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| 2007年01月16日(火) ■ |
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| 伯爵と25のシチュエーション |
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始発電車に揺られて、目的地を目指す。
左隣に座る女学生。 身の細い、お下げの彼女はうつむいている。
前の車両から学ランを着た男が入ってきた。
彼は彼女を見つけると近づいて、彼女の目の前に立ち止まる。 彼女は顔をあげた。
彼と彼女は少しの間目を合わせて、
「二ヶ月ぶりか、君はどこに行ってた?」 「ちょっとね、学校休んでたの」
力なく笑う彼女に、彼は冷めた目をして言った。 「一応言っておく。あけましておめでとう」 そして頭を下げた彼に、彼女は何を思ったのか、少しだけ笑みを増して会釈した。
そして彼はわざわざ彼女から離れた席に座る。
それを見ていた私は今年も、もう半月経ったのかと少しため息をついた。
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