2003年04月26日(土) |
東海プリンスリーグ 四日市中央工業高校戦 |
03年04月26日14:11開始 草薙総合運動場球技場 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003 対 四日市中央工業高校 ※45分ハーフ
▼布陣 −−−−−真司−−阿部−−−−−
−大瀧−−−−−−−−−−真希−
−−−−−枝村−−森安−−−−−
−篠田−−高柳−−石垣−−村越−
−−−−−−−海人−−−−−−−
交代:前半09分:篠田→岡村(そのまま左SBに) 前半41分:真司→柴田(真希をFW、柴田を右MFへ) 後半44分:村越→雄也(そのまま右SBに)
四日市中央工業高校:
−−−−−南川−−築館−−−−−
−−−−−−−中林−−−−−−−
−−−麻生−−樋口−−河尻−−−
−中川−−金守−−藤澤−−田中−
−−−−−−−田中−−−−−−−
交代:後半00分:河尻→守屋、後半32分:麻生→山畑、南川→坂井、後半39分:中林→加藤
▼試合展開 さて、築館親子対決である。話題にすべきか迷ってたが、なんかスポーツ新聞に堂々と書かれてしまったようで。息子の秀飛(シュウト)は180cmを誇る四中工の大型FW。しかし、思い切った名前を付けましたね、監督。 天気は曇りがちながら日差しが強く、最高気温は28度にまで上った。芝は枯れている部分も見受けられたが、プレーに影響はなさそう。だが、風が強く、前の試合でもGKはゴールキックの精度が定まらず、苦労していた。観客は100名ほどか。ご両親以外に、サッカー道楽なご年輩の方や幼い子供を連れた子供連れ、更にジャンパルも見られ、プリンスという看板がそれなりの知名度を得ていることを感じる。U-20/18代表監督を務める大熊氏も見参。先日発表されたU-18代表候補には4チーム中、磐田から松井・森下・藤井が、清水からは枝村・阿部が招集されている。
清水の方は、メンバーを大きく組み替え。前回の東邦戦で5分間で3点を奪って逆転した布陣を軸として、追撃弾のミドルを決めた森安はそのままボランチに上げ、代わりに同点弾を決めた石垣をCBに配置した。また、中日本などで様々なポジションを試されている村越を右SBに起用、篠田が前半早々に負傷するアクシデントもあり、左から岡村−高柳−石垣−村越という非常にフレッシュな最終ラインとなった。 一方の三重の名門、四中工。昨年、高円宮で国見に勇戦したチームからGK西村・FW飛騨がプロに進んだが、築館・樋口・麻生・藤澤・金守は引き続きレギュラーを務める。この試合、ガンバ大阪出身のレジスタ・島嵜を欠いたのは痛いだろうが、昨年からそのまま残ったCBとボランチの中央守備ブロックは熟練の味。飛騨の分だけ得点力には劣るが、昨年より総合的にレベルアップしたと言えるのではないか。日生第二に高校選手権出場を阻まれただけに、今年は思うところがあるはずである。
[前半] 前半は清水が順風。早くも前半1分に初シュート。真希が右サイドで奪うや、瞬時に逆サイドに展開。森安が落とした先に大瀧が左サイドから斜めに走り込んで、ワントラップからシュートを放った。7分には、大瀧が篠田に戻したところに激しいタックルが入り、左30度30MからFK。大瀧のボールはDFに引っ掛かり、さらにDFがサイドにクリアするが、村越が拾って角度のない位置から思い切ってシュート。ファーサイドに外れる。 試合全体では、互いに中盤中央の潰し合いからサイドに逃げて個人突破で勝負する展開で、効果的なプレーが生まれない。それでも風上の清水が徐々にポゼッションを高めるが、逆に20分、中盤中央の縦パスをカットした四中工がカウンター。素早く前方左へフィードすると、そこに流れていたFW南川が受けて突破、中に切れ込んでシュートを放つが、これは逃さず付いていった村越がスライディングでブロック。リバウンドは逆サイドに流れるが、これを中林が拾うと岡村と競り合いながら、半身ズラしてシュート。だが、枠を捉えず。 清水もその直後、左サイドに流れた枝村が、簡単に前の大瀧に預けると、大瀧も素早く左に流れてきた阿部へ。阿部がダイレクトで中盤にボールを戻すと、そこに枝村。駆け込んで、ワントラップから低い弾道で強烈な20Mミドルを炸裂。GKが横っ飛びで弾き返した。
このあたりから、清水のポゼッションも安定。四中工は、ロングフィードを前線の築館Jrに当ててから、落としたボールを中盤に戻して樋口を軸に組み立てるか、スピードのある南川や中林が一気に裏を狙う戦術だが、逆風なだけにボールを落とせる地点が低く、森安・枝村の網に引っ掛かってしまった。一方、攻勢の清水も相手フラット4に手を焼き、守備重視のSBの裏を狙えず、サイド攻撃は単発。頼みの阿部も金守に厳しくマークされ、単純な放り込みでは空中戦に競り勝てない。しかし、阿部やサイド攻撃を警戒して最終ラインは引き気味なだけに、狙い所はその前のスペースである。 25分、密集する自陣左サイドから中盤の底の枝村にボールが渡ると、逆サイドに一気にスペースが広がる。枝村の斜めの30Mサイドチェンジに真希が加速するが、相手最終ラインの配列が揃う前に2タッチで折り返し。丁度PA横のラインの前を直進する低いクロスに、枝村がダイレクトでミドルを放つが、やや当たり損ねて左に外れる。 35分にも、自陣左サイドで奪うと岡村のクリアは相手に引っ掛かるが、自ら交錯しながら奪い返しつつ抜き去ると、中盤の底の枝村へ。やはり逆サイドにスペースが開くが、走る真希の後ろのスペースにサイドチェンジ、村越の上がりを引き出す。村越は中央斜めに戻す大きなワンツー、30Mほど前進した枝村が受けて、今度は左サイドへ。大瀧が抜け出るやクロスを送った先には、未だ突進止まぬ枝村が遂にゴール前まで飛び出し、ヘディングシュート。しかし、ゴールの上に外れた。
43分、大瀧が左外に開きながら溜めると、ライン沿いの狭いスペースに繊細な縦パス。これをS字を描くように回り込んだ岡村がオーバーラップ、サイドを抉ってクロスを入れる。柴田投入でFWにポジションチェンジした真希が、ニアで受けて中央に送るが、パスは阿部の後ろに流れる。後ろ向きの体勢から阿部は粘ってボールを戻すと、そこに枝村。DFに引っ掛かりつつも20Mミドルを放ったが、シュートはニアポストに弾かれた。 この後、枝村のCKはDFに跳ね返され、柴田が拾ったもののパスミスからカウンター。しかし、PAギリギリに飛び出す海人の好判断で事なきを得る。試合はこのままスコアレスでハーフタイムへ。試合内容は悪くないが、後半は逆風になるだけに不安なところ。
四中工 清水エスパルス 3(1) シュート 9(2) ×大瀧、○枝村、×村越、○枝村、×大瀧、×枝村、×枝村 ×枝村、×枝村 2(0) 右クロス 3(1) ×村越、○真希、×真希 2(0) 左クロス 5(2) ×森安、×阿部、○大瀧、×大瀧、○岡村 0(0) 左右CK 1(0) ×枝村
[後半] 後半はやはり、順風になった四中工が攻める。前述のロングフィードが伸びるようになり、最終ラインとボランチの間で落としたボールを拾えるようになってきた。清水は潰し合いの中、攻撃の糸口も掴めなかったが9分、中央の大瀧から、ポジションチェンジしてタッチライン沿いで待つ枝村にスルーパス。枝村は左サイドを抉るが、そこから左足インサイドフック(切り返し)を2回入れてDFを振り切りながら戻ると、右足でクロス。ファーの柴田が頭で中央に折り返し、真希がボレーシュート。だが、これはDFブロック、しかし真希は、跳ね返りをダイレクトシュートに行くが、宇宙開発。 さらに15分にも、自陣深くからの岡村のクリアに、センターライン付近の阿部が反応。DFを背負った状態からの強引な反転で逆に相手を後ろに押し出し、スペースに抜け出る。20M余りをドリブルし、寄ってきたCBを見てラストパスを送ったが、真希と呼吸が合わず。
四中工は潰し合いでは優位に進めながら、シュートやクロスなど効果的なプレーにまで至らない攻撃が続いたが、18分、ついに右SBの田中がフラットラインから離れて攻撃参加。中盤中央からパスが出ると、田中はまず中を切ろうとする岡村を確認し、ギアを一段上げて縦突破を仕掛ける。岡村も海人のコーチングもあって動きを修正するが、田中はそれをも先読みして中に切り返し。岡村を振り切ってセンタリングを送ると、ファーのFW築館が高い打点から至近距離ヘッド。が、完全に振られたはずの海人がこれに反応、眼前のシュートを弾くと勢いを殺しきれないボールを高柳がクリアし、CKに逃れる。 その四中工の左CK、19分。蹴るのは左効きのテクニシャン、麻生。低くて速いボールを送ると、中央密集地よりも手前で、ニアの金守がバックヘッド気味に微かに触れて逸らす。このボールが綺麗にファーサイドネットに吸い込まれて、四中工先制。0−1。流れの中では殆ど決定機を与えてなかっただけに、痛い失点であった。
先行された清水はギアを一気にトップに上げ、猛然と逆襲を図るが慌ただしさは否めず。サイドに人数を掛けて崩し、次々にクロスを入れるが、いずれも精度に欠いた。一方の四中工は、カウンターでキッチリと攻め切る意識が高く、むしろ効果的。 26分、大瀧からのパスを受けて、長い距離を走った岡村が左サイドを突破。枝村とのワンツーでPA内に侵入し、シュートを狙うがCBがカット。だが、クリアを中盤の森安が拾い、すぐに左の大瀧に預ける。この大瀧を岡村の突破で取り残されたSBが対応したため、洗練されたフラットラインにもヒビが生じた。スッとSBの裏、CB横のスペースに枝村が移動、すかさず大瀧がスルーパス、枝村が受けるやシュート、と思わせて右足インサイドフックの切り返し。CB藤澤を振り切ると角度20度もないところから、痛烈な右足砲。ガン!という荒々しい音が響き渡ったのは、どこのバーに当たったからか、ボールはファーネットに突き刺さっていた。1−1。見事に追い付いてみせた。
この後も清水の攻勢が続いたが、それも後半30分前後まで。四中工が一度に二人を交代させると、中盤の運動量で完全に後れを取る。高柳を中心に最終ラインは踏ん張るが、疲労から集中力と粘りを欠き、出足が遅れてみすみすCKにしてしまう場面が何度か。だが、いずれも海人が相手と競り合いながらガッチリとキャッチ、制空権は譲らなかった。 一方の清水は44分、枝村の対角線フィードから大瀧のダイレクトクロスは、DFに引っ掛かり左CK。蹴るのは枝村。ニアに速いボールを送るが、逸らしたのは相手DF。これが丁度良くファーの石垣に流れ、高い打点から叩き付けたが、ボールはニアポストに阻まれた。 この後、微妙な判定でペナルティライン直前から相手にFKを与えるが、シュートは大きく上に外れる。続いて、清水が最後の攻撃を仕掛けるが、枝村から大瀧の左クロスは曲がりきらずにGKキャッチ。試合はこのまま終了し、両者痛み分けとなった。
四中工 清水エスパルス 7(3) シュート 3(1) ×真希、◎枝村、×石垣 1(1) 右クロス 4(0) ×柴田、×柴田、×村越、×村越 2(1) 左クロス 7(1) ○枝村、×大瀧、×森安、×枝村、×岡村、×大瀧、×大瀧 4(1) 左右CK 3(0) ×大瀧、×枝村、×大瀧
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−1 四日市中央工業高校 得点:後半19分:四中・金守貴紀(麻生 瞬・右CK) 後半26分:清水・枝村匠馬(大瀧義史・スルーパス)
▼選手寸評 山本海人 6.5 CKにクロスにハイボール処理に力強さ。フィードは強風を計算しきれず。
村越大三 6.0 放胆なタックルはCBよりSBが適正か。積極性が光るも、最後はバテる。 石垣勝矢 5.5 相手180cm築館に抵抗。綺麗なフィードがあるのに、クリアは精度に欠く。 高柳亮太 6.5 石垣・岡村らのミスを機敏にカバー。奪取できない場面の守備が実に巧妙。 篠田大輔 --- 負傷交代。自ら歩いて外に出たので、軽傷を祈る。
山本真希 5.5 全般に精度に欠く。ミスを犯した後の修正の速さに才能の片鱗は感じたが。 森安洋文 6.0 消耗戦での清水側旗頭。「潰し合い」から「潰して奪う」への進化を期待。 枝村匠馬 7.0 今日の発見は、切り返し連発で直進するドリブル。パス出しに迷う場面も。 大瀧義史 5.5 攻守に粘りが出てきたのは好材料だが、決定的な仕事をする余裕を作れず。
鈴木真司 5.0 フォアプレスは効いてたが、攻撃面は空回り。阿部との相性は改善されず。 阿部文一朗 4.5 消えた。引いた相手や奥行きのない展開と間接要因もあるが。空中戦完敗。
岡村総一郎 6.5 守備判断に誤りもあるが体の入れ方は巧い。積極性・運動量で縦をカバー。 柴田和秀 5.0 冷静な状況判断が魅力の選手だが、引いたSBを相手に消極性が目立った。 杉山雄也 --- 足を攣った村越と交代。
--- 03年04月26日14:11開始 草薙総合運動場球技場 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003 ジュビロ磐田ユース−日生学園第二高校 ※45分ハーフ
▼布陣 ジュビロ磐田ユース:
−−−岡本−−中村−−沼野−−−
−藤井−−−−−−−−−−山本−
−−−−−船谷−−上田−−−−−
−−−荻原−−森下−−徳増−−−
−−−−−−−松井−−−−−−−
交代:後半18分:沼野→曽我、萩原→和田、後半30分:岡本→大杉、後半42分:藤井→峰村
日生学園第二高校:
−−−小林−−中西−−萩原−−−
−−−−−−−大室−−−−−−−
−−−−−千葉−− 朴 −−−−−
−望月−−浦田−−村松−−堀越−
−−−−−−−石上−−−−−−−
交代:前半35分:小林→山崎、朴→18、後半21分:望月→早川、後半36分:山崎→稲葉
▼試合展開 [前半] 24分:磐田、右クロスを岡村が落としたボールを、PA内で藤井が拾って突破、後ろから手で押されて倒れると、審判は迷わずPKを指示。藤井自らGKの逆を突いて決め、1−0。
28分:磐田、山本のアーリークロスをDFがかぶり、岡本と沼野が2対1という絶対的決定機。岡本が細かいフェイントでシュートチャンスを狙うが、GKも粘って打ち切れない。岡本は諦めて、左に開いた沼野にパスを送ると、沼野は2列目から飛び出した中村に右足で左クロス。ファー右ポストの目前で中村はGKと交錯しながら確実にボールを捉え、2−0。
40分:磐田、やや右寄りの位置から真っ直ぐに飛び出す中村に上田?からスルーパス、上田は受けると45度に折り返して、PA中央に戻す。これを岡本がダイレクトで、キレと重さを兼ねた素晴らしいシュートを叩き込み、3−0。
磐田ユース 日生学園第二高校 3(−) 得点 0(−) 9(5) シュート 1(0) 10(7) 右クロス 6(2) 4(1) 左クロス 3(0) 2(0) 左右CK 3(0) 53% 支配率 47%
[後半] 28分:日生、右サイドの大室から右サイドスペースにスルーパス。萩原が流れながら受けるが、徳増(和田投入後は左CBに)も対応し体を寄せる。だが、萩原もこれに粘ると、大室が更に右外を回って突破。フリーでパスを受けて右クロスを送り、センタリングを中西がニアで合わせると、この至近距離では松井も防ぎようなく、3−1。
磐田ユース 日生学園第二高校 0(−) 得点 1(−) 10(4) シュート 4(1) 3(2) 右クロス 3(1) 8(3) 左クロス 2(0) 4(0) 左右CK 3(1) 60% 支配率 40%
▼試合結果 ジュビロ磐田ユース 3−1 日生学園第二高校 得点:前半24分:磐田・藤井 貴(PK) 前半28分:磐田・中村 豪(沼野成吉・左クロス) 前半40分:磐田・岡本達也(中村 豪・右クロス) 後半28分:四中・中西 裕(大室 健・右クロス) 警告:前半36分:日生・中西 裕(ラフプレー) 後半29分:磐田・上田康太(異議) 後半43分:日生・稲葉圭亮(ラフプレー)
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