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■ 心に描く風景
先日、3歳から10歳まで育った街を訪れた。 キッカケはひょんなことで。
何年ぶりだったっけかな? 大人になってからも2〜3度は訪れてたと思う。 20年ぶりかもしれない。
20年前も随分変わったと感じたけど、今回はさらに変わってた。 でも、変わっていたからこそ、変わっていない場所が際立って感じた。 もう感動、感激って感じ。 自然とニマニマしちゃう。
幼き頃の辛い記憶を思い出すのが嫌で、何となく避けて通るパターンだけど、この街だけは何だか温かな思い出が多い場所なんだよね。
うちの近所にあった木造平屋建ての文房具屋さんが、そのままの姿であったのは本当に驚きだった。 確か、おばちゃんかおばあちゃんがしてたような店だったけど、そのまま建て替えないでやってるのがスゴイ!
同姓の同級生の自宅でもある本屋が、そのままの姿でまだあったのが驚き! そして、いつも父と商店街に出かけると、必ずと言っていいほど1冊の本を買ってくれていた本屋もまだ残ってた! あの棚には、こんな種類の本があったんだよなぁ〜って、今でもよく覚えてる。
それに、父の養母であるばあちゃんが住んでいた〇〇荘。 ほとんどの建物が改装されていたり、建て替えで今どきのマンションが建つ中、当時のままの何にも手つかずの状態で、まだ人も住んでる感じで、これには感動を超えておったまげた!
正面玄関を入ると、そこで靴を脱いで下駄箱に入れてスリッパ履いて2階のばあちゃんちに行くんだよね。 私が小学校に行く通学路にちょうどあって、いつも私が通る頃、窓から顔出して手を振ってくれてた。 優しいばあちゃんだったけど、悲しいことに障害者の妹には冷たく、悲しい思い出でもある。
学校帰り、ばあちゃんちに寄ると、道路渡った所に和菓子屋さんがあって、そこのアイス最中をよく買ってくれた。 それがほんと美味しくてね〜♪ アイスとあんこが入ったやつ。 私はあんこが苦手だったけど、これは食べれたのよ。 でも、その店はもうなかった。
その通りにあった、いろんなお店屋さんはほとんど無くなってたな。 グンゼの下着屋さん、おもちゃ屋さん、布団屋さん、お寿司屋さん、ちょっとシャレた洋服屋さん。 とにかく、小さな商店がいっぱい立ち並ぶ活気ある街だった。 それがすっかり無くなって、マンションや一戸建てが建つ住宅街になったね。 その代り、スーパーが何軒かできてた。
スーパーは確かに便利かもしれない。 だいたいの物がそこで揃う。 だけど、小さな商店のおっちゃん、おばちゃんの売り子の声。 学校帰りの私らにも、笑顔で『おかえり〜』の声をかけてくれる温かさがあった。
私が住んでいた喫茶店兼自宅は、数年ごとに姿を変えてる。 最初来た時は、お隣の中華屋さんが買い取って大きな店舗にしてた。 そのまた数年後はビジネスホテルになってた。 今回行くと、それも無くなって、ただのビルになってた。
とにかく、キリがないぐらい、いくらでも書けるぐらいのいっぱいの思い出の詰まった街。 また書く気になったら、続きを書こう。 当時の街の写真でもあったらね〜 当時を思い出しながら、ここは何屋さんって社会見学の宿題みたいに書いてみるのも面白いかも。
こんな私がほとんど訪れることがなくなった生まれ育った街でさえ、こんな感傷に浸るのです。 それが、地震・津波なんかで、一瞬のうちに何もかもが消え失せてしまったとしたら… そこが、まだまだこれからも住む、住みたい街ならばなおのこと…いかほどの…
復興と言っても、本当に元に戻してほしいという気持ちでしょうね。 別にきれいに整備されなくてもいい、時間を戻してほしいという気持ちでしょう、本音は。
そして、もう戻っては来ない時、もの、生命… 心が折れちゃうよ。 よく頑張ってるよ、皆さん。
心に描くのは、あのついそこにあった、あの街並みなのでしょう。
森山直太郎の『さくら〜独唱』 今聴くと、ほんと涙出てくる。 彼、震災前に仙台の高校生たちと一緒に合唱してたんだね。 NHKだったか、特集番組を観ました。
『さくら〜独唱』
作詞・作曲 森山直太朗
ぼくらはきっと待ってる 君とまた会える日々を 桜並木のみちの上で 手を振り叫ぶよ
どんなに苦しい時も 君は笑っているから くじけそうになりかけても 頑張れる気がしたよ かすみゆく景色の中に あの日の歌が聞こえる
さくら さくら 今咲きほこる 刹那に散るゆくさだめと知って さらば友よ 旅立ちのとき 変わらないその想いを 今
今なら言えるだろうか 偽りのない言葉 輝ける君の未来を 願うほんとの言葉 移りゆく街はまるで 僕らをせかすように
さくら さくら ただ舞い落ちる いつか生まれ変わる時を信じ 泣くな友よ 惜別のとき 飾らないあの笑顔で さあ
さくら さくら いざ舞い上がれ とわにさんざめく光を浴びて さらば友よ またこの場所で会おう さくら舞い散るみちの さくら舞い散るみちの上で
2011年10月19日(水)
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