Deckard's Movie Diary
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なんか一生懸命頭を捻ってテストを受けていたら、隣の奴が解答を見ながら書き込んでいた!みたいな・・・ ポール・バーホーベンが母国オランダに帰って作った渾身の作品『ブラックブック』です。頑張りましたねぇ・・・良く出来た映画です。良く出来た映画なんですが、どうもこのタイトルがしっくり来ません。彼女を中心に 食い足りない・・・ 黒本だけで片付けてしまうのも、ちょっと簡単過ぎるというか、決して悪い作品ではありませんが・・・
これは、間違いなく賛否両論を巻き起こす映画です。個人的には『トイ・ストーリー』から始まった娯楽系CGアニメの最高傑作なんじゃないかと考えているのですが(誉めすぎ!)、逆に不愉快な思いをする方も少なからず居ると思います(大汗)。多くの観客が面食らうのは後半だと思うのですが、まず言える事はこの作品にはかなり重いテーマが描かれています。そういう意味では単純な子供向けアニメではありませんし、エンディング間近の主人公・マンブルは、今までのこの手のアニメでは考えられないような醜い姿をしています。ましてや、マンブルはそれを嬉々として受け入れているのですから、これは物議を醸すのも仕方ありません。この映画を良しとしているオイラもその姿を観た時には「どうなの?これ?」とかなりの違和感を覚えました。ただ、それに近い姿は前半のトウゾクカモメ、中盤のイワトビペンギンと出てきているので、それらを踏まえて、とうとうここまで来たか!と・・・トップカットで、スクリーンに映し出される宇宙から見た地球。限りある資源は生きとし生けるものが共生しあわないといけない!と言う観点に立った内容だと把握しました。まぁ、御都合主義と言ってしまえばそれまでですが、人間だって宇宙人に埋め込まれた何かがあるわけですし(って、あるのかよ!)。とにかく、怒りたい人は怒って、しらける人はしらけてください!オイラは好きです!大好きです!
映画が終わった後のロビーで「音楽に乗って踊っている部分が長過ぎるよね!」という声(20代中ほど)を聞きました。オイラは知っている曲ばかりで楽しかったのですが、今の若い人達には馴染みの無い曲もあるらしく、音楽的にもイマイチだったみたいです。まぁ、後10年くらい待ってれば、音楽的に貴方達が満足出来るような映画が出来ると思いますよ。
2007年03月22日(木) |
ナイト・ミュージアム |
何とも中途半端な内容ですねぇ。
もうちょっと待っててね!Σ( ̄□ ̄;)
2007年03月15日(木) |
ラストキング・オブ・スコットランド |
フォレスト・ウィテカーがアカデミー主演男優賞を受賞した『ラストキング・オブ・スコットランド』ですが、やっぱりウガンダの方がアミンに似ていますね。だって、ウィティカーは鶴瓶でしょ! って、そういうことじゃないか!でもね、こんなくだらないコトの一つも言いたくなるような内容なんですよ。っつーか、この映画のウィテカーって主演のかなぁ?最初にウィテカー@アミンがスクリーンに登場した時には期待出来そうな雰囲気が漂うのですが・・・その後はなぁ・・・そりゃ、これが真実ならば!そいつが実在の人物ならば!・・・仕方無い、歴史のウラなんて所詮はこんなモノなんでしょう。と納得し、人間の浅はかさでも書こうと思っていたのですが、たまたま劇場で会った友人に聞いたところ、全くの創作だそうで、マジかよ!そりゃ、ないだろ!この作品の中ではアミン・ウィテカーよりも主人公と言えるスコットランド人のニコラス・ギャリガンなんですが、こいつがしょーもない奴なんですよ!アホ!としか言いようが無いほどのキャラクターで、まぁ、こいつの父親からして嫌な奴なんですが、ある意味、うがった見方をすれば、この親にしてこの子あり!みたいな、思い上がったバカ野郎です。でも、こんなストーリーを作っちゃっていいんですかね?だってね、スコットランドの上流階級出身のいけ好かない世間知らずの若者が、面白半分にアフリカに行って、自分の思慮の無さから痛い目に合うだけの話ですよ。アミンの大虐殺の真相もなんとなくは描かれますが、こんな展開の内容ではどっちらけ!ですよ。それにしてもだ!スカリー捜査官、老けちゃったなぁ・・・( ̄o ̄;)ボソッ
2007年03月10日(土) |
魂萌え 善き人のためのソナタ 今宵、フィッツジェラルド劇場で BOBBY |
風吹ジュンは何をやっても素晴らしいのですが(いいじゃないですかぁ!好きなんですから!)、今回特筆すべきは三田佳子でしたね。音楽も素晴らしい。子供二人の存在感もかなり嫌らしくて良いです。監督の**は久々の佳作じゃないでしょうか。やはり営みは大事なんですね。渋谷のラブホテル前での自分を失わない描き方が好感が持てます。ひまわり?映写技師は資格がいるんですけど・・・。目覚まし時計で昼間の洋画劇場を そういうちょっとしたエピソードがその人となりの存在感を描き出し、その人の若い頃が垣間見えたりするワケです。まぁ、彼女が自分と同世代の人で同じ時代を歩んできたから言えるコトかもしれませんけどね。 夫婦という単位から個人を取り戻す さりげなく年齢を表現することも的確で ラブホやボートでの一件 ペーソス溢れる・・・ カプセルホテルでの一件も
浮ついたところが無く重厚で、いかにもドイツ映画然としています。『グッバイ・レーニン』に反発して作っただけあって、当時の状況がリアルに描かれているらしい・・・ 盗聴の緊迫感も、 二人の関係も しかし何故!、予備校の切れ者教官だった彼をそこまで変えてしまったのか? 二人の純粋な愛と言うのもイマイチだし、それがソナタの力だ!と言われても説得力が無さ過ぎです。ベートーベンの♪情熱のソナタ レーニンが「情熱のソナタを本気で聴いたら革命は出来ない」と言ったことが出典なんでしょうけど、 シュタージ局員ヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)
これこそがロバート・アルトマンの中途半端なズルズル映画だ!遺作になったこの作品には“死”の影が色濃く漂っているのは偶然なのでしょうか?個人的にはこの作品の出来不出来なんてどーでも良いです。アルトマンが最後までアルトマンらしい映画を作ってくれただけで満足です。今頃はヴァージニア似の美女に誘われ心地良いカントリーを聴きながらフワフワしているに違いありません。それでいいんです。アルトマンが最後に傑作なんて残すワケはないんですよ!このコケた感じがアルトマンらしいじゃないですか!
時代を表したグランドホテルものなんですね。無駄が無く 往年の名曲が流れて来た時には柄にも無く胸が熱くなってしまいました。 時代を色濃く反映しているので観客を選ぶと思います。 個人的にはその時代の空気を吸っていた者として、懐古趣味と言われようと大事にしたい映画です。もちろん、懐古趣味だけの映画ではなくグランドホテルものの特徴である様々な人生が交差して 有頂天ホテルが恥ずかしい いつまでも愛されるカルト・ムービーになる可能性が大です。それにしてもエミリオやるじゃん!三丁目の夕日 ボビーという時代 ジェーン・フォンダ ウッド・ストック モノに溢れる中での二人 シンガーの悲しみ 人種差別 古き良きとは言うものの 今と変わらない人の営み ブッシュの共和党に対するアンチテーゼであり、民主党のプロパガンダ映画という なのかなと思っていたら、ココで描かれるその他の人々は全くの創作であり、実際に撃たれた人達は全然違う人々らしい。
話は変わりますが、初めて鷹の爪団のマナー広告を観ました!これは、マナー広告史上最高傑作ですね。それでも、オイラの隣に座っていたカップルの男の方!映画の途中で平気で携帯電話を観るんですよ!さらに、コップに残った氷を何度もガチャガチャと振って少しだけ溜まった水を飲んでるんです。映画の最中、それを何度も繰り返してるんです。はっきり言いますが、死にやがれ!腐れチンポ野郎!
2007年03月07日(水) |
パフューム/ある人殺しの物語 |
ある女性スタッフが目の前を通った時に、とても芳しい香りが漂ったので小生はすかさず「今つけている香水は何?」と聞いたら、彼女は暫く考えてから「う〜ん・・色々混ざってるから分からないわ・・・」と答えたのです。小生は彼女の受け答えに様々な妄想が膨らみ、あらぬところまで膨らませてしまいそうになりました。\(^-^\) (/^-^)/ソレハコッチニオイトイテ...その人にとって特別な“匂い”が、失われていた記憶を呼び戻すいうシーンは映画等で良く見られますが、それくらい“匂い”というのは五感の中でも特別なモノなのかもしれません。例えば、初めて肌を合わせた相手がつけていた香水の匂いなんてのは、やたらと罪深いモノで、横断歩道を歩いている時に同じ香水の匂いがしただけで、思わず振り返り、あらぬところを膨らませてしまいます(またかよ!)。
さて、『ラン・ローラ・ラン』『ヘヴン』に続くトム・ティクヴァ監督最新作です。全世界で1500万部を売り上げた小説が原作らしいですが、全く知りません。内容は、簡単に言ってしまえば大人向けのファンタジーと言えます。トム・ティクヴァを一躍有名にしたのは『ラン・ローラ・ラン』ですが、彼の作品群の中では(長編2作目の『プリンセス&ウォーリアー』は未見)、どうも『ラン・ローラ・ラン』だけが毛色が変わっているように感じます。『ラン・ローラ・ラン』はMTV的なPOPな印象が強かったのですが、他の作品では、どちらかと言うと、淡々とした時間の流れの中で背筋が凍りつくような研ぎ澄まされた感覚で対象物を捉えています。今回もまた、そのティクヴァ風の演出が冴え渡っていますが、欲を言えば物語を構築する枝葉の部分が弱いように感じました。つまり、主人公グルヌイユの不気味さを際立たせる演出は抜群なのですが、彼が内面に持つ狂気や哀しみの描写はいまいち物足りません。この辺りは脚本にもう一工夫欲しかったところじゃないでしょうか。それでも見応えのある作品であるのは間違いなく、18世紀のパリを再現した美術も、“匂い”を表現したと言われているベルリン・フィル(サイモン・ラトル指揮)が奏でる音楽も出色の出来映えで、木戸銭を払って観るに十分値します。それにしてもヒロイン役のレイチェル・ハード=ウッドは美人ですねぇ!危うくあらぬところを・・・もういいですね。しかし、こんな娘を持った親は大変だろうなぁと思いますよ。
<これ以降はネタバレです!>
グルヌイユが生を受けて旅立つまでの前半部は見事としか言いようが無く、その後の展開に期待が満ち溢れますが、自分の肉体的な欠陥に気づき、そして狂気の連鎖へと走っていく後半はストーリーが興味深いだけに盛り上がりに欠けたのは惜しまれます。人を愛に導くことは出来ても、自分は誰からも愛されないと知ってしまう彼の心模様はもっと大袈裟に描いても良かったし、その方がファンタジーとしてのエンディングもすんなり収まったような気がするのですが・・・。
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