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とあるゲイの方からBBSの方に質問がきたので、本格的にSTD肛門病変について調べてみる。
肛門といえば肛門科の門を叩くのがすじだと思うのだが、どんなときに泌尿器科に肛門病変の方はやってこられるのか? そりゃやっぱりナニにアナルを使用されてからおかしくなった・・なんて覚えのある方でしょうね。 ちなみに肛門病変の9割は、痔核・痔瘻・裂肛で占められているそうな。
肛門疾患の専門家の黒川彰夫先生の書いた論文を読む。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kurokawa/index.htm
結論から言うと、STD肛門病変も少しずつ増加している。
1.真菌症(肛門周囲に限局した強い掻痒感を伴う湿疹様病変) 2.尖圭コンジローマ(これはペニスにできるものと同様で、乳頭状の腫瘍が多発している) 3.ヘルペス(これもペニスと同様、浅い潰瘍とかびらんである) だそうである。
渡航者とかではアメーバ赤痢があったり(これの症状は腹痛・粘血便・肛門出血・肛門内潰瘍といかにも痛く苦しそうである)、 扁平コンジローマ(顕性梅毒の第2期で肛門周囲の限局した乳白色-淡紅色の扁平な隆起病変としてみられるとのこと、症状自体は軽度の不快感程度である)とか、 AIDSによる日和見感染もあったりするとのことである。
ちなみに黒川先生の診療所でのSTD/感染症(%)(1992-2001)は
1.真菌症 45/397(11.3%) 2.尖圭コンジローマ 41/64(64.1%) 3.ヘルペス 40/59(67.8%) 4.アメーバ赤痢 9/13(69.2%) 5.梅毒 8/8(100%) おおすごい確率! 6.AIDS 2/2(100%) これもすごい!
だそうで、これって泌尿器科でお目にかかることは少ないかもしれないけど、結構なもんだ。 ちなみに自分は、肛門部の尖圭コンジローマしか実物は見たことがないけど、この若い兄ちゃんも、 神に誓ってアナルは使用していないと手術台で言ってました。
(参考文献;日医雑誌第132巻・第2号,pp199-203『STD肛門病変の診断と治療』,黒川彰夫)
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