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2005年03月30日(水) ●血をさらさらにするので夜水分とりなさいね・・てことについての信憑性を巡る記事。

日経メディカル(2005年)の3月号に、
『根拠ない「梗塞予防に飲水」』という記事が載っている。

血をさらさらにするために寝る前に充分な水分を取りなさいというアレに関する提言だ。

論文検索をしたところ、明らかに飲水による血液粘稠度の低下が脳梗塞の発症を予防できたという論拠を提示でした論文はなかったとのこと。
一般的には、通常時の食事摂取であれば、口渇時に200ml、一日で1000ml程度の水分摂取で十分だと述べている循環器Drの意見も載っている。
確かに脳梗塞の発症は早朝に多いのだが、それには早朝高血圧とかも絡んでくるので、一概に血液粘稠度との相関に関しては?という感じの論調である。

これはもともと泌尿器科医の先生(岡村菊夫Dr)からの提言なのである。

夜間頻尿はQOL低下の原因となっているので、飲水によって夜間多尿→頻尿をおこしている方は、ちょっと一考の必要ありかな、と、いう意図での記事だと思う。
自分の診ている患者さんも、夜間は遺尿に起きるたびに十分飲水をして、量もかなり出ておるようです・・といいながらそれに納得されている方と、それで夜間頻尿がよくならないという人と、また別の病態で夜間尿量が昼間尿量より多い人とかいろいろだからなあ。

では一日でどれくらいの尿量をキープすればいいのか?
大体、25-30ml/Kgとのことである。
ということは体重50kgの方で、1250-1500mlということになる。

でも、『血をさらさらにする』っていう言葉にはインパクトあるよなあ。
あなたの血はどろどろです、とかいわれたら、水ばっこばっこ飲むよなあ、普通。

まあ、これは一般記事なので、流す程度に読んどいてください。


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