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2002年02月14日(木)

君が好き。(プラムロー、ルビカロ、ゼサヒ、プラアレ)


別にいいじゃないか。
チョコレートじゃなくたって。手作りじゃなくたって。
心が篭っていれば。

彼は甘いものが苦手なんだし、かと言って他の食べ物はと言えば料理を今まで一度もしたことのない自分にとっては絶対に無理な話だから。
だから皆はそう言うけど…

売ってる物をあげるのは嫌だ。何だか他にもあるのは嫌なんだ。
自分だけが彼にだけできること。ただ一つのこと。
ただそれだけのことなのにどうしてこんなにも難しいのだろうか?


今日の、バレンタインの贈り物。



「プラム、何作ってるの?」
「えへへ〜vチョコレートですぅ〜〜♪」

そう言って彼が一生懸命混ぜてるものは何だかピンク色のもの。…チョコレートって茶色とか黒色っぽくなかったっけ?

「あま〜いあま〜い、いちごあじーですぅ♪」

それを聞いてある程度は納得した。だが、

「…でも、溶けきってないって言うか…砂糖ばっかりじゃない?」

じゃりじゃりじゃりじゃり、と混ぜるたびに音がなっているのは気のせいではないはず。

「だからあまーくしてるんですってば〜!!もー、あれくはだまってくださーいー!!出てってくださーい!!」

とうとうキレて厨房から追い出されてしまった。
『アレ』を渡される相手が何だか気の毒に思えた。けれど、きっと残すことなく完食するのだろう。彼のおねだりモードに押し切られて。

「…頑張れ、ロード!!」

俺は奈落王だけど何もしてやれないよ、と付け足して。


コンコン。
「カロール入っていい〜?」
「あ、アレク様。どうぞ、散らかっておりますが…」
「お邪魔しま〜っす…」

散らかっていると言われてたが、そう気にするほどのものでもなかった。きっと床に転がっている3個の毛糸の玉を『散らかっている』と指したのだろう。

「何か作ってるの?」
「あ、はい…手袋とマフラーを…」
「バレンタインのプレゼント?」
「…え、…えぇ…」

そう言って見る見る内に顔を紅くしていった、カロール。…何か可愛い。

「いいなぁ〜…こんなの作れて。俺なんかぶきよーだから無理だよ。うらやまし〜な〜…」
「王子だって作れますよ。マフラーだけなら案外簡単ですから…」
「でも、時間がないよー。だって今日じゃん、バレンタイン。」

それだったらもっと早く気付いて教えて貰っておけばよかったな、と思った。…けどカロールが使ってる手なんだからどの道やらなかったか。誰も考え付かないこと、物を送りたいと思ってるから。

「……………ルビィに?」

余りにも幸せそうに毛糸を編んでいっているから少し腹が立って意地悪にそう訊いて見た。…案の定カロールは顔を真っ赤にさせてぽろりと編み棒を落とし、数秒後動揺しまくって弁解する様が見られた。
と、その時。

「ひゃ〜♪俺ってモテモテやねんな〜vvこんっなにぎょーさんのチョコ、城づとめと下町の女の子からもろてしもたわ〜♪」

と、プレゼントボックスを両手いっぱいに抱えたルビィが入室してきた。

「お?来てたんか、坊主。どや?坊主も一個食うか?!一人では食べ切れんからなぁ…協力したってや☆」

何とも無神経且つタイミングの悪い発言だった。もしかしたらルビィはアレクをしのぐ天然かもしれない。…背後のどす黒い電波を撒き散らすカロールに気付いていないのだから。

「…お・に・い・ちゃ・ん…vv?」
「…ん?おわぁ!!か、カロール…!!何や何やその思いっきり裏のありそうな微笑みあーんど、猫なで声はッツ!?」

ようやくカロールの異変に気付く。…だが、それだけだ。自分が悪い言動をとったことには気付かない。…恐らく、この後も。

「お、俺…お邪魔みたいだから出てくね♪じゃぁね☆;;」

この後繰り広げられる光景が何となく予想できていそいそと退室する。

「…えぇ、アレク様…なんのお構いも出来ませんで…v」
「ううん!!じゃ、じゃ〜なッツ!!」

バタン!

扉を閉めた次の瞬間から何とも表現しにくい擬音語の羅列が聞こえてきた…。



再び厨房に戻ってみるとプラムじゃない、別の歌声が聞こえてきた。

「…サフィ?」
「っうわッツ!!あああああああ、…あれく様??!」

普通に声をかけたつもりだったのに『わっ』って驚かしたときみたいにサフィはすっごくびっくりしていた。

「驚かしちゃった?ごめんね。…何作ってるの?」
「あ、いえ…あぁぁぁ…!!み、見ないでくださいぃぃ〜〜;;」

だが、時既に遅し。しっかり見えた。チョコレートケーキ。…特大の。

「も〜、またこんなにデカいの作っちゃって…。皆で食べても絶対残るぞ?」
「あ、えっとこれは皆さんに差し上げるものではなくてその〜…」

顔を真っ赤にさせてるところを見ると…誰か『特別な人』にあげるのか。

「もしかして俺じゃないよね…?;」
「…申し訳ありません、違います…」
「だよね。大穴狙いでジェイド?」
「…………」

真っ赤になって俯く。

(マジ…?)

カロールと言いこいつといい…何か長年の付き合いのお陰か結構わかりやすい反応をしてくれるとアレクは思った。

「ん、え〜っと…なーサフィ…。俺さ、プラチナにプレゼントあげたいんだけど何あげればいーのかわかんないんだよ。何か良い考え、ない?」

気まずくなって苦し紛れに出した話題だったがサフィも必死だったようですかさず乗ってきた。

「そ、そ〜ですね!『心が篭っているもの』と一口に言っても難しいものですし。…特にアレク様は『他の人がやってるようなことは絶対にしたくない!!』なんて思ってるでしょう?」
「うん。」
「では、助言を。アレク様は特別な存在です。『奈落王』という。奈落王は天候さえも操ると昔から言われてきましたが…これは本当のことなんですかね?」
「…え?」
「アレク様はアレク様でいいんですよ。…プラチナ様はそんなアレク様だから好きになられたんです…。」

あとは貴方の知恵次第ですよ、と。ニッコリと微笑むサフィはとても優しくて。本で読んだ『母上』みたいだった。

「ありがとう!サフィ!!」

そう言って溜まらず厨房から走って出て行く。

「廊下は走っちゃいけませんってば!!」
「判ってる〜!!」
「…じゃぁ、何で走ってるんですか?…はぁ。」

全然困った素振りではなく溜息をついて窓の外の空を見る。相変らず晴天だ。…けれど午後からは雪が降る。そして積もることだろう。

「…可愛らしい娘を持った母親の心境…ってトコですか。」

そうしてチョコレートケーキの作成が再開された。



「…寒いと思ったら、雪ですよ。プラチナ様。」
「何?!」

プラチナの執務室。ジェイドがにこやかに外の状況を説明するのに対してプラチナはそれを聞いて心中穏やかではなくなった。
それもそのはず。奈落は奈落王の全て。四季はあれども天候管理はできるため雨や風や雪吹雪あられ雹などの悪天候は全て『必要な時』のために予定されたスケジュールで奈落王によって行われる。もし、予定外の悪天候があった場合は奈落王の身に何かあった時なのだ。

「兄上が体調でも崩したのか…?!」

そう言って椅子から立ち上がって執務室から出ようとするプラチナに容赦なく圧力の魔法をかける。

「落ち着いてください。それなら真っ先にココに連絡が入るハズでしょう?…きっと今年は雪を積もらせられなかったから欲求不満で勝手に降らせてるんでしょう。」
「馬鹿な!無断で…」
「…それに今日はバレンタイン・ディですし?雪が降ったほうが盛り上がりますからね〜♪」
「…なるほど。…だから今日は訳の判らないプレゼントが届いているのだな。」

圧力の魔法を解呪し、再び部屋を出ようとする。

「何処へ?」
「今日の執務は終了だ。」
「御意…っと。」

目的地は…中庭。



「ん〜〜〜…蒼い木の実が中々ないんだよなぁ……あ、あったvv」

ぷすぷすと白い塊に二個、小さな蒼い木の実を埋め込む。

「で〜きた♪」

左右の二つの手のひらには白い塊が3個乗っていた。


「何をしている兄上。」

間もなくプラチナが到着する。

「あ、プラチナ…」

怒られると思って何となく身構えた。防寒はしっかりしているつもりだし、仕事も終わらせて来ている。怒られることと言えば予定外の雪を降らせたことくらいか。

「う、ゴメン…」
「…何故、謝る?」

怒られる前に先手を打って謝ったのだが帰ってきた言葉は怒声ではなくてとても優しい声だった。
そして、左手をとられる。

「な、何?」
「手袋を外すぞ?!」

するりと外されて薬指にはめられた物は、蒼い水晶で出来た指輪。そして間をおかずに手袋をつけられる。

「な、何今の…」

もう一度確認するために手袋を外そうとしたが、それはプラチナの手によって制止された。

「バレンタイン・ディ…だから、な…。あとで、俺のいないところで見てくれ。」

…恥ずかしいから。
もう一方の手で覆い隠した顔から除く赤色がそう物語っていた。

「うぅ〜…嬉しいけど、こんな凄いもの貰ったら俺からのプレゼントが何だかショボく思えるじゃん〜〜…」
「…?何だ?」
「コレ。」

白い雪兎。それぞれ瞳は赤いものと青いもの。そしてその真ん中にはハート型の雪の塊があった。

「いいアイデアだとおもったのにな〜…」
「そうか、…だから雪を降らせたんだな。」

2体の雪兎にそれぞれ口付ける。続いて、アレクに。

「兄上らしい。…俺は嬉しいぞ?それでも不服か?!」
「…ううん。プラチナが喜んでくれたんならいい。だってプラチナのためのプレゼントだもん♪」

アレクからも背伸びをしてキスをする。

そっと布伝いに感じる。あの蒼い水晶のリングはプラチナが自分の心をこれからも縛り、守ってくれているようだと嬉しく思った。


□□後書き□□

ちゅーか、長いんよ。私のSS。…すみません…。作文よりも論文の方が得意だったりそうじゃなかったり。(どっちよ)
ベリルとジルが出てきてませんがー…彼らはそーゆーお年でもないんで(笑)つーか、考えられます?あの二人がチョコとか渡しあってるシーンなんて(恐)
因みに一番書き表したかったシーンは意外にもルビカロでした。初ルビカロー♪イエーィ☆キングオブヘタレ攻めルビィばんざーい!!(笑)そうです、あれでも攻めなんです。因みにプラム×ロード、ルビイ×カロール、ジェイド×サフィルス、んで、プラチナ×アレクです。サフィルスの特大ケーキは全部ジェイドさんの胃の中に収まりました。私の中ではジェイドさんはフードファイター並の大喰らいと言う設定が出来上がってたり。だってサフィがあんなにもたくさん料理つくるのはきっとジェイドの食べる量が半端じゃなかったからだと思うのよ!!で、「あ〜、自分は以外にもカナリの小食なんだ」と勘違いして今に至る、と。…ハハハ、ドリー夢さね。
…プラム×ローといい、ルビカロといい、ジェサフィといい…これって乙夜ママが読んでくれたらもしかして喜んでくれるじゃなかろーか?…ハイ、実は私は椿●パパよりも乙夜ママの方がアポクリにおけるカップリングの趣味は合致してたりします。お母さん子だからーvv(死)
…なんにせよ。バレンタイン企画は完了です。お子様部屋の方はもちょっと後日談とか書いていきますが。


      

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