各務・餅田修 (ラフプレー) 後半15分:各務・矢澤未来 (遅延行為) 後半17分:各務・矢澤未来 (ラフプレー) 後半44分:清水・田淵将天 (ラフプレー) 退場:後半17分:各務・矢澤未来 (警告2回)
▼選手寸評 前田陽平−−ゴール前の場面では機敏な反応を見せたが、最終ラインとの連動性に欠け、不安定。
杉山雄也−−ポジションが悪い上に当たりが弱く、軽い。恵まれた体格でガツガツ行ってほしい。 村越大三−−最終ラインが意思統一を欠く中、唯一1対1で対抗できる存在だったが、早期交代。 高柳亮太−−知性を発揮しない高柳はキックが正確な他は、普通の選手だ。徐々に持ち直したが。 篠田大輔−−1対1に脆さもあったが、攻守にバランスを取って、生じがちのスペースを埋めた。
谷野由紘−−粘り強さとポジショニングの良さで安定感をもたらす一方で、突破でアクセントも。 山本真希−−気の抜けた試合でも怠らず走り抜き、味方のマークを外す動きなど見えない貢献大。 枝村匠馬−−左右に巧みに捌き、前後に縦のポジションチェンジ。楽をしようと狙いすぎの面も。 大瀧義史−−精力的な運動量で両ボランチと再三入れ替わる一方、前線では粘って起点を作った。
鈴木真司−−ファンタジーが炸裂。サイド突破にスルーパスと、初めて機能している真司を見た。 阿部文一朗−MFが好き放題してるので出番は少ないが、手数を掛けないポストでそれを支えた。
石垣勝矢−−空中戦無敗。最終ラインは乱れていたので、石垣の空中戦の強さはむしろ際立った。 上埜健太−−独特のタッチで、好機と思えない位置から好機を創る。が、普段の精度は低かった。 田淵将天−−石垣同様1対1での強さを発揮。一方、巧みな連携と積極性で攻撃にも多く絡んだ。 高野美臣−−個人能力では競り負けてたが、ポジショニングとダイレクトプレーで先の先を取る。 八木和秀−−相変わらず面白いライン駆け引きをする選手だが、出番が短く、評価不能。
※字数制限に伴い、東海プリンスリーグ・磐田−岐阜工戦はこちらへ。
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