真昼の浴室で君と遊ぶのが一等楽しい。バスタブにはただ君と僕だけが満ちている。僕らの明日はこの風呂場の明るさほどしかないけれど。君の帰ったあとの浴室に日々の寂しさが浸みている。天井の白さを汚す黴が自分なのだと気づくのにさして時間はかからなかった。日も暮れた、電気の通らない浴室は穴蔵に相応しいのでただ君を待って引きこもるだけ。ずっと続く夜のこと。できるならバスタブを涙なんかではなくて僕ら自身で満たしたいのに。僕ら自身で満たしたいのに。