―No,―

2004年04月30日(金) 透明雪

腐乱して逝く身体
交えたことは既に無い
頭に在るのはあの人ばかり
徐々に空虚になって逝く

他の選択肢は選びたくなかった
朦朧として逝く意識の中でも
傍に居るのが哀しくて
悲哀ばかりの世界が疎ましくて

解らないままで居て欲しい
過ごしたのは二度と来ない冬まで
時は僕らで止めたのだから
縋るのはやめよう

全て否定したとしても
雪の上を歩くことはないから
銀世界に足跡は残せない
振りかえることない哀だから



2004年04月29日(木) 触れない距離

当たり障りもない会話
何処かで哀しい
聞こえないふりで交わす

常に伺いを立てる
必要だけど不必要過ぎて重圧がかかる

誰しも愛せる なんて素晴らしいね
一度だって云えない

容易に否定出来る
決して容易なことではない
不可能だと完全否定しないけれど

僕に触れないで 君には逢いたくない
何時もそうやって偽りばかり与えてくれる



2004年04月27日(火) ネオ

片隅に落ちていた
無くしていたと思ってたもの
見つかれば悦ぶはずなのに
僕には何ひとつ悦べない

堕落していく感情が
僕を哀しませる

少しの間だけ
貴方と一緒に居たのは
櫻が舞うときも 雪が降るときも
過ごしたのは一度ずつだけ

二度目は無かったね
僕が愛せなかったから

認められないのは拒絶だった
会うことでさえできなかった
貴方の姿を視野に入れれなかった
僕の方が消えてしまいたかったから

不変的なこと過ぎてあざ笑いたくなるよ
不必要とも云えるすべての行為が



2004年04月26日(月) シグナル

欲張ったって結局はひとつしか選べないのに
どうして欲張る、なんて行為に向かうの

変わらない魅力がなければ
迷うことなんてしないのに

今ひとつ手にしているのに
満たされないのは理想が遠くに在る

愛されてる私は幸せだろう
貴方には愛されてないけれど

一言が聞くから逃れて
報われない無駄な行動に出てしまう

手にしたものが消えるかもしれない不安が
更に私を他のものに覚えさせてゆくのかしら

逃げ纏う私 追いかける私
脳内に混在して混乱させるのも私だから



2004年04月23日(金) 虚癖

僕には心配要らない、って
全部云う、って云ってた

いつも人は言葉だけだね
常に疑うような癖が着いた

云わないじゃない
僕が本当に聴きたいこと

話を逸らすのが上手いね
そうやって何人をはぐらかしたの

上辺だけで僕らも過ごそうか
鵜呑みにするのは出来ないことだから

突き通せないなら辞めようよ
僕も君に1つ嘘を吐いてるから



2004年04月22日(木) 心像

鼓動が早まる
歪んで見える景色が
更に心拍数をあげていく

隣に居ない君が幻覚となり
何時しか現れるようになった

接近してくる
今までにない距離で
震える手がやけに小さくみえた

僕が僕でなくなるその前に
君を追い出したくて

掴み得ない心臓が
触れないまま
掴み出せそうだ



2004年04月21日(水) AV

ドクドク溢れ出す中心部に
ドクドク脈打つ中心部が入る

お決まりの展開 見飽きた映像
乱り乱れてノイズさえ混じる

声をあげて楽しそうにしてる彼女
其れを観てニヒルに笑う彼

何が楽しいのか解らない
でも彼らはずっと笑ってる

白くなってゆく世界が
どう映ってるのか知りたい

毒素を含んだ愛情が
幸せになる種なのかしら

連続快楽の逝く末は
望まない方向へ堕ちてゆく



2004年04月20日(火) 略奪

僕が出れるのならば破壊したい
最期のカテゴリーなんて要らない
必要としてるのは僕じゃない

愛されたいのは違う人なのに
気付かないままで居るね

大好きな鬼ごっこでもしようか
僕が鬼になってあげる
君が鬼にならないように

全部僕がもらうから
君が愛してる人もすべて



2004年04月19日(月) 背伸び

保護された過剰なまでの愛情 空回りする録音機材
此の手で叩きつぶせば一瞬でも素敵な音を奏でるでしょう

自己犠牲と被害妄想ごっこがしたければ僕に向ければいい
他人に必要以上に向けることなんてないんだ

貴方の心はいつも過去にあるのだから
止めることができない一種の病気

周囲にも見放されたのに気付かない
見守るのは身近な人間だけだから

僕らは離れられないの 電源がついてなくても
いくら無音で音を流し続けても其れは出来ないの

大人のふりじゃなくなって来たの解らないよね きっと
貴方にはきっと声が届かないのね ママ



2004年04月18日(日) 電車

名前しかしらなかった処を通る
貴方が居たでだろう地
僕は知らない 何処に居たのか
実在したのかしていないのか

よぎったのはやはり貴方で
また脳を締め付ける
哀しくて溜まらない
拒絶したくて溜まらない

一度は訪れようと思ったけど
すべてが貴方に繋がってしまう
二度と近付きたくない
僕には止めれなくなってしまう

君が肩代わりしてくれてる
いつか君と透過したい
哀ばかりではなく
最期には君と逝くのだから



2004年04月13日(火) 片隅

仔犬みたいにじゃれあって
いつのまにかもつれ合ってた
抱き返した手は僕の手で
否定してた関係が薄れてく

声を押し殺して悶えても
変わるものはなかった
柔らかいキスも触れ合う肌も
此のときだけは貴方に預けたくて

愛してるって囁きたかった
本当は云えない言葉
君と云う存在が居るのだから
其れでもいいたかった僕は罪人だろう



2004年04月12日(月) 事故死

見るも無惨な姿で横たわる君
僕には触れることさえ出来なくて
軋む音が骨伝導させてくる

最初で最後であろう出会い
絵空事のように交わされる会話
遠回しに消されるのであろう

一瞬の出来事だったけれど
君に僕は惹かれてしまったから
此れから忘れないでいたい



2004年04月11日(日) ditch

引きつった笑い
読めない言動

独りよがりはしたくない
寂しいだけだから

見放されたくなかった
僕が離れる度に君は引き留める

追いかけていたのは君じゃなかった
僕だったはずなのに

既に埋まらないヒビが引き離す
戻らない僕と君との距離



2004年04月10日(土) whereabouts

未だに消えないあの人
声も言葉も残ってる
ないのは物的証拠だけ
すべて炎の中に包まれた

溶けかけた写真で笑ってた
ネガではまだ笑いかけてた

何処にいるかも知らない
呼吸さえ奪ってしまったのかしら
一切の情報が無いままだから
不安ばかり高まる

消して好きではないけれど
何時まで僕の中にいるんだろう



2004年04月09日(金) 浮気

見慣れない文字(なまえ)
知らない着信が続く夜

容易に想像できるのは
ひとつしかなくて不能になる

煙草の火さえ平気で
僕の一部が火傷してた

目覚めた君は知らぬ顔で
僕が口にすることはなかった



2004年04月08日(木) 太刀

いつも同じ顔してる
区別の見分けがわからないほど
どんな表情も僕のものなのに

勘違いさせたくない
だけど勘違いするのは君たちで
僕はずっと此処に居るんだ

密に笑ってるわけでもないから
現在地は君と一緒のつもり
なのにどうして違う目線で見ようとするの



2004年04月06日(火) 再録できない音

行き着く処は複数もなくて
希望するのはたった一箇所で
何時も水面下のようだった

灯と共に溶けてゆく
裸を曝け出せた日常(せいかつ)
乱れるのは呼吸ばかりで

感覚と云う領域にまで
現実は入れないものだから
既存は消失に変わっていたの


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