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海老日記
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2007年01月17日(水)
カンテラ伯爵と25のシチュエーション


 Eの車に乗って、岬を目指す。
 どうでもいいことを話して、僕は相槌を返すだけ。

 でも、要は返し方だ。
 話題をつなげられるようなうなづき方をすれば、相手はいくらでも喋ってくれる。そのうち話題は本筋を離れて、就職活動の話をしていたはずなのに気がついたら「平成狸合戦ぽんぽこ」について語っていた。
 変な感じだった。彼は院に進むのか就職するのかと質問していたのに、四国では狸が神様であることについて答えていた。

 なんだか、変な感じだが、いつもこうだ。
 だったらいつも変なのだろうか。

 こんどは後輩の可愛い女の子についての会話になったはずなのに
「なあ、カンテラ。俺ってお前にとってどんな奴なの?」
 Eが突然訊いて来た。
 即答。
「そんなこと、今更口にするような間柄じゃないでしょうに」
 彼が求めていたのは、そういう言葉ではないことを知っている。
 それでも、こうしか答えられない。



 恥ずかしいじゃないか。


 外を見る。
 ガラスに反射したEの顔が見えた。