6日分から続く話。
訪問看護でスタッフが苦しむのは、ほとんどが 利用者(またはその家族)との人間関係のストレスではないかと思う。 要因はまあそこそこ考えられる。 訪問ならではの要素様々。 面白くないので書かないですが。
そしてそれを乗り越えられる人とそうでない人の差は何か? 一つは、職員同士のサポートと、もう一つは介護職つまり ヘルパーさんとの差にヒントがあるような気がする。
生活に密着した、言い換えれば正の意味も不の意味も含んだ 「汚れ仕事」であり「シャドーワーク」であることを、 初めから宿命つけられているかのように、充分覚悟を持って仕事に臨む 彼女たちに比べ、「医療職」であり、大きな集団で守られた「臨床育ち」で ある誇り高き訪問看護師には、それが耐えられないのではないか。
何となくそう感じるのですけど。 証拠に、というのもなんですが、 ワタクシ、行政保健師経験から来た人がそういう愚痴こぼすの 聞いたことないですし・・・。施設の経験ある人も・・・。
技術的には素晴らしい仕事をされるにもかかわらず、 病棟にどっぷり浸かって偏った看護をしてきたのかと 思える人ほど異様に愚痴が多い。
愚痴そのものは全然問題だと思わないけど、 その内容が「えっそんなことが耐えられないんだ?」という 実に「同じ仲間の中でずっと守られてきたお嬢さま的看護師」を 思わせる内容だったりする。 それまではその人が何年も援助してきた「患者さん」は 「素直」で、「物分りが良く」、「性格のいい人」が 多かったんじゃないですか(笑)
※ だとすれば「患者さん」は、看護者であるあなたたちに 対して、本当に思ってることや、本当の人間像や、生活は 全然見せてなかったのではないでしょうか。 違いますか?違うって自信を持って言える???ホント?
訪問看護は経験がなくても、それまでの職務経験で人の生活や、 素の部分にかかわったり、実際にはそういうケ−スに かかわらなくても、きちんと勉強し想像されていた人は、 すんなり訪問の仕事に溶け込んで喜びの方を多く 見出すことができると思う。
自分たちの相手は聖人君子でもなければ、時には人間として すごく嫌な人だっている、自分と同じ、ただの生身の人間だと 言うことがたぶんわからないのだろう。 そして自宅という本当の利用者自身の舞台に、 よそ者として上がっているのは自分たち看護者だと 言うことが、何年経験してもずっとその人は、 本当にはわからないのだろう。
わかろうとしない限りは。
何かと嫌だ、大変な利用者ばかり、とこぼす架空のあなたへ。 もっとひどいことなんて、世界には山ほどある。 誰でも自分が一番可愛い。苦労なんてしない方がいいと自分だって思う。 でも痛いほど人とぶつかり合ったり、自分を追い込んで死にそうに なってみたり、時には危ないことをやって見たり、そういう傷の経験が 転ばない人のバランスを作る。傷から早く癒える強さを作る。
明るい所しか見えず、見ようとしないおとぎの国の お姫様・奥様・王子様看護師なんてまっぴらだ。 痛みも傷も持ってるような人にわたしは看護してもらいたい。
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