2003年04月06日(日) |
中日本スーパーリーグ U-18 名古屋グランパスエイト戦 |
03年04月06日12:50開始 小笠山総合運動公園 補助競技場 第6回中日本ユースサッカースーパーリーグ 対 名古屋グランパスエイトユース ※40分ハーフ
▼布陣 −−−−獅子内−−望月−−−−−
−風間−−−−−−−−−−小林−
−−−−−村越−−谷野−−−−−
−岡村−−高野−−田淵−−雄也−
−−−−−−−前田−−−−−−−
交代:前半33分:風間→篠田(岡村を左MF、篠田を左SBに) 後半11分:田淵→森安(村越をCB、森安をボランチに)
名古屋グランパスエイトユース:
−−−根津−−上村−−BB−−− BB:ブライアン・ブラーツ
−−−−−−−26−−−−−−−
−小出−−−−稲垣−−−−山田−
−−−市川−−JB−−澤田−−− JB:ジョシュア・ブラーツ
−−−−−−−水崎−−−−−−−
交代:後半11分:26→杉原、根津→清水 ※基本的に3−4−3。
▼試合展開 愛野駅にコインロッカーがないのは、犯罪的じゃないのか? W杯の時に苦情は絶対あったと思うのだが。帰宅時の混乱を避けるためだろうか。だが、大きな荷物をスタジアムに持ち込まれる方が、余程危なそう。混み合うと徒歩15分強の距離が30分以上掛かるというし、重い荷物は相当ストレスを溜めると思われる。 さて、エコパである。自動運転のスロープカーまであるW杯開催地。この日は何故か延々とアンセムが流れていて、試合が行われるのは補助競技場の方である。だが…、補助競技場にまでトラックがあるのね(涙)。筆者の観戦した中でも、五指に入る見づらさである。こりゃ完全に陸上競技場だ。世界陸上でも招致してくれ。
芝は良好。天気は、昨日と打って変わって快晴、だが風は強い。清水は前半が逆風、後半が順風となった。互いに前日にプリンス開幕戦を迎えた上に、次週にはプリンスでぶつかる相手。当然手の内を見せるはずもなく、名古屋は1年生中心。清水も昨日出番を得なかった選手を中心に、ポジションも大きく変わった。2試合共に出場しなかったのは、石垣・阿部・杉崎・上埜の4人。但し、石垣と阿部は、プリンスでベンチ登録されている。
[前半] っていうか、着いたら始まってるし。どうやら予定時刻より10分ほど早く始まった模様。やめてくれよ〜、そういうのは。そのため、最初の5分間ほどのスタッツが取れてません。ご了承を。
試合開始から主導権を握ったのは清水。ボランチに入った村越の動きが素晴らしく、豊富な運動量で各所に現れながら、各所で常に相手の先を取る。しかし、互いに組織・個人双方で精度に欠いたプレーが多く、なかなか得点に繋がるプレーが生まれない。特に清水は、左MFにコンバートされた風間で展開速度が落ちる向きがあり、それをフォローする左SBの岡村は莫大な運動量を要求された。 そして27分、その左サイドで風間・岡村・村越の人数を掛けた攻撃のクリアボールから、名古屋が速攻の形で3対3。中盤中央から清水側左サイドに展開、30M程度の浮き球のパスに対し、高野が上手く落下地点に入ったと思われたが、後から入ったブライアンに競り負ける。ブライアンは縦に抜けたボールを、余裕あるトラップからクロス。フリーで受けた根津がワントラップシュートを放つと、しかし前田が反応。勢いを殺せずにボールはゴールに吸い込まれていくが、前田より先に上村が詰めて、名古屋が先制する。0−1。
この失点の前後から村越の運動量が激減しており、失点の気落ちもあって名古屋に中盤の支配権を譲り渡す。築館監督も早くも風間を諦め、昨日フル出場を果たした篠田をピッチに。しかし篠田は体が重くてスピード勝負に難を抱えており、それまで岡村に牽制されていた名古屋・山田に自由を与えることになる。 31分、清水左サイドで篠田が山田と1対1。静から動への急激な変化で篠田は体を交わされ、縦に抜けられてクロス。ニアのブライアンがトラップ、高野が追いすがる前にフリーでシュート。痛烈にニアサイドを割り、0−2。 対する清水の反撃は39分、谷野の右クロスはDFに跳ね返されるが、小林が拾って突破。思い切って縦に駆けると、タッチラインギリギリから強引に折り返す。これをファーサイドで待つ村越が、難しい体勢ながらアクロバティックなボレーで合わせる。しかし、ボールはコントロールできず、大きく上空に舞った。これが最大の好機で、ゴール前で仕事ができないまま、2点の先行を許して前半を終えた。
名古屋 清水エスパルス 7(6) シュート 2(1) ○村越、×村越 6(3) 右クロス 8(1) ×雄也、×小林、×小林、×岡村、×小林、×谷野、○小林 ×小林 3(1) 左クロス 2(1) ×岡村、○岡村 0(0) 左右CK 2(0) ×岡村、×風間
[後半] 後半開始後も、流れは変わらず。中盤の支配権を譲り渡したまま、名古屋は3トップのため前線にウィングプレーヤーが残るのだが、これをSBが止められない。簡単にクロスを入れられすぎるが、中央CBが粘り強く跳ね返す。 すると10分、素早くサイドに捌かれたボールを、谷野が簡単に前方へパス。そこにPA内から望月が流れてくるが、追い掛けるようにGKも思い切って飛び出す。それを見た望月、受けるやターン、そしてPA左角から、ループシュートは20Mの流麗な曲線を描いて、ネットへと引き込まれていった。1−2。相手のミスに付け込み、反撃開始である。
これを受けて、築館監督は森安を投入。消耗した村越を最終ラインに戻し、森安を中盤に。篠田と同様に前日90分間出場を果たした森安、運動量こそ少なかったが、局地戦の強さで中盤の支配回復に貢献。漸くボールを動かせるようになる。 19分、谷野が中盤のプレスに対して粘り、ターンから雄也に戻す。雄也は縦に開くと思わせて切り返し、中央に侵入すると距離30M程から思い切ったシュート。強烈なボールは、だがバーを叩く。 一方の名古屋の攻撃は20分、小出がスピード豊かに清水右サイドを突破。雄也も付いていくが、距離を詰め切る前に折り返される。ブライアンがニアで雄也と村越の間に入り、ターンから縦に加速して村越を置き去りにし、シュート。しかし角度無く、前田が正面でガッチリとキャッチ。 サイドの守備は劣勢が続き、21分にも名古屋の右クロス。しかし、PA中央手前での空中戦に森安が競り勝つ。クリアボールを小林が受けると、一気に40Mロングフィード。これを受けて獅子内、単独突破を図るとマークと激しく競り合いながらPA内へ。マークを振り切れず、最後は交錯して互いにPA内に倒れ込む。これに審判の笛はなし。諦めない獅子内が必死にボールを転がすと、それを受けた望月がPA内、切り返しから落ち着いてガラ空きのサイドに流し込む。2−2。監督の指示通り、実に泥臭く粘った獅子内のプレーだった。
2点差を追い付かれた名古屋だが、24分、速攻の形。選手交代を機に左にポジションチェンジしたブライアンの突破。雄也がフェイントに惑わされて中に切れ込まれると、ラストパスを送られた上村が、中央から思い切りよくシュート。前田はノーチャンス。2−3。 しかし、清水も譲らない。その失点後の再開キックオフ。センターサークルから中盤に戻し、森安が大きくチェンジサイドクロス。それだけで岡村がオープンスペースに抜け出し、速く強く小さく沈む完璧なクロスを、獅子内が脚から飛び込んで、目一杯伸ばした足先で押し込む。3−3。本当にあっという間に追い付いた。
これで当然、勢いは清水。最終ラインを高く押し上げて、攻勢を掛ける。前線に3人残す名古屋に幾度か逆襲を受けるが、前田・篠田のファインプレーも飛び出し、これに耐える。27分の雄也の右クロスは逆サイドに流れるが、岡村がフォロー。反転して一度戻すと、そこに篠田が勢いよく攻め上がり。加速したままPA内まで突入するが、そこでDFのタックルが入る。こぼれ球は右サイドに跳ね上がり、待ち受ける小林がトラップから、コースをよく見てループで狙う。が、ボールは十分に落ちなかった。 35分、小林の右クロスはニアでDFに跳ね返されるが、森安がPA手前でクリアをカット。その勢いのままPA内に突入したところで、足を引っ掛けられて倒れるが、判定はノーファウル。 しかし38分、またもブライアン、清水右サイド。対峙する雄也のタックルをビクともせず、逆に引っ掛けた足ごと雄也の巨体を倒して突破すると、PA内で抉ってマイナスのセンタリング。2人がかぶっていたが、杉原がトラップで前に落として助走からの近距離シュート。前田の牙城、崩れる。3−4。
終了2分前に再度突き放され、DF陣がさすがに落胆を隠せず、膝に手を当てて暫く立ち上がれない選手も多かった。しかし、清水は最後の力を振り絞る。ロスタイム、小林がスローインで戻すと雄也に対するチェックが甘く、スルスルと中に切れ込む。ゴールまでの距離30M程からアーリークロス。綺麗に巻いたボールに、思い切りよく飛び込んだ岡村が中央至近距離、相手の前に競り勝ってヘッド。完璧に決まった形だったが、GK横っ飛びで片手一本、ディフレクト。DFのクリアボールを、さらに雄也がミドルを放ったが、これはニアを僅かに外れる。 まるでトップの澤登のヘッドのような展開。同じように互いに組織が未熟で、個人技主体の勝負であったが、やはり時間は足りずにホイッスル。敗北を喫した。
名古屋 清水エスパルス 6(6) シュート 11(6) ◎望月、×森安、◎望月、×雄也、◎獅子、×小林、○森安 ×森安、○望月、○岡村、×雄也 10(0) 右クロス 4(1) ×雄也、×雄也、×小林、○雄也 3(2) 左クロス 4(2) ◎岡村、×岡村、○岡村、×篠田 0(0) 左右CK 2(0) ×岡村、×岡村
▼試合結果 清水エスパルスユース 3−4 名古屋グランパスエイトユース 得点:前半32分:名古屋・上村晋平 (なし) 前半36分:名古屋・ブライアン(山田元気 ・右クロス) 後半10分:清水 ・望月祐甫 (谷野紘由 ・スルーパス) 後半21分:清水 ・望月祐甫 (獅子内善雄・ポストプレー) 後半24分:名古屋・上村晋平 (ブライアン・左クロス) 後半24分:清水・ 獅子内善雄(岡村総一郎・左クロス) 後半38分:名古屋・杉原 翔 (ブライアン・左クロス)
▼選手寸評 前田陽平 6.5 横っ飛びに飛び出し、実に軽やか。強風に煽られないキックが観衆に人気。
杉山雄也 5.5 疲労のせいか競り合いが不安定。一方で華麗な足技を突破とパスで魅せた。 田淵将天 5.0 周囲の状況変化に対し後手を取ることが多く、流れから置き去りにされた。 高野美臣 5.5 読み切ったリスクチャレンジはさすが。局地戦では、さすがに脆さが出た。 岡村総一郎 7.0 前日45分出てたと信じられない運動量。守備でも強引に体を入れて力強い。
小林拓矢 6.5 攻守に役割は十分に務めていたが、この面子なら決定的な仕事を求めたい。 谷野紘由 6.0 ボールのある場面では粘り強く、視野も広い。しかし有機的な動きに不足。 村越大三 5.5 30分迄は激しさを伴った運動量で中盤を制圧。その後の失速も激しかった。 風間翔太 4.5 ゴールに向かう思い切りが不足。ダイレクトでクロスなどの挑戦が欲しい。
望月祐甫 6.5 試合から消え、得点以外のFWの仕事を果たせず。だが得点は素晴らしい。 獅子内善雄 6.5 望月を前線に残し、得点以外のFWの仕事を泥臭く担当。質より量で勝負。
篠田大輔 5.0 時折光るプレーもあるが、どうにも不安定。対面の相手にゆとりを与える。 森安洋文 6.5 体は重く、フィルター役になれず。が正確なキックと局地戦の強さで貢献。
--- 清水エスパルス−セレッソ大阪(Jリーグ・第1ステージ 第2節)
[前半] C大阪 清水 3(−) 得点 1(−) 8(5) シュート 6(4) ×エメ、○アン、○アン、○鶴見、◎ツト、×アン 2(1) 右クロス 1(0) ×森岡 4(1) 左クロス 2(1) ○アレ、×アレ 1(0) 左右CK 7(1) ×アレ、○アレ、×アレ、×アレ、△アレ、×アレ、×アレ 11(−) ファウル 8(−) 2(−) 犯OS 0(−) 46% 支配率 54%
[後半] C大阪 清水 2(−) 得点 3(−) 5(3) シュート 9(5) ◎北嶋、○和道、◎森岡、◎アレ、×アン、○ツト、○澤登 ×伊東、×鶴見 2(1) 右クロス 4(3) ◎伊東、○伊東、×ツト、○森岡 3(0) 左クロス 5(3) ×ツト、○アレ、○村松、×村松、○アレ 1(1) 左右CK 2(1) ○アレ、×アレ 9(−) ファウル 10(−) 2(−) 犯OS 1(−) 48% 支配率 52%
4月5日分に書こうとしたら、文字数オーバーでエラーになってしまったので、こちらで。 あくまでスタッツ的には清水の優勢である。8本の枠内シュートで5点奪われるGKもどうかと思うが、守備の問題はもっと組織的なもの。最終ラインは待ち構えるだけで、ラインブレイクをしない。ラインブレイク(主に攻撃参加から遅れたことが原因)した際は、空いたスペースを埋める動きがない。定石的にはSBが中に絞れば、サイドMFが下がることになる。だが、原因を一つに絞るとしたら、前線と最終ラインの距離が開きすぎの上に、それぞれの端に人数が偏って中盤に人がいないことだろう。コレクティブなサッカーでないと、J1の戦いは厳しい。
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