2002年12月08日(日) |
Jユース杯 決勝トーナメント 展望 |
清水エスパルスユース クラブユース優勝・高円宮杯出場・Jユース杯予選D組1位[静岡県] 監督・築舘範男
全日本ユース高円宮杯では、クラブ王者として恥ずべき初戦敗退。行徳氏が急遽トップコーチに昇格し、築館氏が新たに監督に就任する慌ただしい状況の中、Jユース杯でも緒戦のアウェイ・ヴェルディ戦を落とし、激戦区D組の中で苦戦が予想された。だが、結局その後7連勝で順当に勝ち抜き。ライバルチームの主力がトップ合流や引退で欠くなど恵まれた面も多かったが、エスパルスもまた23人を起用し、12人が得点を記録。層の厚さを見せつけた。 緒戦の相手は愛媛FC。今年のクラブユース選手権(以下、クラセン)で対決し、5−0で勝利している。攻撃的MF、或いはFWで起用される西川は、今年JFLで得点も記録し、JFL敢闘賞を受賞している。力強いドリブルからの一発があり、全く油断のできない相手である。
エスパルスのシステムは伝統のフラット4−4−2。杉山浩太・大瀧義史・枝村匠馬・山本真希という各世代を代表する選手が揃う豪華な中盤が、最大の特長。しかし、その攻撃の色は誰が軸になるかで大きく変わる。 ユース年代では別格の存在感を誇る浩太が仕切る攻撃が基本となるが、それは少ないタッチで執拗に裏のスペースを狙う、リアルな現代サッカー。一方、今年急成長を見せる大瀧が仕切れば、足下のテクニックを活かして清水らしいファンタジーを演出する。枝村ならば、ワイドな展開と放埒なポジションチェンジによるダイナミズム。それを、あらゆる展開に対応する万能型FWの仁科と、爆発力のある阿部がフィニッシュを狙う。 クラセンとの大きな違いは下級生の成長で、左に大瀧と違い攻撃を仕掛けられる真司・岡村、右に拓也と異なり攻撃を創れる上埜が台頭してきた。左のドリブラーたちは、正確な足下へのパスを持つ大瀧の方が相性の良い印象もあり、浩太依存症は確実に改善されてきている。例え中盤を潰しても、前線には一人でカウンターを貫徹する男、阿部がいる。
例年と違い、今年はあまり攻撃に人数を掛けない。ボランチの一人は原則として最終ラインの前に残り、エスパルスの代名詞とも言えるサイドアタックも、無理にSBが上がることはない。但し、天野の浮き球での前方パス、森安のロングフィード、篠田のアーリークロスは、どれも飛び道具となる。その最終ラインは、1年からレギュラーを張る高山・渡邊の前に出る守備が光るが、今年は力押しに対しても枝村や森安が激しい潰しで対抗している。その大胆に高いDFラインの後ろでは、守備範囲が広「すぎる」男、山本海人が控える。
戦術理解度の高い3年生が揃い、組織としては非常に高いレベルにある。逆に攻守共に、力強い個人の力に対して弱点を見せる。中盤にタレントが多く、またFWやDFもMF的なセンスを持ち味とするために、局面局面の勝負に弱い。このあたりは逆に、大瀧−阿部のホットラインを軸に、2年生の個の力に期待したいところだ。
■選手名簿 こちらを参照のこと。 選手個人別の詳細は、こちら(3年生、2年生、1年生)
■予想フォーメーション(名前の横は学年)
−−−−−−−−阿部文一朗2−−−仁科克英3−−−−−−−−−
−大瀧義史2−−−枝村匠馬1−−−杉山浩太3−−−杉山拓也3−
−森安洋文2−−−高山純一3−−−渡邊優希3−−−天野数士3−
−−−−−−−−−−−−−山本海人2−−−−−−−−−−−−−
控え:GK風間翔太1、DF高柳亮太2、DF篠田大輔2、MF上埜健太1、 MF岡村総一郎1、MF山本真希・中3、FW鈴木真司1
■チームプロフィール ※クラブユース選手権の記事を参照方。前述の通り、監督は行徳氏から築館氏に代わった。
■主力選手 06渡邊優希 720分出場1得点1アシスト。副将。全8試合フル出場を果たした守備の統率者。 20高山純一 630分出場1得点。最終ラインにいながら、ボランチの仕事を兼任する守備の要。★△○# 24枝村匠馬 630分出場1得点。地味な潰しとワイドな展開力と大胆な飛び出しを見せる副官。#! 08大瀧義史 623分出場4得点7アシスト。精力的な動き出しを習得し、魔法の左足を振るう。! 17天野数士 608分出場。クラセン決勝浦和戦を経て自信が漲る。堅実な守備を見せる右SB。 21山本海人 540分出場。巨躯と似つかわないアクロバティックな動きのふぁんたじすたGK。* 07杉山拓也 500分出場3得点2アシスト。予選は左SB・右MF・FWを担当。豊かな走力。 10杉山浩太 500分出場3アシスト。主将。別格の存在感を誇る我が侭王子様は最後の戦いへ。★△◇○# 11阿部文一朗 454分出場5得点1アシスト。1ゲーム1ゴールスコアラー、最終兵器アベブン。◇#! 18森安洋文 425分出場1得点。荒削りな力強い守備と、繊細なロングフィードを持つ左SB。 13仁科克英 420分出場3得点2アシスト。判断力も得点力も突破力も守備力も。万能型FW。#
03上埜健太 364分出場。まだまだ判断や動きは甘いが、その両足に魔法を宿す。 05篠田大輔 336分出場2アシスト。戦術理解度の高い左SB。クロスに磨きが掛かる。 26鈴木真司 334分出場3得点1アシスト。高い運動能力と技術を兼備するファンタジスタ。 15岡村総一郎 229分出場1得点。俊足と強い意志を有するレフティドリブラー。 16風間翔太 180分出場。低身ながら安定した技術を誇るGK。 02山本真希 132分出場1アシスト。瞬発力と相まって凄まじい攻守の切替の速さを見せる。 ▽! 04高柳亮太 101分出場。手堅い守備とフィードを披露するCB。
★…U19日本代表候補 △…U18日本代表 ◇…U17日本代表 ▽…U15日本代表 ○…都道府県国体選抜 #…二種登録 !…ナショナルトレセンU−17 *…U18/15GKキャンプ
■2002年度公式戦戦績 [クラブユース選手権・グループリーグ] 第1戦:○2−0 神戸 (兵庫) 得点:仁科、大瀧 第2戦:○5−0 愛媛FC(愛媛) 得点:阿部、仁科2、高山、杉山拓 第3戦:○4−0 C大阪 (大阪) 得点:阿部、大瀧2、杉山浩
[クラブユース選手権・決勝トーナメント] 1回戦:○5−0 塩釜FC(宮城) 得点:阿部、仁科、杉山浩、高山、鈴木 準決勝:○8−0 名古屋 (愛知) 得点:阿部4、仁科、杉山浩、枝村、OG 決勝戦:○1−0 浦和 (埼玉) 得点:大瀧
[高円宮杯] 1回戦:×0−1 仙台育英(宮城)
[Jユースカップ2002・予選] 第1節:×1−2 東京V (東京) 得点:阿部 第2戦:○1−0 磐田 (静岡) 得点:仁科 第3戦:○6−2 磐田 (静岡) 得点:阿部3、仁科、高山、渡邊 第4戦:○2−0 東京V (東京) 得点:阿部、枝村 第5戦:○6−0 柏 (千葉) 得点:拓也2、大瀧、真司、岡村、田淵 第6戦:○3−2 柏 (千葉) 得点:大瀧2、真司 第7戦:○2−0 大宮 (埼玉) 得点:拓也、獅子内 第8戦:○4−0 大宮 (埼玉) 得点:大瀧、仁科、真司、森安
※D組1位:8試合7勝0分1敗 25得点6失点 得点者: 阿部5、大瀧4、仁科3、拓也3、真司3、高山、渡邊、枝村、岡村、田淵、 獅子内、森安 得点占有率:阿部200%、仁科142%、大瀧108%、拓也83%、真司75%、枝村50%、獅子内50%、 森安25%、高山17%、渡邊17%、岡村17%、田淵17%
■出身現役Jリーガー ※クラブユース選手権の記事を参照方。
■試合日程 1回戦 12月15日(日)13:00- 三保G 対 愛媛FC 2回戦 12月23日(月)13:30- 川越 対 鹿島/市原 準決勝 12月26日(木)13:30- 長居2 対 G大阪/愛知FC/大分/F東京 決勝戦 12月28日(土)11:30- 長居ス 対 広島/横河/京都/緑色/横浜/塩釜/浦和/札幌
○三保グラウンド ・JR「清水駅」よりバス(9番のりば)三保山の手線・三保静岡線「三保ランド」行きで終点下車 ・静岡鉄道「新清水駅」よりバス(4番のりば)三保山の手線・三保静岡線「三保ランド」行きで終点下車
○川越運動公園陸上競技場 ・JR埼京線、東武東上線「川越駅」東口または西武新宿線「本川越駅」より東武バス 「川越運動公園」行きで終点下車 ・JR埼京線、東武東上線「川越駅」東口または西武新宿線「本川越駅」より東武バス 「埼玉医療センター循環」、「上尾西口」行き乗車「大下」下車徒歩10分
○大阪長居第2陸上競技場 ○長居スタジアム ・市営地下鉄御堂筋線「長居駅」より徒歩5分 ・JR「天王寺駅」より阪和線に乗換え「鶴ヶ丘駅」より徒歩3分、または「長居駅」より 徒歩5分
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