独り言
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2006年11月16日(木) HappyDeathMarch

文明の力無くして私達人間は余りにも無力であると思われ

殆どの人間が自らの能力のみで自然界からエネルギーを抽出する事は今となっては不可能であり

それに比べたら私達が薄汚いと罵ったドブ川に浮かびその流れから微生物を濾しとったカルガモの残した水紋や

私達がノロマと蔑んだミドリガメの日光浴の方が余程優れている様に思われ

そんな情景にこうも永く身を据えていると自分が人間である事がとても情けなく惨めに思えて仕方無く

所謂上昇思考とかいうのが行き着いた結果を進化とするべきか退化とするべきかは百万年後の学者どもにでも委ねればいいが

より多くを手にした事によって生まれた喜びよりそれと同等に尊い何かを失った事によって刻まれた悲しみの方が

ずっと鮮明に描かれている様な気がするのは

単に私が生まれた事さえも罪だと感じてしまう位に暗い性格の主だからだという事にしておこう



今日
改めて生きようと思ったが
生きる意味が見当たらないのでやめた

そして今日
改めて消えようと思ったが
消える意味が見当たらないのでやめた

そして今日
改めて生きるしかないのだと思ったが
それがどうにも上手くいかないのである


取り合えずギターを弾いてみる
そして溢れだしたメロディーを口に含んでみたが
何とも味気無くて
結局今日も飲み込めず辺り構わず吐き散らす

ミス・ユニバースが流す涙よりも価値の無い言葉達と共に




この世に真実なんて一つも無い

もしあるとするならばそれは生と死だけ




ゴミ処理場の上のブルース・プレイヤー

ワイセツな雑誌に興じる老紳士と内蔵脂肪から逃げ惑うアンダー・フォーティー・ランナー

子供達は銀杏拾いに使命感さえ感じ始め
それをうながす保育士のアクビは第一級神父の美辞麗句よりずっと板についている



着飾った婦人が私に煙草の火をねだる
私は直ぐ様立ち上がり婦人に火を分け与えながら対象無き名台詞をつぶやく

「もうすっかり冬ですね」


「えぇそうですね」

どういう訳か婦人は私の独り言に相づちを打ち優しく微笑んだ
そして水鳥の仕草で軽く会釈をすると枯れた遊歩道を西へ


その後ろ姿を見送りながら私はまたしても私自身を偽る為に何度も何度も何度も何度もこう繰り返す


「人生は素晴らしい」と



ブルースが終わらない

もうすっかり缶コーヒーは冷えきってしまったというのに




HappyDeathMarchToMe
HappyDeathMarchToMe
HappyDeathMarchDearMyBirthDay
HappyDeathMarchToMe


さぁご一緒に♪


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