Deckard's Movie Diary
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2005年04月16日(土)  真夜中の弥次さん喜多さん

“クドカン”こと、あの宮藤官九郎の初監督作品(もちろん脚本もです。)『真夜中の弥次さん喜多さん』です。う〜ん、やっぱりね(苦笑)。早い話、クドカンのアホな部分のオンパレードでした。だから、(そんなモノがあるのかどうかワカランが)完璧なヴァラエティ映画です。とにかくおバカでテンションが高く、うるさい!昔(71年だったかな・・・)、『お荷物小荷物』というドラマがあり“脱ドラマ”なんて呼ばれた時があったんですが、クドカンのセンスってその辺りとちょっと似ているんですよね。まぁ、何でもアリ!ってコトなんですけど、全編を通して強烈に引っ張るモノが無いですから、どうしても飽きちゃいます。それなりに笑えますけど、それだけ!というワケでシネマ・ライズでは大うけしていました(苦笑)。


2005年04月11日(月)  コーラス 隣人13号 カナリア

フランスで大ヒットした『コーラス』。悪い映画ではありませんが、ハッキリ言って“良く出来たTVドラマ”程度の完成度です。予告編で想像出来たストーリーがそのまんま展開され、全く裏表がありません。映画としては食い足りない印象が残り、まるで底上げされた鰻丼のようでした。放ったらかしにされたままの部分もどうなんでしょう?そんなんでいいんですかねぇ・・・ちょっと疑問が残ります。さすがに、『野ばら』を彷彿とさせる美しい歌声は聴いているだけで背筋がピンとなりますが・・・それだけかなぁ・・・( ̄。 ̄ )ボソ…


予告編から、ちょいとそそられていた『隣人13号』。監督はMV出身の井上靖雄。初監督作品ですが、その映像センスはこの映画に関しては十分魅力的です。二重人格の描き方なんて達者だなぁ・・・と思わせてくれますし、間の取り方も上手いです。ただ、単純なストーリーなのに長過ぎるので全体的に散漫な印象が残ります。エンディングに向かって、そのパワーが凝縮しないというか・・・。それでも、この手のストーリーとしては着地の仕方は悪くないので好感触でした。ちょっと惜しいなぁ・・・(またかい!)。個人的には原作よりもまとまっていると思いますし、エンディングの解釈も好きです。 それにしても、最近の活躍が目覚しい小栗旬ですが、なかなか良い雰囲気が漂ってますねぇ・・・( ̄。 ̄ )ボソ…


『害虫』で、なんじゃこりゃ?とガッカリさせて、プログラム・ピクチャーの『黄泉がえり』で「やれば出来るじゃん!」と感心させてくれた塩田明彦最新作『カナリア』。またまた、難しい題材にチャレンジしたもんですねぇ・・・。う〜ん、どうなんでしょう。オイラはダメでした。言わんとしているコトは分かるんですが、130分を越える時間をかけているにはあまりにも平板です。子供にとっての親、大人にとってのカルト宗教・・・盲目的に信じていたモノに裏切られた時、又は信じられなくなった時、子供は、人は、どうなってしまうのか?どう行動するのか?自己完結の技を持っている大人は不器用ながらも社会に溶け込んでいくけれど、そんな技を持っていない子供達は何度も溺れそうになりながらも生きていく。それが大人には無い子供が持つしたたかなバイタリティってコトなんですけど、ラストの描き方も含めて陳腐というか、乏しい印象でした。意味不明なカップルを登場させている暇があるのなら、もっと我武者羅に対象に迫って欲しいんですけどねぇ・・・もちろん、それぞれが曖昧な描き方でも構わないんですが、だからといって上澄みだけをすくい取って、後は表情で!みたいな演出されてもなぁ・・・オイラはピンと来ません。そりゃ、喋らない表情の良さとかも分かりますが、逆に言えば喋らせるコトを怖がっているような気もします。別にベラベラ喋れ!って言ってるワケじゃなくて、一言二言でいいんですよ。だいたい、女性は良く「日本人の男性って“好き”とか“愛してる”とか言ってくれないんだからぁ!」とか文句を言うワリには、こういう映画には甘いんだからぁ!あれ?なんかヘンな方向に行っちゃったわ(>_<)アチャ!話を戻します!チラシに書いてある宣伝文句・・・なにが“息を呑むラスト”なのか?どこで“魂が揺さぶられる”のか?サッパリ分かりませんでした。それもこれもオイラがかなり歳を重ねてしまったからなのでしょう。


2005年04月09日(土)  エターナル・サンシャイン アビエイター

ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットという魅力的なキャスティングの『エターナル・サンシャイン』。結論から言わせてもらえば、今回もまた、このスタッフ(チャーリー・カウフマン、ミッシェル・ゴンドリー、今回はスパイク・ジョーンズは絡んでいませんが・・・)は広げた風呂敷をキチンとたためていませんでした(苦笑)。結局のところ、中心人物であるチャーリー・カウフマンは映画作家というよりは、仕掛け屋って印象なんですよね。なぜなら、観客が引っかかりそうなアイテムやシーンをばら撒き、最終的な解釈は観客に委ねてしまう方法ばかりだからです。そこには作家としての確固たる意思(全ての作家に確固たる意思があるとは思っていませんが・・・)あるワケではなく、「コレを観た貴方はどう感じるのかな・・・ふふふ」とほくそえんでいるようにしか思えません。もちろん、色んな解釈が成り立つようなストーリーでも構わないんですが、彼の場合は最初からそこだけ(観客を巻き込むような仕掛け)に狙いがあるような気がします。だから、ユニークに感じるんじゃないでしょうか?謎解きや深読みする観客にはウケるとは思うんですけど、個人的にはちょっと鬱陶しいです。だって、幾らでも分かりやすく作るコトが出来るだろうに、わざわざ複雑にしているんですもの(苦笑)。それでも今回は“恋愛”という分かり易いストーリーに絞っているので、これでまの作品に比べたらまとまっていますし、完成度は高いかもしれません。まぁ、途中はほとんどミュージック・ビデオですけどね。髪の毛の色で工夫なんぞしているのですが、それもまた個人的にはなんだかなぁ・・・。と、文句ばかり並べていますが、正直告白すると、途中で物凄く切なくなっちゃったんですよ(苦笑)。頭の中で、何度も埋めては掘り起こされる甘く苦い思い出・・・反芻される様々な感情(オイラの場合は後悔ばかりなんですが・・・)。それは、恋愛を経験した者なら誰もが思い当たる鼻の奥がツンとなる症状です。この映画を観ると、そんな心の奥底を刺激されちゃいます(苦笑)。というワケで、観て損はないでしょう!


スコセッシが再びデカプリオと組んだ新作『アビエイター』。オイラが絵画音痴なのは羞恥?の事実です。どんなに評価の高い絵画を観ても「ふ〜ん・・・」っつー印象しか脳内に浮かばないのです。ある意味、ナイナイ脳みその中にその手を感知するチップが無いのでしょう。そりゃ、好き嫌いくらいはありますが、感激とか感動とかとはほど遠いです。あのラファエロがダ・ビンチの工房でモナリザを目にした時、その完璧な美しさに感動し、脚の震えを抑えつつその場に佇み涙を流したという逸話がありますが(あるの?)、オイラには全く理解の及ぶ話ではありません。というワケで『アビエイター』です。確かに力作ですし、素晴らしい作品なのですが、個人的には美術館で接した数々の名画ような印象でしかありませんでした。色彩設計も美術も撮影も素晴らしいですし、出演者それぞれの存在感も特筆ものですが、面白い映画だと思いませんでした。だって、描かれているコトが、単に金持ちの戯れにしか見えないんですもの(苦笑)。スコセッシは昔に比べると確かに上手くなったし、見せ場の演出も巧みになりましたが、後期の黒澤と同じように何処か平均化されていて魅力に欠けます。親分が仰っているようにスコセッシは狂気を描いてきた映画作家ですが、おそらく年齢を重ねていくにつれて、若かりし頃には充満していた得たいの知れないパワーが希薄になってしまったんでしょうか?それでもオイラはスコセッシが描くハリウッド版『インファナル・アフェア』が観たくて仕方がありません!堂々たるハリウッド版が観たいなぁ・・・・( ̄。 ̄ )ボソ…


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