蛍桜 |
≪BACK | TITLE LIST | NEXT≫ |
そんな落とし穴があるとは |
暗闇の中に光っている階段があって そこを歩いていたら 急に階段の光がなくなって どこへ足を踏み出せば良いのか分からなくなった 後ろに帰るにも、どう帰れば良いのか 前に進むにも、踏み外さずに進めるのか 今自分が立っている階段のスペースさえうまく分からず どう動いたらいいか分からない さっきまでは確かに、目の前に階段があったはずなのに 今までは確かに、いくつもの階段を歩いてきたはずなのに それが全て見えなくなった 階段の光は確かなものだと信じていた なんの疑いもなく歩いていた でももしかしたら、道を間違えたのかもしれないと 不安に陥ってしまう 暗闇の中、泣きじゃくることも出来ずに 今まで核としてあった何かを失い ただその場に立っていることしか出来ないなんて。。。 笑えるし、泣けるし、怒れるし、哀しめる 別に何もかもを失って良いなら 踏み外すのを覚悟して、歩き出せば良い それができないのは今まで見ていた灯りの残像が まだ目の奥に映し出されているから またあの光が現れるかもしれないと 期待しているから 本当は、泣いてしまおうかと思った 二粒、涙を零した だけど涙はそこで止まった 今の私には、それ以上涙を流す意味もないらしい ここでずっと待っていれば 違う光が現れるかな あんまり良いことをしてこなかったけど そんな私でも、新しい道は現れるかな 今まで光っていた階段が、再び光るのを待つか 新しい道が現れるまでこの場所で待つか なんかもうどうでもいいやって 暗闇の中に溺れるか 勇気を出して一歩を踏み出すか まだ私の心は勇気を出せるほど暖まってないから しばらくはここにいるしかないんだけど その「しばらく」って いつまでだろう |
2010年02月09日(火) |
もしあのころのままなら2 |
眠い眼をこすりながら、車を走らす。 耳にはiPodから流れる音楽。 カバンには、カメラ。 車を走らせて、トンネルを抜け、高速道路のパーキングに停める。 いつものことだけど、 時間より早く来すぎたから、 携帯電話を取り出して、メールをする。 時間が近づいたら、 しっかりカバンを持って、車を降りて鍵を締めて 階段を上って、高速バス乗り場に向かう。 スピードを出した車がたくさん走る脇でバスを待つ。 今までも幾度か乗ったことのあるバスだけど 待ってる間も、乗ってからも、そわそわ。 カーテンを締めて、毛布を被って バスに揺られながら、いろんなことを考える。 昔の日記を読み返したりして 自然と笑みが浮かぶ。 いつのまにか眠りについて、気がつけば朝。 変な体制で寝たせいでちょっと頭が痛い。 まだあと1時間あるけど、もう眠れないから 携帯電話に眼を落としたり カーテンの隙間から外を眺めたり。 到着した、とのアナウンスに荷物を両手で抱えバスを降りる。 薄暗いビルの中を階段で降りて外へ出る。 人の流れにそって、駅へ向かう。 広い駅。金色の時計。そして銀色の時計。 切符を買って、ホームを探す。 みんなは仕事に向かうため、足はやに通り過ぎる。 何度も何度も確かめて、電車に乗り込む。 座席に座って、窓の外を眺める。 走り出した電車は、田舎町の風景を映し出す。 田んぼ、川。たまに都会。 すれ違う電車が近すぎて怖い。 辿りついたその先は、ほっとする空気。 バス停を探し、そこでぼけぇとする。 変なおじさんに声をかけられるも 無事にバスに乗る。 バスを降りて、しばらく歩く。 ずっと気になってたカフェを横目に歩く。 子供の笑い声。めったに車が通らない道。 川辺につき、写真を撮る。途中の自販機で、コーヒー牛乳を買う。 全然使われていないゴミ箱に、ビンを捨てる。 適当にうろちょろして 適当にぼけぇとして 適当に写真を撮る。 ちょっと寒いけど、薄着でも平気。 このままここで凍死できたらいいのに、とか思う。 適当に時間を潰したら、またバスに乗って帰る。 途中、思い出の地を通り過ぎる。 それを凝視する。 夕日が消えていく。 思い出を背にして帰る。 たぶん、そんな感じ。 |
2010年02月07日(日) |
もしあのころのままなら1 |
まだ暗い時間に、目覚ましで眼を覚ます。 耳障りなその音も、今日はそわそわした気持ちに押しつぶされる。 いつもはしない化粧をちょっとだけして いつもより可愛い服を選んで いつもより多く鏡を見て ぶさいくな自分の顔を見て かわいいと言ってくれた人の顔を思い出す。 朝日が昇りかけている中 車を走らせて、トンネルを抜け、高速道路のパーキングに停める。 いつものことだけど、 時間より早く来すぎたから、 フロントミラーでもう一度 化粧が崩れていないかチェックする。 時間が近づいたら、 しっかりカバンを持って、車を降りて鍵を締めて 階段を上って、高速バス乗り場に向かう。 スピードを出した車がまだらに走る脇でバスを待つ。 今までも幾度か乗ったことのあるバスだけど 待ってる間も、乗ってからも、そわそわ。 海を見て、橋を渡って、辿りついたその先で 何故か懐かしさを感じる。 ゴミのように歩く人々。 乱雑に並べられた自転車。 狭い道を、人に気をつけながら走る車。 赤い観覧車。 空を映す青いビル。 買い忘れた豚まんを買って、歩道橋の上から横断歩道を見下ろす。 適当にうろちょろして 適当にぼけぇっとして ビルを上って、カフェで一息つく。 ビルをもっと上って、屋上に行って 黒い城を探して、風にあたりながらぼけぇとする。 このままここから落ちたら、なんて考える。 夕日を見て、ビルを降りて、 噴水でぼけぇとして。 バスの時間になって、バスに乗って、 橋を渡って、夜景を背にして帰る。 たぶん、そんな感じ。 |
2010年02月05日(金) |
≪BACK | TITLE LIST | NEXT≫ |
My追加 ‖ メール enpitu skin:[e;skn] |
Copyright (C) 蛍桜, All rights reserved. |