Deckard's Movie Diary
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2006年05月25日(木)  雪に願うこと アンジェラ ダック・シーズン

根岸吉太郎監督の新作『雪に願うこと』は、あの『遠雷』以来になる田舎で生きる人々を描いた物語です。何でも東京国際映画祭史上初の四冠(作品、監督、最優秀男優、観客)獲得作品だそうですし、あの『遠雷』以来(しつこい!)ですから期待してたんですよねぇ・・・。で?どうなんでしょ・・・もちろん、つまらない映画ではありませんでしたが、面白いか?と問われれば、それもどうだろう?あまりにもストレートな展開ばかりで、そこには『遠雷』でジョニー大倉に迫ったような無骨な味わいはありません。今回は、対象への迫り方が恐ろしくアッサリしていて拍子抜けです。なんかねぇ・・・小さくまとまってるんじゃねーよ!みたいなね。長谷川和彦を筆頭に六本木を肩で風を切って歩いていた“ディレカンは時代の寵児”が懐かしいですなぁ・・・遠い目(苦笑)。佐藤浩市、伊勢谷友介は今までで一番良かったし、山崎は絶品の味わいだし、吹石一恵は置いといて(笑)小泉今日子を始めに脇役陣も味わい深いモノもありました。それなのに!映画としては薄味なんですよ。まぁ、オイラが捻くれているだけかもしれませんけどね。もっとゴツゴツとした田舎料理(力技みたいな)を期待していたんで、別に京料理は食べたくなかったなぁ・・・みたいな感じでしょうか(笑)。それにしても、「なして、世間さ見返してやらねばなんねんだあ!」・・・このセリフは何故か響いたなぁ(苦笑)。


リュック・ベッソン6年ぶりの新作『アンジェラ』。正直な話、全然面白く無かったです!議論好きなフランス人らしい映画でした。「10秒の壁なんて無かったんだよね」とか「スルーパスって未来へのパスなんだよね」みたいな(あのCM好きなんですよ)、どーでもいいコトを大上段から語っているような、しょーもない内容でした。だから、フランス人って苦手(苦笑)。


メキシコ・アカデミー賞で11部門を制覇した『ダック・シーズン』。この映画ははっきり言ってドラッグ映画です。おそらく、おそらくですよ!あくまで、おそらくですが、キメて観ると、相当面白いんじゃないでしょうか(苦笑)。ストーリーは、兄弟で留守番をしている家で起こる一日の出来事。他愛も無い話の他愛も無い映画です。しかし、この映画に国内最高評価を与えちゃうメキシコ映画界ってヤバくね?メキシコ映画は『カクタス・ジャック』に期待かな。


2006年05月23日(火)  間宮兄弟 ナイロビの蜂

ある意味、低迷する邦画界を支えてきた森田芳光の新作である『間宮兄弟』を観たときに真っ先に感じたのは“淋しさ”でしたね。森田芳光という人は、良きにつけ悪しきにつけ時代の空気を読むに長けた人で、ポテンヒットであろうとそれなりの結果も残してきた監督でした。しかし!この作品はダメだ!面白いとか面白くないとか言う以前の問題で、このようなセンスの悪さは、今までの彼の作品では見られなかったモノです。ギャグを外すとかじゃなくて、この映画に流れている空気が狙い過ぎていて鼻につくというか、白々しいんですよ。原作にどの程度忠実なのか知りませんが、ダメなものはダメです!「毎日が楽しくない、という人に、日常が楽しくなる方法を教えます。」とかチラシに書いてありますが、もの凄くうそ臭いんですよ。要は、ノンビリ行こうよ!自分の周りをゆっくり見渡せばけっこう楽しいよ!みたいな話なんでしょうけど、観ていてちっとも楽しそうじゃないです。まぁ、結局は感性の問題ですから、面白い!と言う人が居ても不思議はないですけどね(苦笑)。個人的には、底の浅いツマラン映画でした。


『ナイロビの蜂』は『シティ・オブ・ゴッド』で世界を「あ!」っと、言わせたフェルナンド・メイレレスの最新作です。さすがに、一筋縄では行きません!ただ、悪い映画じゃないんですけどねぇ・・・正直な話、手持ちカメラの映像が鬱陶しくてウンザリしました。爺のオイラは後半途中からちょいと気持ち悪くなりましたわ( ̄ー ̄; ヒヤリ。手持ちカメラというのは臨場感を出すのに優れていますが、今回はさすがにウザいです。

\(^-^\) (/^-^)/ソレハコッチニオイトイテ…

ストーリーはかなり微妙です。つまり、アカデミー賞助演女優賞獲得のレイチェル・ワイズ演じるテッサ・クエイルですけど、彼女の行動に対してとやかく言う気はないですが、自分がその夫だったら、かなり落ち込むかもしれません(苦笑)。彼女は目的の為には手段は選ばず!って、人ですからね。もちろん、それを非難しているワケではありませんから誤解しないで下さい。単純にそういう女性が自分の伴侶だったら?と考えると複雑な気持ちになります。で、彼女に追従した夫は立派だったんでしょうね?それだけ彼女のコトを愛していたというコトなんでしょう。個人的には夫の微妙な心模様がもっと肌理細やかに描かれていた方が好みでしたね。まぁ、原作がどうなっているのか分からないのでナンとも言えません。

決して嫌いな映画ではないし出来が悪いとも思いませんが、イマイチ良さが分かりませんでした。原題の『The Constant Gardener』にあるこの“Gardener”の意味合いもあまり感じられませんでしたしねぇ・・・ただ、この映画を観た時に、ちょっと邦画を観ているような印象がありましたね。レイフ演じるジャスティンに邦画的ウェット風味を感じました。そこは好感触だったかな(苦笑)。


2006年05月06日(土)  ブロークン・フラワーズ 小さき勇者たち/ガメラ 戦場のアリア

予告編からけっこうそそられていた『ブロークン・フラワーズ』です。実はジャームッシュの映画って嫌いじゃないんですよ。映像も音楽も、何処かユルい感じが心地よいかも?みたいに感じてしまって、間違っても「これは傑作!」だとかも無いんですけど、嫌いじゃないんですよね。というワケでシャンテ・シネなんぞ向かったワケですが、混んでましたねぇ・・・ジャームッシュの映画に老若男女を問わず観客が!時代は変わりましたねぇ(苦笑)。で、映画ですが・・・今回はユル過ぎましたね。突然、遠い昔にワケ有りだった女性(誰だか分からない)から送られた来た手紙に振り回される年老いたドンファン・・・。簡単に言ってしまえば“家族”とか“孤独”とかの話なんですが、哀愁ばっかり漂っちゃって、淋しいだけの映画になっちゃってます。ビル・マーレーは、例によって良い味を出していて、彼じゃなかったら、すっげぇ詰まらなかったんじゃないの?と危惧してしまいますが、最初から枯れていて、枯れたままで終わってしまうので、孤独な中年男の悲哀ばっかりが印象に残ってしまいました。ジャームッシュ演出が持っている惚けたニュアンスが、もっと溢れていた方が良かったんじゃないでしょうか?今回はちょっと辛いな・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ...。


金子修介や樋口真嗣を一躍メジャーにした傑作の呼び声高い平成ガメラシリーズを経て、今回は全くの新作『小さき勇者たち/ガメラ』です。ハッキリ言って、どうしようもない駄作です!このデタラメさはなんなんでしょ!子供向けだからぁ?というエクスキューズは絶対言って欲しくないんですけど、あまりに酷い!大体、親子で楽しめる怪獣映画・・・と言った場合、対象としている子供の年齢は一体幾つなんでしょうか?幾らナンでも子供をバカにし過ぎですよ!一番ダメダメなのは敵役の怪獣ジーダスについて、その背景が全く描かれていないコトです!こんなデタラメは許されません!こんなんだったらバルゴンでも出してくれた方がよっぽどマシです!また、子供から子供へ意思疎通されていく場面があるのですが、安直の極みです。別に子供同士でしか理解しえない世界があるのは構わないのですが、その描き方があまりに安易で、いかにも底の浅い大人が考えたようなシロモノです。大人になっても記憶の片隅にこびりついている様な感覚、そういう説得力あるエピソードとかを入れないと、子供はオールマイティ!何でも有り!になっちゃいますよ。底の浅い脚本に演出、今回のスタッフは怪獣映画、そしてガメラに全く思い入れが無いんでしょうね。だから、こんなデタラメなモノが作れるんでしょう!正直な話・・・「恥を知れ!」と言いたいです。ばかやろ!ああ、ポン・ジュノの『グエムル -漢江(ハンガン)の怪物-』にコテンパンにやられそう・・(/・_・\)アチャ-・・


題名から中身がほとんど分かるような気がする『戦場のアリア』。で、やっぱり想像している通りの内容でした(苦笑)。単純に言ってしまえば「戦争は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」みたいなね・・・ただ、交通整理が上手くないので、ちょっと分かり辛いのが難点かな・・・まぁ、登場人物が話す言葉で区別して下さい(笑)。口パクのズレも気になりますが、仕方ないか・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ……


2006年05月04日(木)  隠された記憶 僕の大事なコレクション

あのミヒャエル・ハネケ(笑)の新作『隠された記憶』です。な〜にがぁ、衝撃のラストカットだよ!いやぁ、今回もやってくれました!『ファニーゲーム』で“暴力”を、『ピアニスト』で“男女の愛”を偉そうに語ってくれましたが、今回は誰もが持っているちょっとした悪意がテーマです。マジでこの人は、ある意味凄いすよ!つまり、中身がな〜んも無いくせに、すっげぇ有りそうに見せるテクニックは凄いすよ(苦笑)だから、学生とかに見せて「みんなぁ、来週までにこの映画についてレポートを提出しろよぉ!」とか言うには調度良い、まるで教材ビデオです。結局は、な〜んでも有りで、な〜んも無い映画なんですが、色々ウラ読みして語りだすと際限なく続くような気もします。例えば、もの凄く映画好きで、実際にたくさんの映画を観ている仲間たちと、この映画を肴にして語りだしたらアッチヘコッチへ話の方向が脱線しながら一晩中語り明かせそうです(笑)。それにしても、ヨーロッパの人々はこういう映画が好きですねぇ。論争好きなフランス人にとっては、猫にとってのマタタビみたいなモンなんかなぁ・・・キョロ(・_・ ))(( ・_・)キョロ 当然、あーだこーだ言いたがる評論家にもウケが良いのも間違いありません。論争のネタになるような映画という意味では、脚本が上手いし、演出も言う事無いです。この映画を真面目に捉えて、真面目に論争する人々をとやかく言う気持ちはありませんが、個人的には内容に意味は無いと思っています。ハネケはコレを観た人々が色々語り合うのが楽しくてしょうがないんでしょう。しかし、映画と言うのは本当に奥深いなぁ・・・・。ある意味、ハネケの次回作が楽しみになりました。彼との付き合い方がようやく分かって来ましたよ。


役者としては中々の才覚を見せるリーブ・シュライバーの初監督作品『僕の大事なコレクション』。偏執狂的なコレクターが主人公なのに物語は至って平凡!っつーか、「そっちに行くのかよ!」というようなツッコミを入れたくなるくらい残念な作品です。「そっちに行くのかよ!」部分が結末になっているんで「またかよ!」状態です。もっと**が演じるキャラを中心に描いた方が面白かったと思うんですけどね。出だしとかもの凄く面白いのに、なんなんだろうなぁ・・・このまとまりの無さは!なんかねぇ・・・ハッキリ言って「メッセージとか要らねーだんよ!その主人公の奴、面白そーじゃん!そいつの笑えるエピソードで映画を作ってみようぜ!」みたいなノリで良かったんだと思うんですよ。とにかく中途半端な映画です。


2006年05月03日(水)  グッドナイト&グッドラック

ジョージ・クルーニー初監督作『グッドナイト&グッドラック』。かなり期待していたんですけどねぇ・・・何だか、置いてけぼりを喰ったような印象が残りました、これは、オイラの知識の無さも影響しているんだとは思いますが、作り手たちだけで勝手に盛り上がって先に行っちゃってる?感じです。主役のエド・マローはそりゃ大したコトをなさった人物なんでしょうけど、かっこ良く描き過ぎでしょ!映画は、マローを中心とした報道チームの仕事ぶりを淡々と描いてくのですが、結果的にチームから離脱してしまう人物や、ワケありカップル等のエピソードが取ってつけたようで、ピンと来ません。で、斜に構えて「グッドナイト&グッドラック!」と言われても、何をかっこつけてるんだか!っつー感じです。ことさらに英雄然と描かれても興冷めですが、かと言って、暖かい血が流れているような印象もありません。クールに、硬派に描いたんでしょうけど、個人的にはこういう人物像に魅力を感じません。だって、強くてかっこ良いだけなんだもの・・・批判を覚悟で言えば、まるでキムタクみたいな映画でしたキョロ(・_・ ))(( ・_・)キョロ ダッシュ!((( 三( -_-) 。健全な印象を前面に出しているのも、ちょっと鬱陶しいかな・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ


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