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■ 足音
雨の音を音楽に重ねて 窓にへばり付いた自分の顔を眺めながら 吐息で硝子を曇らしながら 蝋燭の光を消してみた
電柱の下に置いてあったネコは死んでたよ
傾く夕日が確認できないくらい 自分の目が濁っていて 起き上がる太陽を見つけられないくらい 太陽は色褪せてた
時間が自分とは関係場所で流れていて けれどその存在は一秒一秒 自分の身体に刻み込まれてて
もう動けないよ って嘘を吐いた
窓に映る顔は雨がぶつかるごとに 音を立てながら歪んでいって それをただ呆然とみつめる
湿った匂いが好きだったんだ
湿った匂いと 一瞬だけ すべてをはっきりさせる稲妻が すべてを記憶して 瓶に封じ込めた
毎年 その轟音と湿気が 瓶の蓋を開けに来る
轟音は年々 小さくなってきて 今では耳をすませないと聞こえない 忘れていれば良いものの 今度は自分の手で それを 開ける
手の甲についたエンピツのあとが 時間を徐徐に凝縮させ 体温が上がる
屋上の空は雨に閉じ込められてる
2002年04月25日(木)
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