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2004年11月26日(金) STD肛門病変

とあるゲイの方からBBSの方に質問がきたので、本格的にSTD肛門病変について調べてみる。

肛門といえば肛門科の門を叩くのがすじだと思うのだが、どんなときに泌尿器科に肛門病変の方はやってこられるのか?
そりゃやっぱりナニにアナルを使用されてからおかしくなった・・なんて覚えのある方でしょうね。
ちなみに肛門病変の9割は、痔核・痔瘻・裂肛で占められているそうな。

肛門疾患の専門家の黒川彰夫先生の書いた論文を読む。

http://www5f.biglobe.ne.jp/~kurokawa/index.htm

結論から言うと、STD肛門病変も少しずつ増加している。

1.真菌症(肛門周囲に限局した強い掻痒感を伴う湿疹様病変)
2.尖圭コンジローマ(これはペニスにできるものと同様で、乳頭状の腫瘍が多発している)
3.ヘルペス(これもペニスと同様、浅い潰瘍とかびらんである)
だそうである。

渡航者とかではアメーバ赤痢があったり(これの症状は腹痛・粘血便・肛門出血・肛門内潰瘍といかにも痛く苦しそうである)、
扁平コンジローマ(顕性梅毒の第2期で肛門周囲の限局した乳白色−淡紅色の扁平な隆起病変としてみられるとのこと、症状自体は軽度の不快感程度である)とか、
AIDSによる日和見感染もあったりするとのことである。

ちなみに黒川先生の診療所でのSTD/感染症(%)(1992-2001)は

1.真菌症 45/397(11.3%)
2.尖圭コンジローマ 41/64(64.1%)
3.ヘルペス 40/59(67.8%)
4.アメーバ赤痢 9/13(69.2%)
5.梅毒 8/8(100%) おおすごい確率!
6.AIDS 2/2(100%) これもすごい!

だそうで、これって泌尿器科でお目にかかることは少ないかもしれないけど、結構なもんだ。
ちなみに自分は、肛門部の尖圭コンジローマしか実物は見たことがないけど、この若い兄ちゃんも、
神に誓ってアナルは使用していないと手術台で言ってました。

(参考文献;日医雑誌第132巻・第2号,pp199-203『STD肛門病変の診断と治療』,黒川彰夫)


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