思うこと
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2002年09月15日(日) バブルの塔と京葉線

 もう一ヶ月位前だったか、悪友Tが「ザウスが潰れるんだって」という話をしていた。
首都圏に住んでいる人でないと、ザウスと聞かれても知らない人がいるかもしれないので簡単に説明すると、バブル時代末期に、東京都に隣接する千葉の埋立地に建てられた、巨大な人工スキー場のことである。丁度10年前の夏、初めて京葉線なる近未来的な電車(注1)に乗った時に、窓越しにその威容を目にして驚いたものだ。
 それがスキー場であると知ってさらに驚いた。何で好き好んで、平坦な埋め立て地にあんなものを作るのかと。天然の丘陵の傾斜を利用して作れば、地上数十メートルの高さにまで鉄骨を組み上げる必要もなく、もっと安く作れるだろうにと思ったものだ。
 あれから10年、不況の波に耐え切れず、ザウスは営業をやめるそうだ。あの建物は他に転用のしようがないだろうし、解体する金もないだろうから、恐らく野ざらしにされるに違いない。まさにバブルの塔である。
 しかしあれはまさに当時、来るべき21世紀を予感させる構造物だった・・・。
 今あれと同じものを、上海あたりに作れば、大繁盛するかもしれない。400キロで走るリニアの営業路線も作っているという話だし・・・。

(注1)千葉方面から東京駅に向かって乗ると、蘇我(千葉市)を過ぎてからからずっと、埋立地に築かれた高架上の線路を進み、途中、当時騒がれた「幕張新都心」のど真ん中を突っ切ったりしながら、新木場のあたりでは海上に支柱をおっ立てた上を走る。その後、急に高度を下げ、海の中に突っ込んで行くような錯覚にとらわれる。ギリギリのところでカーブし、陸地に開いた穴の中に滑り込んでいき、最後は東京駅の地下数十メートルのホームに到着するというシロモノだった。この路線そのものに、俺は21世紀を強く感じたものだった。(今でも感じている。)


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