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愛惜
僕の掌の小さな劣情。
緩やかでうんざりするような甘い奸知。
僕は失うことが得意だから、
曖昧な予感も簡単に切り捨てる。
惰性な足跡の前後に見えるのは
簡易な欲望と鋭い利己と
君が促す慈しみ。
僕にはあるのかな。
僕には見えているのかな。
既知した愛惜が
真実だって自惚れているのかな。
ちゃんと僕が見えている?
君はいつでも小さく頷くだけ。
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