えすぱっ子
清水エスパルスユース紹介サイト

2003年04月13日(日) 中日本スーパーリーグ U-18 藤枝東高校戦

03年04月13日13:03開始 清水市営総合運動場
 第6回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-18)
 対 藤枝東高校 ※40分ハーフ

▼布陣
−−−−−八木−−阿部−−−−−

−岡村−−−−−−−−−獅子内−

−−−−−大瀧−−高柳−−−−−

−田淵−−村越−−石垣−−小林−

−−−−−−−前田−−−−−−−

控え:海人、雄也、森安、枝村、風間、望月、柴田、谷野
交代:後半00分:小林→望月(村越を右SB、田淵をCB、岡村を左SB、獅子内を左MF、
              望月を右MFに)
   後半14分:大瀧→森安(そのままボランチに)
   後半14分:高柳→枝村(そのままボランチに)
   後半27分:田淵→雄也(村越をCB、雄也を右SBに)
   後半38分:八木→柴田(そのままFWに)

藤枝東高校:

−−−−佐々木−−河原−−−−−

−新山−−−−−−−−−増田哲−

−−−−−井上−−増田洋−−−−

−金谷−−中山−−川村−−西原−

−−−−−−−戸本−−−−−−−

交代:後半00分:戸本→碓井、西原→西形、金谷→仁科、増田哲→佐久間、新山→西郷
        河原→植松、佐々木→稲名(後半の布陣は下記の通り)

−−−−−稲名−−植松−−−−−

−西郷−−−−−−−−−佐久間−

−−−−−井上−−増田洋−−−−

−仁科−−中山−−川村−−西形−

−−−−−−−碓井−−−−−−−


▼試合展開

都知事選の投票を済ませて静岡へ。朝7時から夜8時までとは、選管も大変だ。サッカー関係者諸氏は、きちんと済ませただろうか?
引換券を忘れたが、面倒くさいので定額でオフィシャルイヤーブックを購入。1000円もしたのね。5分遅れるバス(5分早いとも言えるが)に混乱させられながら、12時5分前に会場へ。すると、あれ、小学生の女の子? 清水の小学生の陸上競技会があったようだ。このままだとロリコンだと思われかねないので(いや、高校生選手を追い掛ける日々も似たようなものだが)、競技場運営部?にて確認。どうやら、清水公式HPの情報が正しく、試合開始は13時からに変更になったようだ。仕方なしにイヤーブックを読みながら、暫し待つ。

この日は、やや雲が多いが、穏やかな好天。前半は、ベンチを外れた真司・高野が、同じくベンチ外の赤星と半ば寝っ転がりながら、のんびりスタンドで観戦する姿も見られた。観客は80名ほど。その50名強は藤枝東応援団(両親ズ)。ううむ、静岡の伝統校、恐るべし。
共に前日の東海プリンスで敗北しており、清水は先週の中日本・名古屋戦と同様に準レギュラー陣に一部レギュラー選手の交じる陣容。ただ、今回はポジション的な実験は少ない。藤枝東も恐らく前日に戦ったレギュラー陣は、この後の大垣工戦に回され、新1年生も含めたフレッシュな選手で臨んだ。

[前半]
試合は序盤、藤枝東が物凄いプレスを仕掛けて体の重い大瀧・高柳のドイスボランチを制圧、開始3分には早くも清水の右サイドを破って、クロスからシュートに行くが、村越がブロック。清水に効果的な攻撃を全く許さないまま11分、中盤からのパスを井上が左(清水の右)に流れながら受けると、その前を斜めに佐々木が走り込む。1対2の状況から佐々木にパスが出るが、小林が遅れながらも応対、タッチライン際で追い付いて、スライディングでクロスのカットを図る。しかし、佐々木は冷静に切り返すと、起き上がれない小林を尻目にフリーで左クロス。これを新山がニアサイドで豪快に合わせ、藤枝東が先制する。0−1。

これで清水も少しは目が覚めたか12分、中盤の底で受けた大瀧が、右サイドスペースに30M級スルーパス。獅子内が抜け出し、サイドを十分に抉って右クロスを送ると、ファーに岡村が走り込んでボレーを放つが、マークするDFがブロックして、ゴールに飛ばせない。
13分にも、田淵が攻め上がって、岡村と縦のポジションチェンジ。前を塞がれて2人に囲まれるが、そこから粘り、一度引いた岡村がフォローに走ってスイッチ。前に抜け出した岡村の上げた左クロスに、獅子内がファーで突っ込むが、僅かに届かない。
逆に15分、左サイドに流れた佐々木を、小林が対処。前に仕掛ける佐々木に激しくショルダータックルをぶちかますが、佐々木はビクともせずに小林が置き去りにされる。そのままタッチライン際まで抉って速く低い左クロスを入れると、ニアで河原。だが、正確なポジショニングを取っていた前田が、合わせただけのシュートを正面でキャッチした。清水は、この直後に大瀧がラフチャージで警告を受けるなど、苛立ちが募る展開。

20分、前田の50M級ゴールキックに、相手最終ラインに競り勝って阿部が、バックヘッドで斜め横に流す。これで岡村が抜け出し、十分に抉って左クロスを入れるが、ゴール前に追い掛けた阿部が後一歩、間に合わず。中盤を連携して創れない清水は、時折大瀧の華麗なボール捌きは見られるものの、やはり単発である。
だが26分、阿部の空中での競り合いで、右60度20MでFKを得る。大瀧が直接狙うが、これはニア右に外れる(清水、初シュート)。藤枝東のゴールキックになるが、これを石垣が跳ね返すと、CBとSBのギャップを突いて、阿部が相手左SBの裏に抜け出す。GK飛び出すが、これは目測誤り。PAの外で阿部がワントラップから鮮やかな25Mループシュート。流麗な放物線を描いて、ファーサイドに吸い込まれた。時間は27分、1−1。阿部が「一人で何とかしてしまう」ストライカーたる所以を発揮した。

しかし、この後も藤枝東のペースは変わらない。高柳が前日の疲れからか、空中戦でも地上戦でも何かと脆く、力の抜けた感じのプレーが多かった。大瀧も元来、守備面を期待できる選手ではない。良い時の清水は2列目で相手の勢いを十分に殺すことで、高い最終ラインが相手が体勢を崩すのを見計らって苦し紛れのパスをかっさらうのだが、この日は中盤で相手がほぼ素通り。最終ラインは位置取りに苦しみ、不用心な飛び込んで裏を抜かれる場面が多かった。
藤枝東の攻勢は続き、31分、速攻の形で増田哲がボールを持つと、田淵がラインブレイクしてチェック、しかし村越はラインを下げようとしており、この隙を突いて裏を狙う河原にパスが出る。だが、前田が飛び出してPA内の絶妙な位置でシュートコースを完全に塞ぎ、慌てて大きくなったトラップを余裕でキャッチする。
一方の清水は32分、左サイドに流れた大瀧は粘るが、最後はDFがクリア。しかし、田淵がこれを拾って、左サイドからアーリークロス。ファーから飛び出した獅子内がスライディングボレーで突っ込むが、ボールは無情にもゴールニア角に弾かれる。

このあたりから藤枝東の運動量がガクンと落ち、清水がボールを持てる時間が長くなる。34分、小林のロングフィードを阿部がPA手前、高い打点で頭でトラップ、ここから腿のリフティングを3回入れて背負うマークを惑わすや、振り向き様に20Mボレー。ブンらしからぬシュートは、しかしGK正面。阿部は続く35分にも、30M反転ミドルを放つ。
だが、清水の中盤も疲労感は拭いきれず、双方不正確なプレーが続く。藤枝東、某選手のパンツのゴムが切れるアクシデントもあったが、試合の方も締まらない展開のままハーフタイムへ。

藤枝東       清水エスパルス
6(3) シュート 5(3) ×大瀧、◎阿部、×獅子、○阿部、×阿部
1(0) 右クロス 1(1) ○獅子
5(3) 左クロス 4(1) ×岡村、×岡村、×岡村、○田淵
2(0) 左右CK 0(0)
10(−) ファール 2(0)
2(−)  犯OS  0(−)


[後半]
後半開始に伴い、直後にも試合のある藤枝東は、新1年生4人を含む一気に7人を交代。背番号が変わらないまま選手だけが代わったポジションもあり、某氏の情報提供がなければ全く分からなかったところだ(有り難うございます)。清水は望月の交代だけだが、獅子内の左、岡村・村越のSBなど、やや実験的な要素も含むポジションの大転換が為された。

試合はやはり、疲労感から解放されフレッシュになった藤枝東が押し気味に進める。3分、藤枝東の中盤(増田洋?)からのパスで佐久間が抜け出す。だが、これも勇敢に前田が飛び出し、距離は詰め切れなかったがシュートは脚でディフレクト。サイドに受け流したボールを岡村がフォローする。この後も藤枝東は、獅子内と岡村の微妙な距離感の齟齬を突く形で、佐久間を軸に攻め立てる。
しかし清水は11分、田淵からのクサビを阿部が右に流し、回り込んだ高柳が粘って右CK。これはDFが競り勝って、逆の左からのCK。ニアへの速いボールに双方競り合ってこぼれると、PA外から獅子内のミドルは大きく外れる。
この後、14分に清水は大瀧・高柳に代えて、枝村・森安を投入。交代の時間的にも、前日の試合に出た(であろう)この2組は、交互に使い回す予定だったのかもしれない。こちらも普段よりも動きは重く、即効性のある変化はなかったが、要所で格の違いを見せつけて、徐々に清水ペースに変わっていく。

21分、村越のロングフィードを八木がバックヘッドで流して、獅子内が抜け出すがシュートはファーに外れる。獅子内は続く22分にも、川村のボランチへの縦パスを、後ろから相手を追い越してカット。速度を落とさずにPAに侵入し、ファーを狙った巧いシュートを放つが、これはGKがクリア。さらに獅子内がボールをゴールに背を向けて追い掛け、全力で駆け上がった岡村に捌くと、左クロス。しかし、味方に合わずにGKキャッチ。
攻め手のない藤枝東だが、23分。清水左側奥まった位置から、西形のロングスロー。これが、なんとPA内ファーサイドまで届き、完全に虚を突かれた清水DF、フリーで植松のボレーを許す。しかし、これはただ一人一体、動揺しなかったゴールバーが跳ね返した。ロングスローは、3年前のクラブ選手権を思い出されて、精神的に宜しくない。
しかし清水も攻撃の手は緩めず、24分、村越がアンティシペーションからカット、すぐに枝村に預けると、枝村は八木にクサビの縦パス。八木も簡単にサイドに叩くと、右に流れて阿部が受けて斜めにスルーパス。ここに枝村が飛び出すが、ワンタッチ目が大きくなってGKキャッチ。

だが、清水も田淵が足を攣って交代するなど、疲労から正確性を欠き始め、またフォローする第三の動きが少ないことから、連続性のある攻撃ができず、むしろセットプレーを狙っていく。29分、右サイドから前田を経由して岡村が受けると、獅子内とのワンツーから左CK。これはGKがディフレクトし、右CK。今度は中央のDFが跳ね返すと、望月が拾って右サイドを突破、クロスが引っ掛かって再び右CK。今度はファーに流れる。
32分、最終ラインからのパスを受けに戻った森安、背後に稲名のプレスを受け、横パスで逃げようとする。これを、植松がDFの背後から飛び出し、カットするや独走。一人低い位置で残っていた村越が応対、進路を塞いで速度を落とさせると、放ったシュートは威力無く、前田がキャッチして事なきを得る。
この後、さらに左右1回ずつCKを得るが、シュートに繋がらない。

36分、汚名返上を期す森安が、中盤の底からの低く正確なロングフィード。これを阿部が頭で後ろに逸らすと、そこに枝村が走り込む。正確なトラップで速度を落とさずに最終ラインを抜け出し、GKと1対1になるや、細かい切り返しでGKの体勢を崩すと、最後は…! パス…? そこには誰もおらず。真司並みのファンタジーで、決定機をふいにする。
37分には八木も足を攣って自ら交代を申し出て、試合は倦怠感とドローの予感が漂い始める。だが39分、相手クリアを奪い返すと、中盤の森安へ。疲弊しきっていた藤枝東、ボランチが最終ラインに吸収されたまま上がれない。ポカリと空いたPA手前のスペースに森安はスルスルと上がり、フリーのまま狙い澄ました25Mミドルシュート。低く速い弾道の標的はGKの膝の下、碓井は反応するが体勢上、どうしてもキャッチできない。ここに柴田が詰めると、碓井と交錯しながらシュート、ぶつかりあって弱々しく転がるボールを、再度柴田が押し込んで、土壇場で逆転に成功した。2−1。
残りは僅かに残った時間も押し気味に進めて、試合はホイッスルを迎えた。

藤枝東       清水エスパルス
3(2) シュート 5(3) ×獅子、×獅子、○獅子、○森安、◎柴田
2(0) 右クロス 3(0) ×村越、×八木、×望月
0(0) 左クロス 5(1) ×岡村、×岡村、×枝村、×獅子、○獅子
2(0) 左右CK 9(1) ×大瀧、×大瀧、×大瀧、×枝村、×枝村、×枝村、×枝村
               ○枝村、×枝村
2(−) ファール 4(0)
3(−)  犯OS  1(−)



▼試合結果
清水エスパルスユース 2−1 藤枝東高校
 得点:前半11分:藤枝・新山達也 (佐々木太朗・左クロス)
    前半27分:清水・阿部文一朗(石垣勝矢 ・前方ロングパス)
    後半39分:清水・柴田和也 (なし)
 警告:前半18分:清水・大瀧義史 (ラフプレー)
    後半14分:清水・高柳亮太 (ラフプレー)



▼選手寸評
前田陽平  7.0 プチ海人化。積極的な飛び出しと正確なキックでリベロ役を十分に果たす。

小林拓矢  5.0 対人動作の選択が軽率で、持ち味の激しさも空回り。ラインを乱す要因に。
石垣勝矢  5.5 フィードは正確で、制空権も握りながら、何故かクリアだけは精度が悪い。
村越大三  6.0 前半は積極性が徒になったが、後半、特に右SBで鋭い出足となって貢献。
田淵将天  5.5 素早い寄りを見せるのだが、人に釣られ過ぎの傾向も。細かいミスもあり。

獅子内善雄 6.0 守備の位置取りが悪く、後方に負担を強いた一方、前線へ飛び出しは鋭い。
高柳亮太  4.5 とにかく動きが重い。期待されたフィルター役に失敗、中盤を譲り渡した。
大瀧義史  6.5 運動量が少なく守備は望めなかったが、ボールを持った視野・技術は圧巻。
岡村総一郎 6.0 ドリブルは封じられながら、危険なスペースを攻守で積極的にカバーした。

八木和秀  5.0 阿部との役割分担が不明瞭で、色々と動きながらボールが回らずに消えた。
阿部文一朗 6.5 空中戦に完勝、先制点も鮮烈。裏に抜ける怖さが見たいが、動きは重いか。

望月祐甫  5.5 正確なキックと判断は垣間見せたが、サイド選手としては強引さも欲しい。
枝村匠馬  6.5 覚醒には劣るが、攻守を地味に引き締め、多方面飛び出しでリズムを創る。
森安洋文  6.5 致命的なミスの後の汚名返上は見事。体は重かったが、競り合いには強い。
杉山雄也  --- 目立つ活躍はなかったが、試合の流れにも乗って右サイドを完封。
柴田和也  --- 短い時間だったが、抜け目無く結果を残した。


 < 前  目次  後 >


ひかる。 @H.P. [MAIL]

My追加