2002年01月08日(火)
サクラサク。4月7日。大抵の高等学校が新入生を迎え入れる日である。 俺、アレクサンドル・パストゥールもその『新入生』の一人でこれから入学式会場に向かうところだ。
「見てみて!!桜並木!!」
先にある桜並木の道を指さす。
「綺麗だね〜」
その言葉を伝えた相手は自分の双子の弟のプラチナ・パストゥール。と、言っても俺とは全然似てなくって俺よりも背は高いし、俺と違って頭も良いから「本当に兄弟!?」っていつも他人に言われちゃうんだけど。
「兄上、はしゃぎすぎだ」
呆れられた!? ちょっと焦ってプラチナの方を向いて顔色を窺うけど…アレ?微笑んでる…!?
「全く兄上は元気だな」 「当たり前じゃん〜!!受験地獄も終わってこれから新しい学校で新しい生活!!自然と元気も沸いてくるよ!」 「受験地獄…か」
そう言って意地の悪い笑みを浮かべて続けてきた。
「兄上は『地獄』と言うほど勉強はしていなかった筈だが!?」
う…流石に兄弟には嘘ってばれるな。ってゆーか俺、プラチナに勉強教えて貰ってたし。………試験日2週間前に。
「俺の方が地獄だったと思うがな…?兄上に勉強を教えつつ合間を見つけては自分の勉強も…」 「わ〜!わ〜!!ごめんってば〜〜!!で、でも!いいじゃん受かったんだから。結果良ければすべて良しってネ♪」
冷や汗を思いっきりかきながら何とか言い逃れようと必死になる。
「冗談だ」
はぅぅ……冗談だって判っててもそれは聞いてて耳が痛いゾ〜!?(泣)
「兄上と同じ学校に通えて嬉しいから、構わない」
笑顔で嬉しいことを付け足してくれる。
「俺も一緒に通えて嬉しいv」
大好きなプラチナの笑顔を見せられてふにゃ、と思わず表情が崩れる。何だか…幸せvv 誘われるままにお互い手を繋いだ。
「いっぱい友達できるといいね♪」 「それは困る!」 「え?」
何気ない一言だったのに凄く真剣な否定の言葉が返ってきて驚いた。 見上げた顔はちょっと辛そうな表情を浮かべてた。 何で?と視線で訊く。
「兄上が俺以外の他の奴と仲良くしているのなんて見たくないな…」
苦笑をしながら言葉と一緒に施された抱擁。嬉しいやら恥ずかしいやら…。
「わっがままだなぁ〜」
呆れた素振りで返す。さっきの笑えない冗談のお返しだからな! そうしたら案の定覗き込んできた顔には不安の色が見えた。
「友達は友達じゃん。お前はちゃんと俺の『唯一の特別』だよ!」
これもお返し。さっき嬉しいこと言ってくれた言葉の、ね。 すると幾分か納得してくれたのかプラチナは笑顔に戻った。
「…それでも、嫌なものは嫌だな…」 「この期に及んでまだ言うか!!」
ぺし!
軽くチョップをお見舞いする。すると
「じゃぁ、兄上は俺が女性と話をしていて怒るのは何故だ?」
むす、とした表情で反撃してきた。
「それとこれとは話が違う!」 「違わない」
うぅ…頑固なんだから。
「男でも女でも好きだと思う気持ちには変わりはないぞ?俺が兄上を好きだと思うように…」
…あ、そっか。成る程。それで嫌がってるんだ。 ナゾが解けたら何だかプラチナが可愛く思えた。背伸びをして頭に手をやる。そして
ぽんぽん。
かるく頭を叩くようにして撫でる。
「プラチナだけだよ!?」
そして大サービスで頬にキス。その後には彼にしか向けない極上の笑顔。
「俺も、兄上だけだ」
頑張った成果かようやく納得してくれたみたいだ。
「うん♪さ、行こう!遅刻しちゃうよ!!」
繋ぎなおした手を引っ張って校門に急ぐ。
「同じクラスになるといいね」 「それはないだろう。同じ苗字が二人もいたら大変だ」 「そっか。じゃぁ、隣のクラスだといいね♪」
ひらりひらり。サクラサク。
ずっとずうっと一緒だよ!?
□□後書き□□
どこが学園モンやねん!!すんませんすんません!!まったくこいつらはどこのドイツ人なんざましょ。サクラサクとか高校とか受験とか… 舞台設定は明らかに日本。でも、横文字名。アレクサンドル&プラチナ・パストゥール。何か、し○ごママの学園天国〜校門編〜みたいなノリですみません。げっふ、ゲフン!!とにかく、これはなりチャのセレス様宛。ヘボですがもらってやってくだせぇ。
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