―No,―

2004年03月27日(土) monochrome

灰色の空に変色した
僕らが眺めていた雲も
出逢ったあの夏の日の空は
澄みすぎていて雲もなかった

言葉も感触もすべて遠のいた
未だ近くに居るはずなのに
互いを隔てる関係を拒否する
崩し切らないことが哀しすぎて

隣は既に誰かの為のもの
常に誰かのものであったけれど
愁える君の理由が分からない
約束はすべて消せないから

滲む手紙の文字に時間を感じさせられた
未だに残っているもらったもの
捨てることもできずに置いてある
手に取ることもなく動かさずに

愛しすぎていたんだね
傷つき過ぎていたあの日から
舐めあえたのはほんの一瞬だけ
古傷から流れても誰も舐める人は居ないから



2004年03月23日(火) 隔たり

隣の君の手と手を繋いだ
少しだけ距離を縮める為に
既存するものを否定したくて

軽く絡めた指の力を抜いた
締め付けられる孤独感
くだらないものを求めていた

シネマに写すのは「僕」と云う目の視界
誰のものでもない ただの映像
見ているのは他人の視点なのかもしれない



2004年03月20日(土) 半魚人

重なる複数の意図[糸]が身体に絡みつく
解こうとするほど絡み合う

亡くすのに虞を為してる
云えることではなくてただの想い

許されることなら絡ませたままが善い
辿っても辿っても終わりのない様な

泪を流すことですべて流せますか
未だ在る消えない痕までも

受け入れることなんて出来ないでしょう
過ちを受け入れるのは認めることだから

限られたところでの呼吸
息苦しく感じることがなくなれば

淡く綴った言葉も解かれたかもしれない
酸素でさえ今はなくなってしまったけれど



2004年03月19日(金) 帰路

誰も座ってない電車に揺られて
僕は何処かへ逝くのだろう
二度と会うことの無いように

トランクに詰めれる荷物を詰めて
捨てるものは全て処分した
一枚の切符だけでいいのだから

一人で居たいの
傍に居たくないの
少しだけ泪を流させてください



2004年03月18日(木) 真っ白な部屋

締め切った部屋 鍵のない扉
抜け出すのは容易なことだった

理解のない理解者
「ごっこ」にはもう飽きた

証拠(あと)を残すの
地を離れず 乱さずに

春に降る雪のような幻覚
触れる前に溶けてしまうの

未だ寒さが残る今の時期に
此の部屋を出ましょう

錆びた首輪を付け続けること
僕には出来ないから



2004年03月17日(水) 迎えることのない日

哀しみを偽りの涙で拭う
綴った過去が捲れない

終わりを迎えた夜
迎えることのない朝

祈りは誰にするものなの
届かないのに

煙草の苦みを噛み締めて
最後の一服をした

崩れ去って逝って
貴方の居ない世界なんて



2004年03月16日(火) プレゼント

灰色の瞳をした君
加害者から被害者へ
堕ちていることにも気付かず
己のもののように振る舞ってるね

チョコレヰト口の中で溶けて
甘さが喉に絡みつく
同じように君の思考回路にも
偽りばかりで作った記憶を

与えてあげる 君だけに
届かないようなところから
灰色のままでいさせてあげる
廃棄物になったと云う君にあげる



2004年03月14日(日) 本能的思考回路の行く末

触れてしまえば触るのは容易く
そのまま湿らせた指を滑らせてみました

快楽アレルギーの君は酷く悶えています
何度目のことか覚えていますか

曖昧に薄れてしまうほど
卑猥な音を小さな部屋に響かせて

乱れ喘ぐ君が 犯しているときの僕が
とてもとても「好きです」

末期症状な君をいつか
僕は壊すことになるでしょう



2004年03月13日(土)

偽りで覆った自分
放置を選んだ僕

見えきった言葉の意味
保証のない愛情

不安定な天秤の上で
駆けめぐる足音

揺らぐ地面と崩れる音
誰かが手を伸ばしすぎたから

違うものを欲しがったせいで
亡くなってしまった

修復不可能まで追いやってた
二度と愛せなくなるまで



2004年03月09日(火) 降りしきる雨故に

降り止まない雨を握りしめても
傍に居れるって笑ってた

脆く其れは崩れ去りかけてる
近距離なのに届かないところで
僕じゃない僕が静かにほくそ笑む

一時で流されてはいけない、と
避けるものは近くにあるもの

言葉だけでは解らない
数字が増える度に不安は募る
感情は込めないのが善いかもしれない


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